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『流通する「人体」――献体・献血・臓器提供の歴史』

香西 豊子 20070726 『流通する「人体」――献体・献血・臓器提供の歴史』,勁草書房,352p.


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香西 豊子 20070726 『流通する「人体」――献体・献血・臓器提供の歴史』,勁草書房,352p. ISBN-10: 4326101741 ISBN-13: 978-4326101740 3675(3500) [amazon]

 献体・献血から臓器提供まで、医療・医学研究への人体提供はどのような言説により制度化されてきたのか。現代のヒト組織利用につらなる言説構造を描き出す研究書。
 解剖体や血液、臓器といった「資源」はどのように流通し供給されてきたのか。江戸末期から現在まで、その流通システム形成過程を追うことを通じ、ヒト組織利用に関し倫理的根拠とされる「善意による無償提供」「自己決定」といった言葉が、そもそも経済論(資源をいかに調達するか)の帰結であることを描き出す。議論に一石を投じる書。

序章 ドネーションという事象系
 一 人体という不安
 二 予備的考察――「人体」の歴史記述をめぐって

第 I 部 ドネーションの経済論――解剖台の定点観測より
第一章 ドネーションの歴史性
第二章 解剖の制度化と身体
 一 制度化される解剖
 二 「残酷」と「幸福」と
第三章 戦前期における解剖体の経済論
 一 施療/無縁/特志
 二 解剖台の近景――東大解剖学教室の備忘録より
第四章 戦後の「解剖体不足」と献体運動
 一 解剖体の「需要/供給」
 二 解剖体を規定する言葉の再編
第五章 躍動する「篤志」

第 II 部 ドネーションの諸形態――ストック/バンク/ネットワーク
第六章 ドネーションと「人体」の形象
第七章 血液のバンキング
 一 日本における血液事業の歴史的支点
 二 「安全」な血液の希求
 三 「黄色い血」という教訓
 四 跛行する献血制度
第八章 移植医療ネットワーク
 一 移植医療と身体
 二 角膜移植の展開
 三 移植医療ネットワークの現出
第九章 ドネーションという統辞論

第 III 部 ドネーション言説の展開――「起源」の忘却のなかで
第一〇章 「人体」のありか
 一 人体標本展の存立様態
 二 「漱石の脳」の来歴
 三 人体標本と「人体」
第十一章 記述のなかのドネーション


参考資料
あとがき
参考文献
索引

*作成:北村健太郎
UP:20071226
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