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『大学生の論文執筆法』

石原 千秋 20060610 筑摩書房,254p.

last update:20130411
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■石原 千秋 20060610 『大学生の論文執筆法』,筑摩書房,254p. ISBN-10: 4480063102 ISBN-13: 978-4480063106 \798 [amazon][kinokuniya] ※as01

■内容

内容(「BOOK」データベースより)
大学生にとって、論文を書くとはどういうことか。誰のために書くのか。何のために書くのか。大学での授業の受け方や大学院レベルでの研究報告書の作法、社会に出てからの書き方まで、論文執筆の秘伝を公開する。かつて流行った決め言葉の歴史や、カルチュラル・スタディーズが隆盛となったここ最近の学問の流れをも視野に入れた、実用書でもあり、読み物でもある新しい論文入門。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石原/千秋
1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学文芸学部教授を経て、早稲田大学教育学部教授。専攻は日本近代文学。文学テクストを現代思想の枠組みを使って分析、時代状況ともリンクさせた斬新な読みを展開する。また、「国語」教育、とくに入試国語の読解を通した問題提起も積極的に行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

はじめに
第一部 秘伝 人生論的論文執筆法
第二部 線を引くこと−−たった一つの方法
1.自己と他者
2.国境と政治
3.「われわれ」と「彼ら」
あとがき

■引用

◆レポートにせよ論文にせよ、いったい誰のために書くのか、何のために書くのか。そこがはっきりしていない文章はそもそも文章として失格だ。/…読者は専門家か、大学院生か、学生か、はたまた「一般読者」か。年齢層や性別はどうか。それによって、説明のレベルや文体も変わる。[2006:14]

◆まともな文科系の学生なら、余った時間は図書館と本屋に行くものだ。そして、昼飯代を節約してでも本を買うものだ。君たちが本を買うことがすなわち文化なのだ。[2006:20]

◆大学院生の場合は…次の論文や次のテーマにつながるような書き方をすること。「この若手の論文なら次も読んでみたい」、そう思わせることだ。若い研究者の論文は完結性と継続性との両面を持たなければならない。…しかし、論文もプレゼンテーションなのだ。もっといえば、「商品」なのだ。だとすれば、他の論文との差別化を図り、次も買って貰おうとするのは当然の努力だろう。それが、新発見であったり、新解釈であったり、新機軸(新しいパラダイムの提示)であったりするわけだ。[2006:29]

◆研究においてはプライオリティー(優先権)という言葉があって、それを侵すことは立派な犯罪である。「剽窃」とか「盗用」という、それを指す専門用語もあるくらいだ。研究者は世界で最初の発見者、発明者になることに命を懸けている。それがプライオリティーである。もし、大学に職を得ている研究者が「剽窃」を行ったら、辞職しなければならない場合があるほど重い罪なのだ。[2006:39-40]

◆…売り出しの若手の研究者にいきなり四〇枚の原稿依頼が来ることはない。はじめに原稿依頼が来るのは、書評だ。書評を何本か書かせて貰って、編集者がこれは使えそうだと思ったら、次にやっと長い原稿の依頼が来るものだ。そう言うわけで、批評家としてやっていきたいと思ったら、まずうまい書評を書く訓練をしておくことだ。[2006:98-99]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20130411 REV:
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