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『「アメリカ民主主義」を問う』

本田 量久(ほんだ・かずひさ) 20051226 唯学書房,437p.

last update:20111212

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■本田 量久 20051226 『「アメリカ民主主義」を問う』,唯学書房,437p. ISBN-10:4902225204 ISBN-13:978-4902225204 \3990 [amazon][kinokuniya] ※ g03 s bp s03 er l03 v02 s00 hj04 ga01

■内容

内容紹介
アメリカが建国以前から抱える排除構造と、マイノリティをも包摂する民主主義という相反する二面性に着目し、公民権法成立に至るまでの立法過程を題材に、アメリカ社会の力学について考察。
【2006年度アメリカ学会清水博賞】受賞

内容(「BOOK」データベースより)
アメリカ政治における排除と包摂という二面性に切り込む。排除構造を明らかにし、それを乗り越える可能性を政治社会学的に検討する。

内容(「MARC」データベースより)
1950、60年代のアメリカ人種問題とその乗り越えを推進したアメリカ政治の力学を論ずることを目的とし、その事例として、連邦議会で1964年公民権法が成立するに至るまでの政治過程を考察する。

著者について
1997年立教大学社会学部卒業。2003年立教大学大学院社会学研究科社会学専攻修了(博士)。現在、立教大学・社会学部助手、東洋大学・関東学院大学・非常勤講師。専門は社会学理論、アメリカ政治、コスモポリタン・デモクラシー論。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
本田 量久
1997年立教大学社会学部卒業。2003年立教大学大学院社会学研究科社会学専攻修了(博士)。立教大学・社会学部助手、東洋大学・関東学院大学・非常勤講師。専門は社会学理論、アメリカ政治、コスモポリタン・デモクラシー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

序論 今こそ「アメリカ民主主義」を問う
 1 「アメリカ民主主義」とその乗り越え――アメリカの二面性
 2 一九五〇、六〇年代におけるアメリカ政治を論ずることの社会学的意義
 3 理論枠組――国家システムと社会の双方向的な関係性と討議民主主義理論
 4 一九五〇、六〇年代の民主化の要因――国内要因
 5 民主化とグローバル要因の関係への視点
 6 公聴会に着目する社会学的意義
 7 公聴会と一九六四年公民権法の成立
 8 公聴会議事録に関する注記
 9 「黒人」という呼称に関する注記

第1章 権力、支配、民主主義に関する理論的考察
 1 民主的秩序の構築・再構築過程に関する理論的考察――被剥奪集団の能動性と国家システムの介入政策
  1‐1 国家システムと社会の関係性への視点
  1‐2 権力と支配
   「権力」概念
   「支配」概念
   「制御の弁証法」――支配構造の力学
   政治的意思決定過程における力の構造的不均衡
   社会・生活世界レベルでの排除構造――ハーバーマス市民社会論批判
   宿命論を超えた支配論へ
  1‐3 民主主義とその力学
   「民主主義」を巡って
   市民の実践と民主的秩序の循環構造――民主主義の構造化理論
  1‐4 国家権力の増大と国家システムの介入政策
   近代と国家権力の増大
   国家システムによる敏感な反応と統治戦略としての介入政策
  1‐5 民主的秩序の構築
   非民主的統治
   民主的統治
  1‐6 「未完の動体」としてのアメリカ民主主義
 2 一九五〇、六〇年代のアメリカ黒人問題と多元統治――R・ダールの民主主義理論への批判的考察
  2‐1 ダールの政治理論と一九五〇、六〇年代のアメリカ社会
  2‐2 アメリカ社会における資源の不均衡配分――民主化要件と構造的制約
  2‐3 相互制御――支配の力学
  2‐4 広義の均衡抑制――投票権の民主的機能
  2‐5 アメリカにおける社会民主主義――国家システムの敏感な反応による問題解決
  2‐6 市民の能動性と政治参加
  2‐7 ダール政治理論の再検討
 3 討議民主主義の条件と可能性――差異と統合の両立を巡って
  3‐1 不可謬な価値規範に基づく前近代的な権力――支配構造とその「脱神話化」
  3‐2 「公共圏」と「討議空間」――社会と国際社会の声が行き交う場として
  3‐3 解放政治――国家システム、社会、グローバル要因の相互浸透
  3‐4 発話内容の妥当性要求と理想的発話状況
  3‐5 合意の限界と持続可能な討議の可能性
  3‐6 討議の規範的機能
  3‐7 討議を通じての民主的秩序の構築・再構築
  3‐8 討議民主主義――持続的討議の政治
 4 アメリカ政治における公聴会の機能――討議民主主義との関連から
  4‐1 なぜ公聴会に着目するのか
  4‐2 立法府としての連邦会議と委員会制度
  4‐3 公聴会の構成と基本的機能
  4‐4 公聴会の行政府への監視機能――調査公聴会
  4‐5 立法過程における公聴会の機能
  4‐6 「力の論理」を超えて

