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『超・格差社会アメリカの真実』

小林 由美 20060925 日経BP,294p.

last update:20110108

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■小林 由美 20060925 『超・格差社会アメリカの真実』,日経BP,294p. ISBN-10:482224542X ISBN-13:978-4822245429 \1700 [amazon][kinokuniya] e03 p0601 ※

■内容


出版社 / 著者からの内容紹介
アメリカ人は4種類しかない。超金持ちと、仕事のプロと、貧乏人と、社会的落ちこぼれだ--。ニューヨークとシリコンバレーで日本人初女性エコノミスト、証券アナリスト、コンサルタントとし26年間活躍して来た著者が、アメリカでのビジネスの実体験と調査に基づいて的確にとらえたアメリカの「階層社会」の本当の姿。日本の百倍おっかないアメリカ版「希望格差社会」「下流社会」の実態を、具体的なケースと数字で鮮やかに暴く。さらにその上で「それでもなぜ、アメリカは前向きなのか? アメリカは住みやすいのか? ベンチャーが生まれ続けるのか?」というアンビバレンツな疑問を解く。小泉改革末期、「階層社会化」が問題視される日本の今と未来を考える上で、格好の先行事例であり、反面教師でもあるアメリカ社会の秘密を教える、格好のテキスト。

内容(「BOOK」データベースより)
アメリカの豊かな中流家庭は、なぜ貧困層へと転落したのか。富の6割が5%の金持ち層に集中、国民の3割が貧困家庭。日本の明日がここある。

内容(「MARC」データベースより)
富の6割が5%の金持ち層に集中。国民の3割が貧困家庭。アメリカの豊かな中流家庭は、なぜ貧困層へと転落したのか。日本もそうなるのか? アメリカ社会の構造とその生成過程について、自らの経験と知見をもとに検証する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小林 由美
経営戦略コンサルタント/アナリスト、C.F.A.。JSA International取締役。東京生まれ。1975年東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行に女性初のエコノミストとして入社。調査部で医薬品・エレクトロニクス産業を担当後、長銀を退職。スタンフォード大学でMBA取得。82年、ウォール街で日本人初の証券アナリストとして、機関投資家向け調査でNo.1だったペインウェバー・ミッチェルハッチンスに入社。85年、サンフランシスコで経営コンサルティング会社JSAに参加後、セコイア・キャピタルをはじめVCの投資先半導体、コンピュータ、ソフトウェア関連企業やM&A、不動産開発などの業務を行い、現在にいたる。日本でも(株)ジャングル、(株)トライピボットの取締役兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次


はじめに

第1章 超・階層社会アメリカの現実―「特権階級」「プロフェッショナル階級」「貧困層」「落ちこぼれ」
 「特権階級」―不動産を梃子にしたディビッドとその周辺
 「プロフェッショナル階級」―PR屋トムと不動産ブローカーのスティーブ
 金持ちの間で完結する世界
 「元・中産階級、現・貧困層」―半導体エンジニア、ジョン
 「おちこぼれ層」―バーテンダーのアンと従姉妹のスージー
 超・階層社会アメリカを日本は範とするのか

第2章 アメリカの富の偏在はなぜ起きたのか―ウォール街を代理人とする特権階級が政権をコントロールする国
 シリコンバレーのアメリカン・ドリーム
 エスタブリッシュメントとなったベンチャー・キャピタリスト
 富裕層にますます集中する金融資産
 アメリカ大統領の目が特権階級を向く理由
 国民99%の犠牲で、トップ1%だけに恩恵を与える税制

第3章 レーガン、クリントン、ブッシュ・ジュニア政権下の富の移動
 @レーガノミックスのトリック― 貧乏人への増税によって、金持ちへの大幅減税を実現
  「軍備拡大が将来、平和の配当をもたらす」という理屈
  就任早々、所得税を大幅に引き下げ
  給与税に目をつけたグリーンスパン
  「トラスト・ファンドが破綻する」というプロパガンダ
  ガソリン税の大幅な上昇
 Aクリントン政権― 株価・不動産価格の上昇で、金持ちの資産積み上げを加速
  低金利を歓迎するウォール街
  情報化による富の創造≠ェ大型景気を牽引
  資産の証券化と、インダストリアル・アメリカの証券化
  事業の金融商品としての価値を上げることが目的化する
  インターネット・バブルと巨大メディア企業がもたらしたもの
 Bブッシュ政権とイラク侵攻―石油・軍需関連企業の利益と、ドルの対ユーロ防衛
  株価上昇率上位50社の顔ぶれ
  石油価格がユーロ建てになる、というアメリカの悪夢
  選挙資金寄付者ランキングは何を物語っているのか?

