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『差別に抵抗せよ――韓国における障害者運動20年、1987〜2006年』

キム・ドヒョン  20070416 パク・ジョンチョル出版社, 213p.
韓国語頁

last update: 20120606


■キム・ドヒョン 20070416 『差別に抵抗せよ――韓国における障害者運動20年、1987〜2006年』,パク・ジョンチョル出版社,213p. ISBN-10: 8985022458 ISBN-13: 9788985022453 KRW9,000 [aladin][kyobobook] ds-k


◆内容

出版社紹介
1987年から2006年まで韓国における障害者運動の20年間の歴史を整理した本である。『差別に抵抗しろう』は今まで大衆運動の領域でも理論的実践の領域でも周辺化されていた障害者運動について論じる。部分的には障害者運動が提起した議題に対して解説するなど、障害者運動の現在を診断し、今後の課題についても論じている。
特に、関連がある写真をあちこちに収録して躍動感と臨場感を生かしている。障害者という存在が韓国の社会では認識されなかったほど、社会運動の領域でも障害者の人生と闘争は存在するが、存在しないかのように見逃された現実の中この本は差別に抵抗し、戦ってきた障害者の歴史を通じて大きな感動をあたえる。

◆目次

はじめに
序章/ 歴史は記録され共有されなければならない

1章 障害問題に対する社会的対応の開始
1.実質的な障害者運動がなかった1960〜1970年代
「不具者」とこれらを保護するための「専門家」団体/障害者に対する入学拒否と個別的救済
2.大衆的障害者運動の萌芽が形成された1980年代
同じ類型の差別と異なる対応――訴訟と共同行動/キム・スンソックの死と青年障害者の抵抗/多様な障害者関連団体の出現

2章 青年障害者を中心にした進歩的障害者運動の胎動(1987〜1993年)
1.障害者の雇用と生存権保障のための「二大法案闘争」
劣悪な障害者労働の現実と障害者雇用のための特別法制定の要求/障害者オリンピック拒否闘争と「二大法案闘争」/ 本格的な闘争と法案の通過/ 変革的青年障害者運動勢力の独自確立と成長
2.障害者施設と関連した闘争と対応
障害者施設問題とこれに対する闘争の様相/正立会館の不正と二回にかけた占拠、座り込み/障害者施設に対するNIMBY現象と障害者団体の対応
3.障害者教育権の法的保障のための闘争
教育権の意味と特殊教育の現実/特殊教育振興法ではなく障害者教育法で、無償教育を越えて義務教育へ/特殊教育振興法全面改正の争奪、その成果と限界
4.ウルリントと障害者運動青年連合会にういて
変革的障害者運動の扉を開いたウルリントと全肢大連/障害者青年連合会(障青)の出帆と全国的青年組織建設のための努力/ウルリントの解体と全国障害者青年連合会の建設の失敗について

3章 進歩的障害者運動の大衆化のための努力と挫折(1994〜2000年)
1.障害者雇用促進法改悪阻止闘争と労働権確保闘争
財界および政府の障害者雇用促進法改悪の試みと全障協の対応/労働権を確保するための闘争の日になった障害者の日
2.障害者露天商の死とそれに続く闘争
チェ・ジョンファンの焼身と政権退陣スローガンの登場/公権力によるイ・ドクインの死亡と民衆運動陣営の共同の行動
3.エバダ福祉会不正財団退陣と民主化のための闘争
縁戚運営体制を土台にした障害者施設不正の典型、エバダ福祉会/社会運動陣営の全国的な連帯を通したエバダ福祉会不正財団の退陣/エバダ闘争の特徴と意味
4.専門領域を引き受ける障害者団体と障害女性運動団体の登場
5.障害者連合組織の結成と葛藤
障対協(韓国障害者福祉共同対策協議会)と障総連(韓国障害者団体総連合会)/ 「障害者職業リハビリ法」問題と韓国障総(韓国障害者総連盟)
6.全国障害者ハン(一)家族協会について
大衆事業に適合した組織の構成と全国支部の建設/労働権問題を中心にした多様な大衆活動の展開/既成政治勢力と関連した市民運動勢力の強化と全障協(全国障害者ハン(一)家族協会)解散

4章 現場大衆闘争の復元と新しい展望の提示(2001年以後)
1.移動権の確保のための闘争と障害者移動権連帯
オイド駅垂直型リフト墜落惨事と障害者移動権連帯のスタート/ 100万人署名運動とバス乗車闘争、そして39日間の断食座り込み/ 障害者移動権保障のための法律の制定/現場大衆闘争の復元
2.チェ・オンナン烈士の最低生計費を現実的なものにするための闘争と以後の年金法制定運動
重度障害者、女性であり、お母さんの都市貧民だったチェ・オンナンの闘争と死/基本的な生存権は無条件の権利無寄与障害者年金法制定のための活動
3.差別ではなく平等な教育に向かった障害者教育権連帯の闘争
持続性を持った障害者教育権運動の不在、そして特殊教育の劣悪な現実/ 障害者教育権連帯の全国的闘争と障害者教育支援法制定のための活動/両親の力で世の中を変えよう
4.「障害者差別禁止法」制定のために
恩恵から権利に! 障害者の市民権を保障するための「障害者差別禁止法」/ 法案の発議と制定のための本格的な闘争
5.社会福祉施設の民主化と公共性確保のための闘争
施設生活者の人権確保のための運動と社会福祉事業法改正闘争での拡張/館長のその場しのぎ任期延長と三回目の正立会館占拠座り込み
6.障害者自立生活運動と介助サービス制度化のための闘争
障害者自立生活運動の導入とセンター連合体の構成/重度障害者の凍死事件と介助サービス制度化闘争の本格化
7.障害者差別撤廃のための「4.20闘争」
「障害者差別撤廃の日」で宣言された障害者の日/事案別・領域別共同の行動を越えた連帯経験の蓄積
8.その他の闘争と活動
障害者雇用奨励金縮小方針撤回のための闘争/国際障害者権利条約の制定運動/刑事訴訟法改正運動/障害者体育に対する差別をなくすための活動/マッサージ師留保雇用違憲判決と視覚障害者の生存権闘争
9.制度圏内の主流障害者団体の新しい様相
10.全国障害者差別撤廃連帯準備委員会に対して
進歩的障害者運動の常設的連帯組織のスタート/全障連(全国障害者差別撤廃連帯準備委員会)建設の歴史的意義

