HOME > BOOK >

『格差社会――何が問題なのか』

橘木 俊詔 20060920 『格差社会――何が問題なのか』,岩波新書,212p.


このHP経由で購入すると寄付されます

橘木 俊詔 20060920 『格差社会――何が問題なのか』,岩波新書,212p. ISBN-10: 4004310334 ISBN-13: 978-4004310334 735 [amazon][kinokuniya] ※ e03. t07.

■広告

内容(「BOOK」データベースより)
低所得労働者の増大、新しい貧困層の出現、奪われる機会の平等…。教育や雇用などあらゆる場で格差が拡大するなか、いま日本社会に何が起きているのか。格差問題の第一人者である著者が、様々な統計データによって、格差の現状を詳細に検証し、不平等化が進行する日本社会のゆくえを問う。格差論の決定版。

内容(「MARC」データベースより)
教育や雇用などあらゆる場で格差が拡大するなか、いま日本社会に何が起きているのか。格差問題の第一人者である著者が、様々な統計データによって、格差の現状を詳細に検証し、不平等化が進行する日本社会のゆくえを問う。

■著者紹介

橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年兵庫県に生まれる。小樽商科大学、大阪大学大学院を経て、1973年ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。その後、米、仏、英、独の大学・研究所で教育職・研究職を歴任。京都大学経済研究所教授、経済企画庁客員主任研究官、日本銀行客員研究員、経済産業省ファカルティフェローなどを経て、京都大学大学院経済学研究科教授。2005年度日本経済学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

第1章 格差の現状を検証する
 所得から見る格差の現状
 日本の不平等を国際比較する
 ほか
第2章 「平等神話」崩壊の要因を探る
 長期不況と失業の増大
 雇用に広がる格差
 ほか
第3章 格差が進行する中で―いま何が起きているのか
 新しい貧困層の様相
 低所得労働者が意味するもの
 ほか
第4章 格差社会のゆくえを考える
 格差拡大を容認しても大丈夫なのか
 貧困者の増大がもたらす矛盾
 ほか
第5章 格差社会への処方箋―「非福祉国家」からの脱却
 競争と公平の両立
 雇用格差を是正する
 ほか

■引用

 所得税の負担率を上げる
 「第一に、格差拡大に寄与してきた所得税の累進度の低下を阻止する政策が考えられます。具体的には、三七%にまで低下した所得税の最高税率を五〇%程度にするといった方法がありますが、これに関しては、日本社会においては、いま意見が真っ二つに分かれています。政府税制調査会の中でも、「累進度を下げすぎたので、やや元に戻した方がよい」という意見がある一方で、「いや、このままの累進度で問題はない」「むしろもっと下げるべきだ」という意見もあり、やはり二つの意見が対立しています。政治家の中でも意見が様々です。最終的には国民の選択によって決定されることです。
 かつてのように最高税率を七〇%、八〇%にまで戻せとは、私は主張しません。五〇%前後が適当だと考えます。いずれにしても、現在の累進度の低下は問題であり、それを是正する必要があると私は判断します。」([197])
 「所得税の累進度を上げる政策を採るということは、所得税の負担率を上げることにつながります。これについては、反対論も当然、強く出されるでしょう。所得税の負担率はもっと下げるべきで、上げることは減税の時代にふさわしくないといった意見です。
 しかし、日本の租税負担率を世界の先進諸国と比較すると、日本における負担率は、実はとても小さいのです(図5−6)。」([198])  「累進所得税」の導入による年金改革


UP:20081107 REV:20090801
橘木 俊詔  ◇平等/不平等/格差  ◇  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)