『育児のジェンダー・ポリティクス』
舩橋 惠子 20060515 勁草書房,261p.
last update:20100822
■舩橋 惠子 20060515 『育児のジェンダー・ポリティクス』,勁草書房,261p. ¥3465 ISBN-10: 4326648724 ISBN-13: 978-4326648726
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■内容
育児を通じて男女の不平等が生み出されるのはなぜか。日本、フランス、スウェーデンの調査から“夫婦で育児”の肉声を伝え、これからの育児問題を解く鍵を示す。
誰が育児をになっているのか。フランス、スウェーデン、日本の調査から育児をとおしてカップルが不平等な関係に陥るメカニズムや平等であろうとする可能性を探る。
夫が稼ぎ手役割をおりて育児主体になるという選択から妻が育児に専念するというタイプまで、<夫婦で育児>の4パターンを抽出、
3ヵ国のなまの声をとりあげて育児のあり方を見つめる。保育学校を中心とする多彩な制度をもつフランス。きめ細かな育休制度やパパ月のあるスウェーデン。
フランス、スウェーデン、日本で独自のフィールドワークを行い、得られた47+1カップルのインタビュー・データを通して、育児に関わる男女の問題点を具体的に探る。
日本はこれからどうすればよいのか。具体的に考える。
■著者略歴
1949年神奈川県に生まれる。1979年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。静岡大学人文学部教授/社会学専攻
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はしがき
序章 育児にひそむジェンダー・ポリティクス
I 調査研究の枠組
第1章 育児とジェンダーをめぐる理論的課題
第2章 比較社会学の視点と方法
第3章 フィールドワークからの発見
II 「夫婦で育児」の通文化的4類型
第4章 平等主義タイプ
第5章 役割逆転タイプ
第6章 女性の二重役割タイプ
第7章 男性の二重役割タイプ
III ジェンダー・ポリティクス
第8章 平等主義タイプへの移行過程
第9章 世代間の変動
第10章 社会政策とカップルの戦略
終章 ジェンダー変革の困難と希望
参考文献
あとがき
索引
■引用
p.1-2
労働や政治の場でいかに男女平等が進んでも、人間の再生産が女性の身体を舞台にして展開されることを根拠に構築されている「母性イデオロギー」の社会的な縛りは、
なかなか解けない。女性という性別カテゴリーは、しばしば>002>「産む性」と称されるように、産育と深く結びつけられている。
このことは女性をケアの領域に結びつける内発的な引力になり、男性をケアの領域から排除する力としても働く。
産育は家族の性別分業を維持する最後の砦のように見える。
本書は、この問題を以下の3つの問いとして追求する。
(1)育児を通じて男女の不平等を生み出していく家族内在的なからくりは何か。
(2)育児に関わる社会制度はジェンダー秩序とどのような関係にあるか。
(3)マクロな社会政策とミクロな家族戦略はどのような関係にあるか。
■書評・紹介
■言及
*作成:櫻井 浩子 *増補:北村 健太郎