第5章韓国社会障害者運動の現在と今後課題
1.障害問題と障害者運動、その非同時代性
2.2006年以後韓国における障害者運動が備えなければならない客観的局面
3.進歩的障害者運動の持続のための基本的課題

参考文献
障害者運動主要日誌
索引

◆引用

移動権を確保するための闘争と障害者移動権連帯
韓国の社会で障害者の「移動権」が提起され本格的な闘争になった契機は2001年1月22日に首都圏地下鉄4号線オイド駅で発生した垂直型リフト墜落事故であた。 垂直型リフトは機械室が別にない一種の簡易型エレベーターを言うが、障害者のために設置したという便宜施設が6ヶ月も過ぎないうちに鉄心が切れながら墜落し、障害者1人が死亡、他の1人は大き負傷された。 事件が発生した直後、ノドゥル障害者夜間学校は自主的に現場訪問と調査を実施する一方、ソウルDPI,ソウル身体障害者協会、障害者失業者連帯、障害者便宜施設促進市民連帯(略称便宜連帯)とともにオイド駅障害者垂直型リフト墜落惨事対策委員会(略称 オイド駅対策委)を組織した。オイド駅墜落事故に対する対応におけるノドゥル夜学が主導的役割をしたことはすでに二度にかけて障害者リフト事故に対応した経験があるからであった。 1999年6月28日にはノドゥル夜学学生であるイ・キュシク(当時31才、脳性麻痺、障害1級)がソウル市の地下鉄4号ヘファ駅で、階段壁面の欄干のようなレールについて動かさせた傾斜型リフトを利用しようとしたが墜落した事故があった。ノドゥル夜学はソウル市地下鉄公社(現ソウル メトロ)を相手にした訴訟を提起し、5百万ウォンの賠償金支給という強制調停案を導きだした。以後ヘファ駅には傾斜型リフトが撤去されエレベーターが設置されるようになった。また、同じ年10月4日にもノドゥル夜学学生イ・フンホ(当時30才、脳性麻痺、障害1級)がソウル市の地下鉄5号線チョンホ駅で傾斜型リフトを利用しようとした時にレールの溶接の部分が切れ、墜落直前まで行く事故におった。ノドゥル夜学は該当区間を担当しているソウル都市鉄道公社を訪問し抗議して、声明書を発表しエレベーター設置を促した(pp.103-104)。

2001年以後、韓国における障害者運動の最も大きな特徴とは1990年代中盤以後次第に弱まり全国障害者ハン家族協会(略称 全障協)の消滅で断絶したような現場大衆闘争の復元と言える。そして、その復元が障害者移動権連帯の闘争から始まったということには誰も異議を唱えない。 全障協の最後の継承者であるノドゥル夜学がオイド駅リフト墜落惨事を契機に始めた障害者移動権闘争は非妥協的な現場闘争を通じて障害者運動に新しい流れを作り出した(pp.111-112).

重度障害者の凍死事件と介助サービス制度化闘争の本格化
「差別に抵抗せよ」という旗じるしの下で障害者移動権連帯の成果を継承し2005年10月スタートした全国障害者差別撤廃連帯準備委員会(略称 全障連)はハマンに住んでいた障害者凍死事件を調査することを国家人権委員会に陳情し、以後重度障害者189人の集団陳情を通じて介助サービス制度化に対する政策勧告を国家人権委員会に要求した。 (中略) 全障連は内部的な議論と各団体との懇談会を通じて介助サービス制度化闘争委員会を構成し、2006年3月20日からソウル市庁の前で野宿座り込みに突入した。 そして43日間野宿座り込みを行いながら重度障害者39人の集団断髪(4月17日),ハンガン(漢江)大橋を重度障害者がはって歩く6時間の闘争(4月27日)等を展開したあげく介助サービス制度化に新しい転機を作ることになる。(中略) テグ市ではテグ障害者差別撤廃連帯が地域の障害者団体および社会団体らと共にテグ重度障害者生存権確保連帯を構成し5月18日から6月29日までテグ市庁の前で43日間座り込みを展開し、インチョン市ではインチョン障害者差別撤廃連帯が6月13日から26日までインチョン市庁の前で14日間座り込みを展開した(pp.142-143).

■書評・紹介

■言及



*作成:クァク・ジョンナン
UP:20120305  REV: 20120523, 0606
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