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『現代政治理論』

川崎 修・杉田 敦 編 20060310 有斐閣,332p.

last update:20101220

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■川崎 修・杉田 敦 編 20060310 『現代政治理論』,有斐閣,332p. ISBN-10:4641122695 ISBN-13:978-4641122697 [amazon][kinokuniya] p ※

■内容


内容(「BOOK」データベースより)
自由とは何か、公正な社会とは何か―われわれが直面しつつあるさまざまな政治課題は、政治的価値、理念、規範に関わる問題を含んでいる。リベラリズムとデモクラシーに関係するテーマを中心に、現代の政治理論の重要な主題や概念を取り上げて解説する本格的入門書。

内容(「MARC」データベースより)
おもに20世紀の政治理論の流れをカバー。難解に感じられる現代の政治理論の主題や概念を、丁寧に解きほぐした本格的政治入門書。社会的規範理論の新展開を踏まえ、現代的な問題関心にフィットする新しいテキスト。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
川崎 修
立教大学法学部教授

杉田 敦
法政大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次


はじめに

第1章 政治―権力と公共性
 1 政治はどこにでもある?
  政治とは何か
  国家と政治
  社会のなかの政治
 2 ものの見方としての政治
  ものの見方としての政治とは
  権力
  公共性
  政治学における対立と協調
 3 政治が現れるとき、政治が隠れるとき
  政治性の顕在化と隠蔽
  社会のなかの政治と国家の政治

第2章 権力―共生と自発性
 1 権力のさまざまなかたち
  権力の諸形態
  権力の資源
  非対称的権力観と共同的権力観
  共同的権力観
  他律性と自律性
  正統性
 2 意図と構造
  権力と意図
  主意主義的権力観の限界
  構造としての権力
  フーコーの権力論
  権力と自由

第3章 リベラリズムの展開―その振幅と変容
 1 自然権のリベラリズムから功利のリベラリズムへ
  歴史的構造物としてのリベラリズム
  自然権の原理
  自然的自由の秩序
  功利の原理
  自由放任と社会改革
 2 人格発展のリベラリズム
  ミルとグリーン
  自由と多様性
  市民の陶冶
  積極的自由
  国家の道徳的機能
 3 社会有機体論
  個人主義から集産主義へ
  平等な自由の原理
  適者生存
  個人主義の問題
  公共の福祉
  調和の原理
  再配分
 4 福祉国家とその批判
  自由放任の終焉
  福祉国家の構想
  集産主義批判
  福祉国家批判
  社会主義の幻想
  現代リベラリズムへ

第4章 現代の自由論―自律とは何か
 1 2つの自由の概念
  自由とは何か
  自由の本質と2つの自由
  積極的自由の意味転換
  リベラリズムと全体主義
  自由の概念と政治の構想
 2 自律性の条件
  自律としての自由
  行使概念と機会概念
  個人と共同体
  道徳性と合理性
  支配の欠如
  参加と同質化
  自由の具体的条件
  福祉リベラリズム
 3 新しい自由/権力
  権力と自由
  主体化する権力
  自由の戦略としての「実存の美学」

第5章 平等―正義を求めて
 1 ロールズ『正義論』とアメリカのリベラリズム
  ロールズ『正義論』の歴史的意義
  アメリカの「自然的リベラリズム」
  リベラリズムの自覚化
  リベラリズム批判と『正義論』の誕生
 2 ロールズの『正義論』
  『正義論』と正義の二原理
  原初状態と無知のベール
  不確実状況とマキシミン・ルール
 3 リバタりアニズムとコミュニタリアニズム
  ノジックと最小国家
  権限理論
  コミュニタリアニズムの自我批判
  コミュニタリアニズムの社会像
 4 ドゥオーキンと資源主義の発展
  資源主義と福利主義
  リベラルなオークション
  不平等と保険
  オークション理論の意義
 5 福利主義の展開と平等論の課題
  不平等問題の再検討
  資源主義の限界
  潜在能力の平等化
  何に関する平等
  共通の課題

