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『哲学の問題群――もういちど考えてみること』
麻生 博之・城戸 淳(編) 20060510 ナカニシヤ出版,347p.
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last update:20150916
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■麻生 博之・城戸 淳(編) 20060510 『哲学の問題群――もういちど考えてみること』,ナカニシヤ出版,347p. ISBN-10:4779500389 ISBN-13:978-4779500381 2400+
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■内容
生きることや幸福、心・自由、知識・真理、存在・時間、善悪、社会・歴史、愛・性、死などのテーマを読者の目線でやさしく語る。はじめての人でも自由自在に学べる初歩の“哲学”。「主な哲学者紹介」「読書案内」を併載。
■目次
はじめに――哲学的に考えるということ
1 人間とその生
1 生きる――生きることの意味とはなにか――
なんのために生きるのか/アリストテレスの「最高善」/「活動」としての行為/ニーチェの永遠回帰の思想/宇宙論的な苦笑
2 心――「心」とはいったいなんだろうか――
「心とは……である」と言い当てられるか/プラトンの霊魂論/アリストテレスの『魂について』/デカルトの転換(魂から精神へ)/
カントによるデカルト批判
3 心と身体――心身はどんな関係にあるのか――
心身問題/二元論(デカルトの相互作用説)/二元論の困難/二元論と一元論/唯物論的な考え方(心脳同一説と機能主義)/心の主観性/
関係としての心
2 私と他者
4 私――自己意識という迷宮――
私をめぐるいくつかの問い/「考えるもの」としての私/私の捉えがたき/「意識そのもの」としての私/独我論への誘惑/
「唯一的なもの」としての私/「他者の他者」としての私
5 アイデンティティー――昨日の私は私なのか――
私の変化と同一性/同一性と記憶/忘却と循環/身体と他者/積み残されている問題
6 他者の心――個人の気持ちや思いが分かるとはどのようなことか――
他我問題/類推説/感情移入観/心の私秘性という問題/行動主義/直接知覚説/「他人の」心のありようが分かるということ
3 自由と行為
7 自由――決定論と自由は両立するのか――
全知全能の神とラブラスの魔/意志の最初の哲学者、アウグスティヌス/若きカントの自発性の概念/ホッブズの遺志実現説/
ライプニッツの可能世界観/カントの第3アンチノミー/経験的観点と叡知的観点の両立
8 行為――行為と出来事はどうちがうのか――
「する」と「起きる」/プラトンの原因論/意志原因説の問題点/アンスコムの「観察に基づかない知識」/理由と原因/
行為の絵と出来事の絵とのちがい
9 責任――行為の責任を問うということ――
他者の自由へ/アリストテレスの責任論/性格の形成過程/カントの「人格」の概念/他なる人格と「理性の事実」/
ストローソンの責任論/日常生活と哲学
4 知識と言語
10 知る――なにかを知るとはどういうことだろうか――
『マトリックス』仮説/いもづる式懐疑/伝統的知識観/理性と経験/観念論と実在論/方法的懐疑/パトナムによる解決策/
ノージックによる解決策
11 真理――なにが真であるとはどういうことだろうか――
うそつきのパラドクス/伝統的真理概念/対応説から観念論へ/対応説から反実存論へ/反実在論的な意味論/うそつきふたたび/
クリプキによる解決策
12 意味――なにかを意味するとはどういうことだろうか――
[+]記号のパラドクス/意味は心のなかに/双子地球/意味を心の外に/懐疑的結論と懐疑的解決/孤立した個人と共同体
5 存在と世界
13 存在と無――「ある」とはどういうことか――
なぜなにかがあるのか/世界があるということ/存在論敵差異/存在と無
14 個と普遍――なにがあるのか――
なにがあるのか/プラトンのイデア/アリストテレスの実体/実在論と唯名論/存在するとは変項の値になること
15 世界の実在――身のまわりの世界は本当にあるのか――
意識のベール/観念とものそのもの/存在するとは知覚されること/疑いをまぬがれる世界
16 時間――時間はどこにあるのか――
時間はどこにあるのか/アウグスティヌスの3つの時間/フッサールの時間意識/数えられる時間/時計の時間と絶対時間
6 善悪と価値
17 よい――善/悪の根拠はなにか――
道徳という現象/道徳の指令性/道徳の客観性/道徳の本質的な特徴/道徳的規範と真偽/道徳的性質はありうるか/
ヒュームの懐疑(1)/ヒュームの懐疑(2)/問いとしての道徳
18 相対主義――価値のちがいは絶対的か――
素朴な道徳相対主義/相対主義批判/文化のちがいと道徳のちがい/洗練された道徳相対主義/暗黙の合意/すべては本当に「相対的」なのか
19 義務か快苦か――行為の動機と結果をめぐって――
義務論/カントの善い意志と義務/定言命法/義務論とわれわれの常識/功利主義/功利主義とわれわれの常識
7 社会と人間
20 ともに生きる――社会はどのように成り立つのか――
どこに社会はあるのか/「個人が先か、社会が先か」/アリストテレスの社会観/社会契約論/ふたたび「個人が先か、社会が先か」
21 所有――なにが私のものなのか――
所有による世界の色分け/所有の定義/ロックの労働所有論/労働の混入は目印になりうるか/私の身体は私の所有物か/所有と他者
22 性――性的差異は「自然」なものか
男性も出産できたら/セックス / ジェンダー / セクシュアリティ/本質主義/文化的差異としてのセックス/哲学の古典の沈黙
23 歴史――歴史があるとはどういうことか――
歴史のイメージ/古典的歴史哲学と歴史の物語り論/想起過去説/物語文/歴史は改訂をまぬがれない/歴史の物語り論と歴史修正主義
8 苦悩と幸福
24 死――死というものをどのように考えるべきだろうか――
「死」は人間の敗北か/『ガリヴァー旅行記』の思考実験/人間の条件としての「死」/死という「事実」/生の「事実」/
事実的な生における「死」の現在/「死」の意味
25 愛――誰かを愛するとはどのようなことだろうか――
愛することを学ぶ/一体化への渇望/一体化の挫折/欠如への欲求/愛の苦悩と情熱/欠如の愛を超えて/現実の相手に対する悦び/
ともによく生きるための愛/異質な他者への愛/一生の議題としての愛
26 幸福――生の充足をめぐって――
すべての人は幸福を求める/幸福の不可能性/幸福の可能性を求めて/〈よく生きること〉と幸福/自己実現としての幸福/
現在の活動としての幸福
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:奥坊 由起子
UP:20150916 REV:
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哲学/政治哲学(political philosophy)/倫理学
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身体×世界:関連書籍
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