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『集中講義!日本の現代思想―ポストモダンとは何だったのか(NHKブックス)』

仲正 昌樹 20061130 日本放送出版協会,269p.

last update:20110314

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仲正 昌樹 20061130 『集中講義!日本の現代思想―ポストモダンとは何だったのか(NHKブックス)』,日本放送出版協会,269p. ISBN-10:4140910720 ISBN-13:978-4140910726 \1071 [amazon][kinokuniya]

■内容


内容(「BOOK」データベースより)
1980年代、「ポストモダン」が流行語となり現代思想ブームが起きた。「現代思想」は、この国の戦後思想をどのような形で継承したのか。海外思想をどのように咀嚼して成り立ったのか。なぜ80年代の若者は「現代思想」にハマったのか。丸山眞男や吉本隆明など戦後思想との比較をふまえ、浅田彰や中沢新一らの言説からポストモダンの功罪を論じる。思想界の迷走の原因を80年代に探り、思想本来の批判精神の再生を説く。沈滞した論壇で唯一気を吐く鬼才による、異色の現代思想論。

内容(「MARC」データベースより)
いまや右も左もバカばかり! なぜ日本の思想家はバカになったのか? 思想界の迷走の原因を80年代に探り、思想本来の批判精神の再生を説く。沈滞した論壇で唯一気を吐く鬼才による、異色の現代思想論。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
仲正 昌樹
1963年、広島県生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。金沢大学法学部教授。専攻は、政治思想史、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次


序 かつて、「現代思想」というものがあった
 「八〇年代思想」としての現代思想
 "不真面目な"現代思想?
 「現代思想」の構成要素
 ニュー・アカデミズム――メディアへの積極的進出
 なぜ「現代思想」はウケなくなったのか
 本講義の狙いと構成

T 空回りしたマルクス主義
 第一講 現実離れの戦後マルクス主義
  日本の戦後マルクス主義の特徴
  講座派と労農派
  拡大するマルクス主義
  市民派の空転
  誰が"本当の左翼"なのか
  批判の泥仕合い
  時代錯誤のマルクス主義
  能天気な二項対立的図式
  マルクス主義が規定する"保守"
  戦後日本の論壇の構図
  丸山眞男の屈折
  "日本的な近代"とマルクス主義
 第二講 大衆社会のサヨク思想
  脱マルクス主義化への動き
  全共闘運動の特徴
  新左翼的な美学の限界
  吉本隆明の丸山批判
  吉本隆明の立ち位置
  大衆はなぜ革命を望まないのか
  「共同幻想」の中のサヨクたち
  人間的な顔をしたマルクス主義
  疎外から物象化へ――廣松渉の戦略
  認識の構造を明らかにする
  廣松の半ポストモダン性

U 生産から消費へ―「現代思想」の背景
 第三講 ポストモダンの社会的条件
  消費という盲点
  疎外論へのシフト
  「パサージュ論」――マルクス主義的な消費文化論
  ファンタマスゴリーの罠
  「遊歩者」のまなざし
  ボードリヤールの予言
  記号論的世界観への転回
  ボードリヤールの左翼批判
  構造主義の可能性
  マルクスから消費へ
  『なんとなく、クリスタル』が描く消費社会
 第四講 近代知の限界―構造主義からポスト構造主義へ
  実存主義とマルクス主義の結合
  サルトル対レヴィ=ストロース
  フーコーのエピステーメー論
  近代的人間観の終焉
  構造主義は危険な思想?
  内なる権力批判
  なぜ「生・権力」が注目されたのか
  日本におけるフーコー受容
  「脱構築」された構造主義
  二項対立をめぐる逆説
  脱構築の果てに「答え」はあるか
  資本主義とエディブス三角形
  ドゥルーズ=ガタリのシナリオ

V 八〇年代に何が起きたのか
 第五講 日本版「現代思想」の誕生
  フランス現代思想の分散化された受容
  大きな物語の終焉
  栗本慎一郎の祝祭論
  祝祭論からの「金属バット殺人事件」解釈
  「パンツをはいたサル」のインパクト
  「労働する人間」から「消費する人間」へ
  現代思想本、ベストセラーとなる
  シラケつつノル戦略
  「聖」と「遊」の交替運動
  「象徴秩序」不在の近代社会
  破局を先送りするメカニズム
  パラノからの逃走
  スキゾ・キッズ登場
  「パロディー的表現」の可能性?
  カタカナ業界という受け皿
  真っ向勝負回避の戦略
  「外部」をめぐる問題系
 第六講 「ニュー・アカデミズム」の広がり
  ニュー・アカデミズムの作法
  ニュー・アカ学者の受け皿
  山口昌男の言論パフォーマンス
  トリックスターとしての介入
  「黒人」としての文化人類学者
  「生の音」にいかに接近するか
  宗教体験を取り入れる――中沢新一の冒険
  流体的思考と建築的思考
  密教のポスト構造主義的解釈
  東大駒場「中沢事件」

W 「現代思想」の左転回
 第七講 なぜ「現代思想」は「終焉」したのか
  ポスト八〇年代の状況
  ベタな危機意識の復活
  「郵便的不安」とは?
  アニメ・オタクに見られる「動物化」
  若手論客は個別テーマに夢中
  「ポストモダン左派」の登場
  左転回の様相――敗戦後論争からNAMまで
 第八講 カンタン化する「現代思想」
  思想家の「スター化」、批判言説の「水戸黄門」化
  鏡像相手の奇妙な思想戦
  柄谷行人の自己批判
  「ポストモダン化」は幻想ではない
  マルクスから何を汲み取るべきか?

あとがき
関連年表
索引

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志
UP:20110314 REV:
Marx, Karl ◇『日本政治思想史研究』 ◇『ポスト・モダンの左旋回』身体×世界:関連書籍 2005-2009  ◇BOOK
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