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『明香ちゃんの心臓――〈検証〉東京女子医大病院事件』

鈴木 敦秋 20070420 講談社,303p.


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■鈴木 敦秋 20070420 『明香ちゃんの心臓――〈検証〉東京女子医大病院事件』,講談社,303p.
 ISBN-10: 4062133229 ISBN-13: 978-4062133227 1785 [amazon] ※ b d01 t02

■出版社/著者からの内容紹介
日本一の病院で心臓手術を受けた、12歳の少女が死んだ。死因は隠蔽され、記録は改竄された。悲劇を繰り返さないために、渾身のノンフィクション、600枚。
「明香ちゃんの心臓 〈検証〉東京女子医大病院事件」(鈴木敦秋・著)は、4月20日(金)に刊行されます。
2001年3月、群馬県高崎市の歯科医・平柳利明・むつ美夫妻の次女、明香ちゃんは、東京女子医大病院附属心臓血圧研究所(心研)で、心房中核欠損症の手術を受け、2日後に死亡しました。
その後、記録の改竄、人工心肺装置の誤作動などが発覚し、証拠隠滅罪と業務上過失致死罪を争う刑事事件になっています。
本書ではまず、手術室で何があったのか、その全容に迫ります。
第1章「明香ちゃんが病院で死んだ」にある両親の証言の数々は、読む者の涙を禁じ得ません。
第4章「屍を乗り越えて」では、心臓病の治療では自他ともに日本一を認める東京女子医大病院の戦後史を、まったく新しい角度から検証していきます。
泣き寝入りから法廷へ、患者と医師の関係が、戦後60年、どう変わってきたのかを検証します。
そして最後に、患者と医師が対話を重ねるための新しい考え方、ADR(裁判街紛争解決)に注目し、東京女子医大病院と被害者連絡会との間に成立した新しい取り組みを紹介します。
医療の進歩の強い光が医療の闇の部分を覆い隠してしまう牧歌的な時代は終わりを告げました。そんな時代に読むべき新しいノンフィクション作品の誕生です。

目次より
明香ちゃんが病院で死んだ
「春が来て みんなの笑顔に さようなら」
第5手術室で何が起きたのか
両親への報告はこうして行われた
「患者の顔も見ないで、よく手術ができるね」
東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所(心研)の戦後史
二医師の逮捕
病院が変わることを信じて
特定機能病院の再承認への道
人工心肺医の無罪判決

■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
すずき・のぶあき
1963年、東京都生まれ。明治大学を卒業後、商社勤務を経て、90年、読売新聞社に入社。94年から社会部に勤務し、遊軍記者として長く医療取材に関わる。2004年からは社会保障部、06年からは医療情報部に籍を置き、医療担当に。著書に、『大学病院に、メス!』『小児救急「悲しみの家族たち」の物語』(ともに講談社)がある。

■目次
 第一章 明香ちゃんが病院で死んだ
     ◇「ヒサビサ」の診療 / ◇歯科医の次女として生まれて / ◇セカンド・オピニオン
     ◇「医療事故、大丈夫ですか」 / ◇終わらない手術 / ◇延命の「儀式」
     ◇「春が来て みんなの笑顔に さようなら」 / ◇内部告発
 第二章 第5手術室で何が起きたのか
     ◇人工心肺装置というブラック・ボックス / ◇パニックの現場 / ◇改竄 / ◇主任教授の「指示」
 第三章 両親への報告はこうして行われた
     ◇水俣の記憶 / ◇「患者の顔も見ないで、よく手術できるね」
     ◇死亡原因調査委員会 / ◇墓前での謝罪
 第四章 屍を乗り越えて――東京女子医大付属心臓血圧研究所(心研)の戦後史
     ◇「世界」に追いつけ / ◇心研の船出 / ◇赤い十字架 / ◇和田寿郎教授と心臓移植
     ◇診療科の壁 / ◇「我々の技術は、神の領域に入っている」
 第五章 二医師の逮捕
     ◇捜査一課長の記者会見 / ◇利明の決心 / ◇厚生労働省の動き
     ◇医療事故に業務上過失致死罪を適用できるのか / ◇東京拘置所での再会 / ◇自殺未遂
 第六章 病院が変わることを信じて
     ◇被害者連絡会の結成 / ◇ADR / ◇「これで終わりにしましょう」
     ◇人工心肺医の無罪判決 / ◇明香、許してくれるかい


UP:20071117 REV:2007
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