『福祉化と成熟社会』
藤村 正之編 20060830 ミネルヴァ書房,330p.
last update:20100626
■藤村 正之 20060830 『福祉化と成熟社会』,ミネルヴァ書房,330p. ISBN-10:4623045951 ISBN-13:978-4623045952 \3675 [amazon]/[kinokuniya] ※ s s03 p01
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
産業化・近代化がもたらした社会問題への解決の模索たる福祉化を、家族・地域社会や労働・雇用の変貌、貧困や不平等問題、社会保障政策の展開から把握するとともに、逆に福祉化がもたらす問題点を専門性、身体とジェンダー、障害認識、体制比較の視点から再照射していく。
内容(「MARC」データベースより)
産業化・近代化がもたらした社会問題への解決の模索たる福祉化を、家族・地域社会や労働・雇用の変貌、貧困や不平等問題、社会保障政策の展開から把握するとともに、福祉化がもたらす問題点を再照射していく。
■目次
はしがき
序章 福祉化と社会変動―その社会学的構図 藤村 正之
1 マクロ現象としての福祉化
2 福祉化の二つの動き――「福祉化」と<福祉化>
3 福祉化を担う主体とその機能
4 福祉化をとらえる社会学含意――ライフ・ポリティクスの時代へ
第1部 社会問題の変化と福祉化の展開
第1章 福祉化のなかの家族と地域社会 杉岡 直人
1 福祉化の展開と軌跡――日本型福祉社会論とその後
2 家族の虚像から実像へ
3 地域社会の虚像から実像へ
4 一人暮らし高齢者にみるライフスタイルの先導性
5 福祉化のドグマを超えて
第2章 貧しさと豊かさの変質――貧困問題と時間問題 藤村 正之
1 社会・貨幣・時間
2 生活水準の変動とその問題化の視点
3 貧困問題と生活保護政策の変遷
4 時間問題とその階層――労働時間に焦点をあてて
5 むすびにかえて
コラム 隣接領域との対話「経済学」
A.セン vs. P.ゼント論争再訪――経済学と社会学? 山森 亮
二つの貧困概念
論争で問われたこと
失われた問題提起
第3章 社会保障政策の展開と福祉国家体制の再編 平岡 公一
1 日本の福祉国家体制への分析視角
2 国民皆保険・皆年金体制と社会保障の政策展開
3 国民皆保険・皆年金体制に内在する問題と環境条件の変化への対応
4 福祉国家体制の国際比較における日本の位置
5 日本の福祉国家体制における家族主義と「男性稼ぎ手モデル」
6 社会保障の政策展開の日本的特質と国民皆年金・皆保険体制
第4章 ケインズ主義的福祉国家のシステム危機 下平 好博
1 問題の所在
2 分析枠組み
3 「ケインズ主義的福祉国家」の諸前提
4 「危機」の様相
5 展望
第2部 福祉化を問い直す方法と視点
第5章 専門職と専門性の変容―医療化と福祉化をめぐって 野口 裕二
1 「福祉化」とは
2 専門職論
3 医療化論
4 新しい専門性
5 近代化と脱近代化
コラム 隣接領域との対話「住民流福祉」
福祉は「隠し味」 木原 孝久
「姑がデイサービスセンターに行きたがらないので困る」
老人はなぜドープランドに好んで行くのか?
認知症になったからこそ、ふれあいサロンの主催者に
第6章 出生前診断は何を提起するのか
柘植 あづみ
1 治すことと産まないこと
2 出生前診断の現状
3 生殖の国家管理と市民運動
4 出生前診断についての意思決定
5 女性の「選択」か
第7章 障害が語る近代秩序―健常者中心社会と医学モデル 要田 洋江
1 障害をもつ人をとりなむ日本社会の現状
2 障害をもつ人々による健常者中心社会への異議申し立てと『ろう文化宣言』
3 「障害をもつ」こと、「障害者になる」ことへの忌避
4 障害が語る近代秩序をどう乗り越えるか――「病理としての障害」から「違いとしての障害」へ
コラム 隣接領域との対話「芸術学」
絵によるグリーフワークの可能性 半田 結
死別体験とグリーフワーク
自助グループにおける絵によるグリーフワーク
第8章 中国における社会保障と<伝統文化>との相乗/相剋 鍾 家新
1 問題提起
2 社会学の視点からみた中国の<伝統文化>の特徴
3 社会保障制度の整備・運営に対する中国の<伝統文化>の影響
4 中国の<伝統文化>への社会保障体系化の影響
5 社会主義体制の影響とその後
索引
*作成:櫻井 浩子