第4章 アメリカン・ドリームと金権体質の歴史―自由の国アメリカはいかにして階級社会国家となったのか?
 @アメリカ植民地の特権階級―植民地の成金層を最初に形成した現地司令官・ガバナー・政商
  南部ではプランテーションのオーナーが成金層を形成
 A独立戦争とアメリカ建国―独立戦争をリードした植民地のエリート
  北東部「海賊資本家」の勝利と南部経済の衰え
  アダム・スミスの『国富論』を歪曲したアメリカの市場資本主義の基本理念
  「海賊資本」が工業資本・金融資本へ変身
 B南北戦争― 戦争の錦の御旗≠ノ使われた「奴隷制の廃止」
  敗戦後、南部は実質的には莫大な賠償金を課せられた
  南部から北部へ、富は大移動した
 C戦後の復興と好況時代―戦争がもたらしたチャンスをものにした若き起業家たち
  巨大資本による独占体制
 D進歩派≠フ台頭と第一次世界大戦―腐敗政治の改革を目指したセオドア・ルーズベルト
  連邦銀行制度の設立
  産学軍協同による技術開発体制の確立
 E大恐慌とニューディール―フランクリン・ルーズベルトの「アンチ・キャピタリズム政策」
  FDRの政策を支えた新興マネー勢力
 F第二次世界大戦とアメリカ経済の繁栄―外国を舞台にした戦争で上から下まで所得・貯蓄が増えた
  軍需品の量産体制は戦後、消費財の量産体制に転換
 Gまとめ―アメリカの高成長を可能にした豊かな自然環境
  「メイキング・マネー」 が尊敬に値する唯一の行為
  アメリカ国民はなぜ特権層に怒りもせず「機会の平等」を信じているのか?
  未知のものに好奇心を持つ、移民のメンタリティ

第5章 アメリカの教育が抱える問題―なぜアメリカの基礎教育は先進国で最低水準となったのか?
 留学時代に体験したフレンドリーなカルチャー
 知識や教育より信仰を重んじるエヴァンジェリカルの伝統
 実利を追い求めるアメリカの学校教育
 悲惨な状況にある公立学校の実態
 教育を通して階層は一段と固定化される
 学歴と所得水準との相関関係
 追いつめられた労働者層とキリスト教ファンダメンタリズムの復活

第6章 アメリカの政策目標作成のメカニズムとグローバリゼーションの関係―シンクタンクのエリートたちがつくり、政治家たちが国民に説明するカラクリについて
 自国の防衛≠フために「アメリカ型民主主義」を輸出する外交戦略
 アメリカの政策をつくるシンクタンク
 外交政策に最大の影響力を持つCFRとは?
 技術革新と労働の単純化
 世界経済に大きな影響を及ぼすPEファンド

第7章 それでもなぜアメリカ社会の「心地よい」のか?―クリエイティビティが次々と事業化されてくる秘密
 アメリカのオプティミズムと階層間の上昇移動
 経済問題、政治問題、移民問題を超えてアメリカが強い理由
 一般人アメリカ人はほとんど知らない外交政策の実態
 クリエイティビティを尊重する風土とマネジメント能力
 クリエイティビティを速やかに事業化し、大きく育てるシステム
 シリコンバレーが住みやすい5つの理由
  @スタートアップの楽しさ
  A効率性
  B倫理基準・モラルの高さ
  Cクリエイティビティの尊重
  D個人の独立性の強さ

第8章 アメリカ社会の本質とその行方―アメリカ型の資本主義市場経済が広がると、世界はどうなるのか?
 経済的な成功こそ、アメリカ社会の最優先目標と責任感だ
 市場メカニズムでは解決できない問題
 精神的な満足のためにライフスタイルを変える2つの選択肢
 階層社会の徹底化と相互隔離でアメリカ型競争社会は維持できるが……
 低コストで質の高い基礎教育を国家が維持することが極めて大切だ
 日本社会の格差拡大について

おわりに

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志
UP:20110108 REV:
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