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『老いるということ』

黒井 千次,20061120 講談社(講談社現代新書),232p.

last update:20100612
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■黒井 千次,20061120 『老いるということ』,講談社(講談社現代新書).232p. \720+税 ISBN-10: 4061498657 ISBN-13: 978-4061498655 [amazon][kinokuniya]

■著者略歴

1932年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業。作家。日本芸術院会員。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、毎日芸術賞、日本芸術院賞などを受賞。 本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。

■内容

老いによって拓かれるより深い領域の可能性。人間にとって老いとは何か、そして老いとどのように向き合うべきなのか。文芸・映画・演劇等を題材に、 人生の機微を知り尽くした著者が綴る「老いる」ことの意味。これまでにない長い老後を生きる時代が到来した現代、人は老いとどのように向き合えばいいのか。 さりげない表現の中に現代日本人の老いを描く幸田文。老いの悲惨な側面から目を逸らさず生きた耕治人。島崎藤村が綴る老後の豊富さと老いることの難しさ。 伊藤整が光を当てた老いの欲望と快楽。伊藤信吉が記す九十代の老年詩集…。文学作品・映画・演劇に描かれたさまざまな老いの形をとおして、 現代に生きる者にとっての“老い”の意味と可能性を追究する。

■目次

はじめに

第1章 老いの長さ・老いる場所
老いるとは生きていること/女神エオスの失敗/継ぎ足される歳月/排除される祖父母/空の巣/ある疑似体験

第2章 古代ローマの老い――キケロー『老年について』をめぐって
老いの課題に向き合う古典/キケローの老年論の成り立ち/老年論への入口/老いが惨めな理由/思慮・権威・見識/老いと肉体/青年と老年/死の接近

第3章 二十世紀イギリスの老い――E・M・フォスター「老年について」の発想
キケローとフォスター/年を取るということ/老人と老人の間/「『金婚式』クラス」の老夫婦/老いと曝け出す運動場/公的な老いと私的な老い

第4章 老いの伝承――深沢七郎「楢山節考」の伝えるもの
伝承の土台/きれいな年寄り/老いることの難しい時代/幸不幸を超えた生命の芯/男の老い・女の老い

第5章 老いと時間――「ドライビング・ミス・デイジー」の場合
老後の二十五年間/ただ教える人と教えられる人として/老いの生む果実/歳月の量と質/足し算と引き算

第6章 老いの年齢――マルコム・カウリー『八十路から眺めれば』の示唆
六十五歳の区切り/八十歳の区切り/老年論を書く条件/老いの国の成立要件/老いる仕事

第7章 老いの形――幸田文の随筆から
季節とのつき合い/「人は季節を語ります、が季節もその人をあばきます」/人とのつき合い/「切なさ」を湛えるコップ/「打ち上った人柄」を見出す歓び /老いの功徳

第8章 老いの現在・老いの過去――映画「八月の鯨」の表現するもの
老人だけの世界/二つの時間/「思い出す」ということ/思い出す足場/老いの気概

第9章 老いの病――耕治人の晩年の三作より
現代日本の小説の中の老い/夫と妻/助けを求めるような、悲し気な音/作家の老いを支えたもの/共に暮した長い時間

第10章 老いの完了形と老いの進行形――芥川龍之介「老年」、太宰治『晩年』の視点
外からの視点/老いの輪郭/老いの戯画/完了形と進行形

第11章 老いる意志――島崎藤村の短文から
途上の老い/老いの萎縮/「老」の後を追う「私」/大きな肯定への意志/人間と人間の関係の中の理想像/「浅く浅くと出て行くこと」の歓び

第12章 老いと性――伊藤整『変容』の問題提起
老いと快楽/成熟と未熟/枯淡の消滅/願望と欲望/生命の展望/性の余韻/厄介な課題

第13章 老いの温もり――萩原朔太郎のエッセイと伊藤信吉の老年詩集から
欲望の顛末/老境の詩/老人の行手は老年ばかり/取りっぱぐれのない「死」/深くと浅くと/孫むすめと祖父の関り/居なくなるまで/私のイヤリング

第14章 老いのまとめ
過去とのつながり/観念・予感・日常/老いの形を喪失した時代/理想の老い/老いの贈り物

あとがき
引用・参考文献

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP: 20100612 REV:
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