『エスノメソドロジーの可能性――社会学者の足跡をたどる』
椎野信雄 20070328 春風社,367p. 4,900
■椎野 信雄 20070328 『エスノメソドロジーの可能性――社会学者の足跡をたどる』,春風社,367p. ISBN:4861101093 4,900 [amazon]/[kinokuniya]
■目次
はじめに 1
第1部 「知識」観をめぐって 15
第1章 科学の社会学研究 17
1 標準的な科学観における二つのアプローチ 17
2 知識社会学への批判再考 20
3 「新しい」科学知識の社会学の視野 23
4 「新しい」社会学とエスノメソドロジーの相違点―命題と実在の関係をめぐって― 27
5 言説の立場と科学のエスノメソドロジー研究の関係 29
第2章 科学への社会学アプローチとエスノメソドロジー研究 33
1 科学社会学の歴史 33
1-1 初期段階の科学社会学:一九三〇年代 33
1-2 一九六〇年代におけるマートン派の科学社会学の確立 39
1-3 一九七〇年代半ばにおける科学知識の社会学の出現 41
1-4 科学に対する四つの社会学アプローチ 42
2 科学における実践的行為のエスノメソドロジー研究 46
第3章 科学的ワークの研究 52
1 科学的ワークの社会編成の研究 53
2 発見の諸理論(発見という出来事の説明) 55
3 発見する科学のワーク 59
第4章 エスノメソドロジーの科学研究 64
1 新しい科学社会学とエスノメソドロジー研究 64
2 ストロング・プログラムの方針 66
3 経験的相対主義プログラム 73
4 ラボラトリー研究 75
5 構築主義的研究の帰結 81
6 ラトゥールの科学研究 84
7 エスノメソドロジーのワーク研究としての科学研究 89
第2部 相互行為秩序はいかにして可能か 95
第5章 社会学の根本問題 97
1 ジンメルの定式化 97
2 「社交」の純粋社会学 101
3 デュルケームの「儀礼」論 103
4 ゴフマンの相互行為秩序/相互行為儀礼論 105
5 相互行為秩序はいかにして可能か 110
第6章 ミードの社会心理学 114
1 コミュニケーションと自我 115
2 『I』と『me』 118
3 他者と自我 122
4 ミードとロマン主義 125
5 ミードとフィヒテ 130
第7章 ジンメルの形式社会学 137
1 ジンメルの社会学体系 139
2 ジンメルの「社会」観 144
3 「社会的なもの」としての(心的)相互作用 152
4 「社会はいかにして可能であるか」(社会学の根本問題) 158
第8章 ゴフマンの相互行為秩序論 165
1 シンボリック・インタラクショニズムの理論的前提 166
2 シンボリック・インタラクショニズムとゴフマン 169
3 社会秩序としての対面行為 174
3-1 社会秩序としての対面的相互行為 174
3-2 社会学的モデル 176
3-3 対面的相互行為の秩序の特徴 177
3-4 自明性としての相互行為の規範 179
3-5 第一次的な社会秩序としての相互行為 181
4 「フレームアナリシス」―経験の組織化の試論― 182
第9章 シクレルのエスノメソドロジー再読 189
1 シクレルの試み 190
2 シクレルの社会的相互行為についてのモデル 192
3 解釈手続き 194
4 分節化 196
5 概念間の関係 197
6 シクレルの理論の評価 198
第10章 現象学的社会学とエスノメソドロジー 201
1 ガーフィンケルの勧告:フッサールを「誤読」せよ 201
2 フッサールの自然科学批判、あるいは科学実践の現象学 203
3 局所的に編成された活動 205
4 ポスト現象学の影響下のエスノメソドロジー 208
5 エスノメソドロジー的無関心 213
6 プロトエスノメソドロジー 218
7 プロトエスノメソドロジーを越えて? 220
第11章 エスノメソドロジー研究の方針と方法 222
1 エスノメソドロジーの主張 223
2 社会学研究プログラムの課題 224
2-1 社会分析のための研究対象の候補(秩序*トピック) 224
2-2 秩序*現象としての秩序*トピック 225
3 「分析的」社会学のプログラム 226
4 エスノメソドロジー研究のコーパス(ラディカルな秩序*現象の集成) 229
5 伝統的研究とエスノメソドロジー研究のテクノロジー比較対照 234
5-1 社会分析のための二つのテクノロジー 234
5-2 伝統的研究のテクノロジー 訳解作業の定理(Rendering Theorem) 235
5-2-1 記号化されたオブジェクト(signed objects) 236
5-2-2 伝統的な説明可能性 237
5-3 代替的なテクノロジーとしてのエスノメソドロジー研究 238
5-4 二つのテクノロジーとしての伝統的研究とエスノメソドロジー研究の比較対照 239
6 エスノメソドロジー研究の方針と方法 241
6-1 エスノメソドロジー方法の独特な適切性=妥当性要件 242
6-2 「明快な場面」について 243
7 おわりに 245
第3部 エスノメソドロジー研究入門 251
第12章 「遺伝子改造社会の論理と倫理」の概念分析 253
1 金森「倫理学」の問題設定 255
2 新優生学の問題 257
3 金森氏の判断 258
4 新優生学「遺伝子改造論」推進派のリベラリズム―「個人の自由」「自己決定」論の問題点― 260
4-1 (リバタリアン)池田氏の構造主義生物学(反ネオ・ダーウィニズム)(全体論):反遺伝子決定論(=反原子論)からの意見 260
4-2 女性の「自己決定権」の論理 262
4-3 新優生学リベラリズムの大前提 264
5 遺伝子改良推進論あるいは金森「倫理学」の論理矛盾(概念混乱) 267
6 おわりに 270
第13章 統計学入門のエスノメソドロジー研究入門 273
1 「統計学の練習問題」 274
2 「統計学の練習問題」のエスノメソドロジー入門 299
3 社会学的実践のエスノメソドロジー研究のために 301
第14章 科学的ワークのエスノメソドロジー研究入門 304
1 エスノメソドロジー的現象としての(科学的)オブジェクト 304
2 デモンストレーションのための準備 308
3 ニュートンの光学理論 312
4 ゲーテのデモンストレーション 316
5 ニュートンのスペクトルのゲーテによる再特定化 321
6 おわりに 327
第15章 会話分析とエスノメソドロジー研究のために 334
1 エスノメソドロジーと会話分析 334
2 分析的リサーチ・プログラム(形式的分析)としての会話分析 335
3 会話分析の専門化(制度化) 339
4 会話の常用語的カテゴリー 342
5 ポスト分析的エスノメソドロジーへ 344
参考文献 347
初出一覧 366
*作成:植村 要/青木慎太朗