HOME > BOOK >

『生によりそう「対話」――医療・介護現場のエスノグラフィーから』

土屋 由美 20070301 新曜社,216,2p.


このHP経由で購入すると寄付されます

■土屋 由美 20070301 『生によりそう「対話」――医療・介護現場のエスノグラフィーから』,新曜社,216,2p. ISBN-10: 4788510359 ISBN-13: 978-4788510357 \2310 [amazon][kinokuniya]

■内容

父が脳梗塞で倒れ、娘が付き添い介護をすることになりました。後遺症で上手く言葉をしゃべれず、身体も思うように動かなくなって、いらだつ父。そんな父にどう対処してよいかわからず、とまどう娘。そんな二人が、医療スタッフや補助スタッフ、他の患者たちとの出会いのなかで、特殊な「対話」のスタイルを発達させ、それが、障害を持って生きること、家族として接していくことに大きな変化をもたらしたのでした。この「対話」を中心に、医療・介護の現場でおきた出来事を読み応えのある筆致で記録したエスノグラフィー。

■目次 ■引用

私の父は、65歳の誕生日を間近に控えた1990年8月16日、自宅で激しい頭痛を訴えた後、まもなく意識障害におちいり、駆けつけた救急車で大学病院に運ばれた。検査の結果、小脳梗塞であると診断され、約三ヶ月間入院して集中的な治療を受けた。後遺症として身体の片麻痺はなかったが、主として歩行のバランスと発語に障害があらわれた。…

私は父が退院後に障害を持った身体で新たに生活を始める過程において、とりわけ言語を獲得し直していく多くの場面を共にし、あるいは目撃した者として、人が「話す」という行為が、「自分を生きる」という営みととても深くつながっていること。さらには病気によってさまざまなものを失った状態から「自分をどう生きなおしていくか」を模索していく過程そのものであることを教えられた。

(pp. 2-3)
■書評・紹介

■言及



*作成:三野 宏治
UP: 20091117 REV:
ナラティヴ・物語   ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)