『制度と再帰性の社会学』
筒井 淳也 20060530 ハーベスト社,196p.
last update:20100625
■筒井 淳也 20060530 『制度と再帰性の社会学』,ハーベスト社,196p. ISBN-10:4938551888 ISBN-13:978-4938551889 \1890 [amazon]/[kinokuniya] ※ s
■内容
出版社/著者からの内容紹介
本書は、経済学でも社会学でも使われる概念「制度」と社会学で主に使われる概念「再帰性」を分かりやすく検討して経済学と社会学の違いを際立たせ、社会学の目的や役割を明らかにします。考える過程を重視した社会学の入門・再入門としてとても魅力的。
内容(「MARC」データベースより)
目的がわかりにくく、とらえどころのない「社会学」。経済学との比較を通じ、「制度」と「再帰性」という概念を主役に、「市場」「分業」「階級」などの概念を脇役としてストーリーを展開し、社会学の独自性と意義を追求する。
■目次
第1章 -- イントロダクション
1.1 定義の問題
1.2 核となる概念としての「制度」
1.3 「橋渡しをする」ということ
1.4 本書の特徴
第2章 -- 制度とは何か?(1) 市場を補完する制度
2.1 市場を補完する制度
2.2 新制度学派の立場
2.3 社会分化から市場に至る発達モデル
2.4 支配と階層:「無能なのに支配」は合理的かもしれない
2.5 市場から制度に至るモデル
2.6 制度の「効き方」
第3章 -- 制度とは何か?(2) 出発点としての制度
3.1 社会学の多様性
3.2 非公式の制度
3.3 組織と制度(1):経済学のストーリー
3.4 組織と制度(2):社会学のストーリー
3.5 非効率的な制度はなぜ存続する?
3.6 社会的デザインとしての組織と市場
第4章 -- 二つの制度モデルのあいだ
4.1 階層は制度か?
4.2 効率性と公平性
4.3 階層の温床としての家族制度
4.4 結婚における市場と階層の関係
4.5 近代社会の欠陥?:ランダムな結婚市場
4.6 社会的ネットワークからの解放
第5章 -- 象徴の社会経済学
5.1 制度論の応用としての情報理論
5.2 広告と記号の制度分析
5.3 情報化の制度分析(1):組織の未来のかたち
5.4 情報化の制度分析(2):メディアの未来のかたち
5.5 ミクロな相互行為の社会経済学:ゴッフマンの情報理論
5.6 ミクロな相互行為における情報の不足
第6章 -- 再帰性と再帰的近代化
6.1 効率性と公平性(再び)
6.2 再帰的近代化論
6.3 自己選択・自己責任というけれど
6.4 「残された外部」を隔離する制度
6.5 小まとめ>
6.6 経済学的政策論議と社会学的政策論議
6.7 三つの政策論議の関係
6.8 最大で最後のライフポリティクス
第7章 -- 残された非効率性
7.1 どこに重点を置くべきか?
7.2 非効率な状態を効率よく達成?
7.3 象徴の流通法則(1):モニタリングと統計学
7.4 象徴の流通法則(2):意思決定フリーライダーとイデオロギー
第8章 -- 方法論における若干の誤解 「合理性」からは逃げられない
読書案内
あとがき
索引(人名・事項)
*作成:櫻井 浩子