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『脱「格差社会」への戦略』

神野 直彦・宮本 太郎 編 20061205 岩波書店,234p.


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神野 直彦宮本 太郎 編 20061205 『脱「格差社会」への戦略』,岩波書店,234p. ISBN-10: 4000237705 ISBN-13: 978-4000237703 1680 [amazon][kinokuniya] ※ e03. t07.

■広告

内容(「BOOK」データベースより)
格差社会論がさまざまに論じられ、情報が氾濫するなか、一体この問題をどのように捉え、考えたらよいのか。税制は格差を助長していないか。雇用、社会保障、教育の現場で何が起きていて、どうすればよいのか。各界の第一人者一六人による討論および論考が、多くの示唆を与えてくれる。『世界』好評連載プラス書き下ろし。

内容(「MARC」データベースより)
格差社会論の問題をどのように捉え、考えたらよいのか。税制は格差を助長していないか。雇用、社会保障、教育の現場で何が起きていて、どうすればよいのか。各界の第一人者16人による討論および論考。

■目次

はじめに
1 「格差社会」論への視角
 格差論が見過ごしていること
2 格差を減らす税制とは
 有効で公平な税制とは何か 大沢 真理・三木 義一・神野 直彦
 金融資産への課税強化を
3 働く場の変容と「格差社会」
 新たな労働政策が人間らしい生き方を支える
 若者と仕事
4 社会保障・教育と格差問題
 いまなぜ、社会保障の再構築が必要か
 格差社会の中の教育
「格差社会」と教育機会の不平等)
5 脱「格差社会」の構想
 「小さな政府」論の欺瞞
 「格差社会」を超えるために

■引用

 有効で公平な税制とは何か 大沢 真理・三木 義一・神野 直彦
 三木「金融所得への課税を重くすれば海外へ逃げてしまうとか、法人税を重くすれば企業は海外へ出て行くなどとよく言われますが、かつてOECDが警鐘を鳴らしたように、有害な税の割引競争はやがて各国の税制を蝕みます。
 現在はむしろ、国際取引を利用した租税負担回避のほうが大きな問題です。きちんと負担をさ<0030<せるよう、日本でも税法上の適切な手当が必要です。そうでないと、海外に移動できない中小・零細企業や給与所得者だけが、税負担させられることになりかねません。」([30-31])

■紹介・言及

◆立岩 真也 2008-2009 「税制について」,『現代思想』 資料

◆立岩 真也・村上 慎司・橋口 昌治 20090910 『税を直す』,青土社,350p. ISBN-10: 4791764935 ISBN-13: 978-4791764938 2310 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

橋口 昌治 2009 「第2章 格差・貧困に関する本の紹介」,立岩・村上・橋口[2009]*
*立岩 真也・村上 慎司・橋口 昌治 20090910 『税を直す』,青土社,350p. ISBN-10: 4791764935 ISBN-13: 978-4791764938 2310 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

 「こうした格差社会論の盛り上がりに対し、克服のための提言も行なわれてきた。神野直彦・宮本太郎編『脱「格差社会」への戦略』(二〇〇六・一二)は、雑誌『世界』の二〇〇六年五月号から七月号までに掲載された連続特集「脱「格差社会」の構想」に、新たな書き下ろしを加えてまとめられたものである。編著者である神野、宮本を始め、いずれも日本の社会問題について研究と発言を行なってきた論客たち一六名が、「格差社会」を超えるための議論に参集している。内容は、白波瀬佐和子による「格差論が見過ごしていること」のような「格差社会」論自体を改めて問い直す議論から、税制や労働政策、社会保障や教育といった各論での具体的な提言まで幅広い。編著者は、事前的、予防的な参加保障に力点をおいた普遍主義的な社会保障政策を基本に、生産性の高い部門への労働力移動を促す積極的労働市場政策の拡充を提言している。エスピン‐アンデルセンのいう北欧型の社会民主主義をモデルにしていると言えるだろう。また財政に関しては、消費税引き上げに反対し、法人税の増税や金融資産への課税強化によって税収を増やすべきだという立場である。論文も雑誌のために書かれたものであり、座談会も多いため全体的に読みやすい。」


UP:20081107 REV:20090505,0801, 20100226
神野 直彦  ◇宮本 太郎  ◇平等/不平等/格差  ◇  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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