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『医療年金問題の考え方――再分配政策の政治経済学 III 』

権丈 善一 20060812 慶應義塾大学出版会,650p.


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権丈 善一 20060812 『医療年金問題の考え方――再分配政策の政治経済学 III 』,慶應義塾大学出版会,650p. 3800+税  ISBN-10: 4766411994 ISBN-13: 978-4766411997 [amazon]

■内容

◇出版社/著者からの内容紹介
2004年年金国会以降約2年にわたって学界・政界・マスコミの動きを分析、ホームページに連載して研究者・メディア・官僚・与野党の政治家等々の間で話題となった好評エッセイ39編に医療年金関連論文5本を加え書籍化。
年金論議の錯綜ぶりとその要因を指摘しつつ、世代間格差、保険料と税、少子高齢化など広範な論点に答える。さらに、保険者機能強化、医療給付費総枠規制、混合診療問題などを含め、今後の医療制度改革の主要論点と考え方を提示する。 「再分配政策の政治経済学」という独自の枠組みから日本の社会保障を論じた権丈善一教授の著作第3弾。医療年金論のみならず、ひろく経済学評、政治評、メディア評をも積み重ねた俯瞰的視野から論じる未来志向の社会保障論。 政治家はもちろん、政策担当者・メディア関係者、さらには医療関係者の方々にも「どうしても」読んでもらいたい一冊。

◇「BOOK」「MARC」データベースより
2004年の年金国会スタート以降、約2年にわたって学界・政界・マスコミの動きを分析、ホームページに連載して話題となった39編のエッセイと医療年金論文5本を収録。年金論議の錯綜ぶりとその要因を指摘しつつ、世代間格差、保険料と税、少子高齢化など広範な論点に答える。さらに、保険者機能強化、医療給付費総枠規制、混合診療問題などを含め、今後の医療制度改革の主要論点と考え方を提示する。「再分配政策の政治経済学」という独自の枠組みから日本の社会保障を論じた権丈教授の著作第3弾。医療年金論のみならず、ひろく経済学評、政治評、メディア評をも積み重ね、俯瞰的視野から論じる、未来志向の社会保障論。

■目次

序章

I 医療と年金の政治経済学
第1章 医療経済学の潮流――新古典派医療経済学と制度派医療経済学
はじめに
1.市場を是とみなす論理構造――新古典派医療経済学における市場理論
2.社会経済政策と価値判断、そして政治的態度
3.制度派医療経済学と医師誘発需要理論
4.価格にかわる経済制度の管理と運営
5.新古典派医療経済学と制度派医療経済学の特徴
おわりに

第2章 総医療費水準の国際比較と決定因子をめぐる論点と実証研究
はじめに
1.総医療費の国際比較分析に理論的基礎を与えた Newhouse(1977)研究
2.Newhouse(1977)につづくマクロ医療費分析の2つの流れ
3.医療政策の普遍性と特殊性――日本の医療費は高いのか、それとも低いのか?
おわりに
補論 医療政策とホメオスタット機構

第3章 医療保険制度の課題と将来
1.医療保険制度の課題とは
2.年金問題のほうが医療問題よりも難しくない理由
3.医療サービスの経済特性と保険者機能という幻想
4.高齢者医療制度改革をめぐる動きと高齢者医療
5.医療費への公費キャップ制導入という混合医療の自動的解禁への仕掛け
6.医療制度選択の技術的制約条件
おわりに

第4章 2004年、年金改革の意味と意義と年金論議の撹乱要因
序論
1.2004年、年金改革の意味と意義――世の中を変えなければと思わせる仕掛けの組み込み
2.年金の負担給付比率を世代間で等しく?――無理で無意味な注文
3.神学論争ではないと思う基礎年金の財源選択論争
4.譬えは大切であるが――公的年金ネズミ講論議
5.改革のための〈力〉をもたないパート労働と年金問題
6.奇妙な再分配をしている第三号保険者制度
結論と議論――年金が悪いのか、それとも年金を構成する部品が悪いのか
補論 権丈(2004)「年金改革論議の政治経済学」で書いた内容からの変化

第5章 公的年金における世代間格差をどう考えるか――世代間格差論議の学説史的考察
1.年金積立方式論者が流行らせた世代間格差を問題視する空集合の歴史観
2.公的年金の世代間格差論議の学説史的考察
3.望ましい将来の年金制度とひとつの大きな懸念

