『「男らしさ」の現代史』
阿部 恒久・大日方 純夫・天野 正子 編 20061208 日本経済評論社,227p.
■阿部 恒久・大日方 純夫・天野 正子 編 20061208『「男らしさ」の現代史』(男性史 3),日本経済評論社,227p. ISBN-10: 4818818860 ISBN-13: 978-4818818866 \2625 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
(「BOOK」データベースより)
フェミニズムを通過した後にこそ可能となった「男の歴史」。第3巻は、敗戦から現在まで。
(「MARC」データベースより)
「男である」ことをめぐる通史的な書。明治維新から現代までの男性の歴史を、ジェンダーの視点を重視しながら通時性を意識したテーマで叙述する。3では、敗戦から現在までを取り上げる。
■目次
刊行にあたって
1 総論・「男であること」の戦後史――サラリーマン・企業社会・家族
1 サラリーマンの労働エートス
2 戦後への掛橋――「戦争と敗戦」体験
3 「真の男」がつくる企業コミュニティ
4 「企業戦士」をつくる男性像
5 「会社人間」をつくる男性像
6 変わる家族のジェンダー関係
2 セクシャルなホモソーシャリティの夢と挫折――戦後大衆社会、天皇制、三島由紀夫
1 男性のセクシャリティとホモソーシャリティ
2 戦後日本社会のホモソーシャル化
3 「楯の会」のホモソーシャリティの挫折
4 「典型」の美という戦略
5 セクシャルなホモソーシャリティの挫折
6 公領域とセクシュアリティ
3 戦後つくられる「男」のイメージ
1 「負けた男」からの回復
2 戦後の戦争映画の歩み
3 戦後の戦争映画にみる男らしさの混乱
4 「男らしさ」を揺るがせる「女」
5 高度経済成長とジェンダー秩序の再編
6 雄々しさと女々しさの二項対立を超えて
4 男らしさとホームレス
1 男らしさとは――戦後、高度成長、バブル崩壊後
2 都市下層と男らしさ
3 故郷と志
4 主となる 世帯をもつ 戸主となる
5 寡黙で、男は黙って、がんばって、我慢する
6 最後の救い―生活保護でも男らしさを求められて―
7 都市下層の単身者生活――寄せ場社会のコミュニティ
8 男としての呪縛から逃れるための新たな地平
5 男性フェミニストのフェミニズム「前史」
1 フェミニズム「以前」から「以後」へ
2 「身振り」としてのフェミニスト――石川三四郎(一八七六〜一九五六)
3 「暮し」が拓くフェミニズムの地平――花森安冶(一九一一〜一九七六)
4 男の女並み化を――大熊信行(一八九三〜一九七七)―
5 フェミニズムへの迂回路――松田道雄(一九〇八〜二〇〇〇)
6 つくられる男のライフサイクル
1 ライフサイクルの社会的形成
2 団塊世代の半生
3 団塊女性の中年期――母役割の縮小と社会への回帰
4 団塊男性の中年期――危機の先送り
5 試練の老年期
6 男たちのこれから
7 若者世代の「男らしさ」とその未来
1 純愛の現在系――『冬のソナタ』と『電車男』
2 浮上してきた男性研究の動向
3 女性たちから崩される「男らしさ」
4 男性たちが崩してゆく「男らしさ」――仕事・人間関係・性行動
5 ジェンダー関係の再検討・再構築の方向性
6 「男らしさ」から「自分らしさ」へ、そしてそれが痛い時代に
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治