第6章 デモクラシー―歴史と現実
 1 デモクラシー論の展開―古代から現代へ
  デモクラシーとは何か
  デモクラシーの起源
  近代における展開
  マディソンとトクヴィル
 2 大衆デモクラシーの成立
  エリート主義の挑戦
  シュンペーターのデモクラシー論
  デモクラシーと全体主義
 3 現代デモクラシーの諸相
  利益集団リベラリズム
  ヨーロッパ型デモクラシー論
  デモクラシーと政治参加
 4 新しいデモクラシー論へ
  異議申し立てとデモクラシー
  ネーションとデモクラシー

第7章 ネーションとエスニシティ―アイデンティティの政治
 1 ネーションとナショナリズム
  ネーションとは何か
  ネーションの光と影
  ネーションと同質性
  ネーションと産業化
  良いナショナリズムと悪いナショナリズム
 2 多文化主義
  多文化主義の問題提起
  「利益」と「文化」
  「承認」をめぐる政治
  同化と集団の権利
  アイデンティティの重層性

第8章 フェミニズムと政治理論―寄与と挑戦
 1 政治において「人間」とは誰のことか
  女性は「人間」か
  フェミニズムと現代社会
 2 フェミニズムの展開
  第一波フェミニズム
  第二派フェミニズム
  家父長制
  ジェンダー
  『もうひとつの声』
  「本質主義」批判
 3 政治理論への寄与
  公私の二元論批判から公私の再編へ
  親密県の意義
  ケアの倫理とリベラルな中立性批判
  再び、政治において「人間」とは誰のことか

第9章 公共性―公共圏とデモクラシー
 1 「公共性」とは何か
  公共性という言葉の意味
  公共性の縮小と強化
  公共性は国家のものか
  公共の場における「見知らぬ人々」
 2 公共的なものと私的なものの対立と宥和
  アリストテレスとゾーン・ポリティコン
  国家、市場、公共性
 3 アレントとハーバーマスの公共性論
  アレントの公共性論
  アレントの公共性論の問題点
  ハーバーマスの市民的公共性論
  「リベラル・モデル」の影響力と限界
 4 政治的公共圏と討議デモクラシー
  討議理論による公共圏の再定義
  リベラリズムと共和主義の間
  公私の境界線の引き直し
  ハーバーマスの公共性論がもつ意味
 5 リベラルな政治文化と公共性
  ロールズと「公共的理性」
  ロールズとハーバーマス―類似性と差異
  リベラルな政治文化の下で公共性は可能か

第10章 市民社会と新しいデモクラシー論―討議のために  1 現代の市民社会論
  市民社会論への新たな注目
  市民社会論の歴史的起源
  現代の市民社会論
  市民社会とデモクラシー論
 2 討議デモクラシーとラディカル・デモクラシー
  討議デモクラシーの主張
  ラディカル・デモクラシーの主張
  新しいデモクラシー論の意義

第11章 国境をこえる政治の理論―グローバリゼーション、デモクラシー、リベラリズム
 1 境界線の動揺と政治学
  政治共同体と境界線
  グローバル化と政治理論の課題
 2 ウェストファリア的秩序の特質と国際秩序のイメージ
  国際社会の分権性
  国際政治の3つのイメージ
  ナショナリズムの台頭と分断される国際社会
 3 国際政治学の成立と分権性の克服という課題
  第一次世界大戦と新しい国際秩序構想
  機能主義とリベラリズムの伝統
  リベラリズムと現実主義の対抗軸
 4 グローバル化の始動と政治理論の対応
  1970年代の転換点と経済社会的課題の発見
  グローバル化に関する認識の萌芽
  ネオ・リベラルなグローバル化
 5 国境をこえるデモクラシーの理論
  国境をこえるデモクラシーとは何か
  コスモポリタンなデモクラシーの必要性
  コスモポリタンなデモクラシーの原則
  コスモポリタンなデモクラシーの制度
 6 新しい世界を作る社会運動と政治理論

おわりに
読書案内
引用・参考文献
事項索引
人名索引

コラム
@政治と真理
A権威
Bロールズの公理主義批判
Cウォルツァーの『正義の領分』
Dポピュリズム(populism)
E想像の共同体

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志
UP:20101220 REV:
哲学/政治哲学(political philosophy)/倫理学 身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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