『ベーシックインカム――基本所得のある社会へ』
Werner,Gotz [ヴェルナー,ゲッツ].20071120 現代書館,220p.
■Werner,Gotz 2007 Ein Grund f¨ur die Zukunft : Das Grundeinkommen,Stuttgart : Freies Geistesleben,128p,
= 20071120 渡辺 一男 訳 『ベーシックインカム――基本所得のある社会へ』,現代書館,220p,ISBN:4768469639 ISBN-13: 9784768469637 2100 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
無条件の「所得保障」という選択―「ベーシック・インカム」構想とは何か!いま注目の社会理論の全容を明らかにする
■目次
第1章 ゲッツ・W・ヴェルナーの提言、および彼とのインタビュー
未来への基礎:ベーシック・インカム
つねに種を蒔くこと
月並みの改革ではなく、根本的な改革を
私たちの生活はパラダイス状態にある
労働をマニアック視することで、みんな病気になる
根本的に考えて、一歩一歩行動しなければならない
第2章 ベーシック・インカムの効果について―論考とインタビュー
不安の報酬
労働市場と社会保障政策の分離
賃金は非課税
租税改革とは新たな分配を学ぶこと
自由を可能にし、共同体を強化する
第3章 反応
異議と回答
読者からの手紙
解題 小沢 修司 『ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ』に寄せて
■引用
「クライナウ=メッツラー:それでは、企業は高収益を得た場合でも、企業は税金をまったく支払わなくてもよいというのですか?
ハードルプ:ええ、そうです。それを理解するために、まずはっきりさせておかねばならないことがあります。つまり、私たち消費者は、企業レベルで徴収される税金をそっくりそのまま商品価格に反映された形で支払うわけです―企業レベルでは税はことごとく価格に転嫁されて、したがってブーメランのように消費に跳ねかえってくる。消費者は、従来<147<の 手続きでは、この税金を実質的に消費者が負担していることも、その規模も知らずに支払っているのです。企業と企業家は、企業を経営し、企業に投資するために、課税後の利益を必要とします。利益は一国の経済の成長能力を示すもので、それは経済が発展するための余地を意味します。このことがしばしば見えなくなるのは、企業家の消費収入と投資収入とが統計上では区別されずに「企業家利益」として表示されるという事情があるからです。元来これは、農民ならだれでも知っていることです。すなわち、収穫の一部は消費にまわされ、収穫の一部は種として保存されねばなりません(投資)。企業家は個人的な所得を得るだけでなく、なによりも彼らの投資を確保しなければならないのです。」([147-148])
*作成:山本 奈美