『日本人の死に時――そんなに長生きしたいですか』
久坂部 羊(くさかべ・よう) 20070130 幻冬舎,201p.
■久坂部 羊 20070130 『日本人の死に時――そんなに長生きしたいですか』,幻冬舎,,201p. ISBN-10: 4344980182 ISBN-13: 978-4344980181 756 [amazon]/[kinokuniya] ※ d01.et.
■目次
はじめに
第一章 長生きは苦しいらしい
第二章 現代の「不老不死」考
第三章 長寿の危険に備えていますか
第四章 老後に安住の地はあるのか
第五章 敬老精神の復活は可能か
第六章 健康な老人にも必要な安楽死
第七章 死をサポートする医療へ
第八章 死に時のすすめ
おわりに
■引用
第六章 健康な老人にも必要な安楽死
死んだほうがいいという状況 135-
「みなさんは、どんなに苦しくても、死んだほうがいいという状況などあり得ないとお考えでしょうか。
私は仕事がら、そんな状況をよく目にします。<0135<[…]
そのひとつの例をご紹介しましょう。
私が在宅で診ていた恵子さん(六十二歳)は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という何難病で、病院から紹介されたとき、すでに寝たきりの状態でした。
この病気は原因不明の神経筋障害で、全身の筋肉が徐々に萎縮し、最後は衰弱して死ぬ恐ろしいものです。治療法はなく、対症療法(熱が出たら解熱剤、痛みがあれば鎮痛剤など)しかできません。」(日下部[2007:135-136])
安楽死すべきかせざるべきか 141-144
「こんな残酷な苦しみしか残っていなかったのなら、いっそ十二月のあのときに、安楽死を実行したほうがよかったのではないか。
答えは今もわかりません。」(日下部[2007:144])
■言及
◆立岩 真也 2012 『…』 文献表