II 学問ニ凝ル勿レ
勿凝学問7 2004年、年金と政治、そして将来の考え方
勿凝学問8 年金報道の見分け方
勿凝学問9 あの話はどこに行ったのか?――民主党の世襲禁止令
勿凝学問10 究極の選択における一方の選択肢のみを見せる論法
勿凝学問11 2004年、年金国会終盤の読み方――政治経済学のすすめ
勿凝学問12 新年金制度は大丈夫でしょうか?――編集者からの質問
勿凝学問13 今の野党って楽な仕事なのか、それとも辛く切ない仕事なのか?――年金と自衛隊イラク派遣をめぐって
勿凝学問14 利己と利他の境界、そして利他心を形にする公共政策――地方出身者の介護保険試論
勿凝学問15x やれやれの年金バランスシート論――ドン・キホーテと従士サンチョ・パンサの対話集
勿凝学問16 残暑お見舞い申し上げつつ――「やれやれの年金バランスシート論」読者よりのメール
勿凝学問17 2004年中日のセ・リーグ優勝を機に年金のことでも論じてみる
勿凝学問18 パトロンのご叱責
勿凝学問19 一段落の年金論議か
勿凝学問20 ノーベル経済学賞と学問としての経済学、そしてノーベルが思いを込めた平和賞
勿凝学問21 医療経済の分析視角と現世御利益――生産性本部『医療制度改革の論点』に対するコメント
勿凝学問22 2004年、年金改革の意義と次なる政治戦略
勿凝学問23 今年の入ゼミパンフのようなもの――表彰式での挨拶含む
勿凝学問24 もう少し大きく取り扱ってあげてはいかがでしょうか――民主党の年金改革法案
勿凝学問25 混合診療論議を題材とした政治経済学っぽい遊び Part II
勿凝学問26 文科省のインフレ政策?
勿凝学問27 『再分配政策の政治経済学I 』に込められたPublic Choice with Warm Hearts の思い――権力論、着想のきっかけは大河内理論だったような気もする
勿凝学問28 バスタブに公的年金を溺れさせる方法――連合での講演本題前のちょっとした雑談
勿凝学問29 三党合意は古証文――民主党マニフェストも4月15日に古証文になるはず?
勿凝学問30 だから言わないことではない――社保庁改革で与党を攻撃する諸刃の剣戦略
勿凝学問31 ビスマルクの呪縛――安定性、硬直性、既得権は同じ現象を違った側面からみた評価
勿凝学問32 年金改革と民主主義
勿凝学問33 国民年金、未納未加入者への太陽政策?
勿凝学問34 尋ねられたから答えた世界一初歩的な文章指南
勿凝学問35 政策論は価値判断と実行可能性という制約条件下で織りなされるアートか――日本医療の選択肢
勿凝学問36 どの世界にもいるはずの気概のある異端たちへ――自民・民主勉強会での説明の正確さを期するためのメモ
勿凝学問37 What's 憲政の常道?――郵政解散をきっかけとした議院内閣制の日英比較
勿凝学問38 もうひとつの終戦記念日 2005年8月9日―― 映画<黒部の太陽>と民主党の<年金改革案>というものをみてみたい
勿凝学問39 9.11総選挙に向けた各党マニフェストをながめての雑感――『三本の矢』、『ガリア戦記』、経済学的投票モデル構築の困難などなど
勿凝学問40 マニフェスト政治実現のための制度環境整備に向けたわずかな一歩
勿凝学問41 肥満訴訟よりは勝ち目があると思う年金未納推奨訴訟――および9.11総選挙その後と厚生・共済年金一元化
勿凝学問42 民主党偽メール問題の成り行きと年金未納未加入問題再考
勿凝学問43 首相の失言は優しく忘れてあげましょうよ、それが大人というものでしょう――厚生・共済年金一元化と「追加費用」
勿凝学問44 大いに期待したい"民主党の年金偽装追及チーム"への参考資料をひとつ
勿凝学問45 「被用者年金一元化のゆくえ」随筆依頼をきっかけに考える説得・予言・風刺の微妙な関係

付録
1 座談会「著作に触れ、確かめる 福澤諭吉の新しさ」
2 書評「小泉信三の遺稿『福澤諭吉』」
3 対論「新社会のデザイン 人口減で経済どうなる」

おわりに
索引



*作成:北村健太郎
UP:20080126
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