第2章 一九五〇、六〇年代のアメリカ人種問題――社会学的考察
 1 排除構造の再生産――リコンストラクション期から一九六〇年代までのアメリカを背景に
  1‐1 アメリカにおける黒人排除の三層構造
  1‐2 「制度的レイシズム」概念再考
  1‐3 制度的レイシズム――連邦政府および州政府による「合法的」排除
  1‐4 社会的排除――社会・生活世界における人種主義的言説・実践
  1‐5 「アンクル・トム」的態度
  1‐6 排除構造――ミルダールの「悪循環」理論
 2 アメリカにおける黒人の投票権剥奪のその構造――リコンストラクション破綻から一九六〇年代まで
  2‐1 黒人の政治的排除の三層構造
  2‐2 人種的排除構造の根源としての黒人の投票権剥奪
  2‐3 投票権の「合法的」な剥奪――制度的レイシズム
  2‐4 投票権の社会的剥奪――物理的・心理的暴力
  2‐5 黒人の「政治的アパシー」――黒人の投票権剥奪の構造化
  2‐6 被剥奪集団の抵抗の可能性
 3 一九五〇、六〇年代における公民権運動、連邦政府の介入政策、巻き返し
  3‐1 一九三〇、四〇年代のアメリカを取り巻く状況
   ルーズベルト政権期とワシントン行進
   トルーマン政権期の公民権政策の展開
  3‐2 第二次世界大戦前後の公民権政策の展開――国際的状況から
   第二次世界大戦の意味――「アメリカ民主主義」の自己矛盾
   戦勝とアメリカ人種問題――民主主義の指導者たらんとするアメリカのジレンマ
   国連の創設とアメリカへの圧力
   国連に対する公民権団体の請願書
   植民地主義の終焉と反植民地主義・反人種主義
  3‐3 アイゼンハワー政権期――公民権政策、公民権運動、白人暴徒・南部州の反撃
   ブラウン判決と人種統合
   バスボイコットの展開――公民権運動の幕開け
   リトルロック危機――南部州の抵抗と連邦政府の介入
  3‐4 ケネディ政権期――公民権運動、公民権政策、南部州政府の抵抗
   バーミンガム人種隔離抵抗運動 対 アラバマ州政府・警察
   バーミンガム人種隔離抵抗運動後のアラバマ州の人種隔離政策と連邦政府の積極的関与
 4 アメリカ連邦議会の構造的保守性――南部民主党議員と一九五〇、六〇年代の公民権法案審議
  4‐1 アメリカ政治の「多元的停滞状況」と連邦議会の構造的保守性
  4‐2 南部白人社会と南部民主党議員の利害の一致
  4‐3 南部民主党議員による反公民権政策のレトリック
  4‐4 南部民主党議員による抵抗と実力行使
  4‐5 連邦議会と南部白人社会の関係性の視点

第3章 連邦議会司法委員会における公民権法案審議――公聴会議事録の分析から
 1 「南部問題」への政府介入の正統性と合法性を巡って――「アメリカ民主主義」の価値と反共闘争の論理
  1‐1 司法委員会と公聴会に関する概要
   連邦議会上院・下院司法委員会
   公聴会での証言者の構成と証言内容の全体的傾向――法案反対派の場合
  1‐2 人種隔離政策に対する積極的評価とその「正統化」
  1‐3 連邦政府による介入の不必要性
   人種差別の存在の否定――公民権政策の必要性の否定
   連邦政府の介入に伴う南部人種問題の険悪化
  1‐4 「アメリカ民主主義」の精神を巡って
   「アメリカ民主主義」の精神と「州の主権」
   「アメリカ民主主義」と「個人の自由」
  1‐5 アメリカの「国家主権」を巡って――国際的干渉・介入に対する批判
   国際水準でのアメリカ黒人の市民生活
   海外の人種問題に対する批判
   対米批判とアメリカの「主権」
   国連の介入とアメリカの「国家主権」
  1‐6 公民権政策と共産主義レトリック――「州の主権」を巡って
   中央集権体制と強制的な人種統合――ブラウン判決とリトルロック危機
   黒人の投票権保護、司法長官の権限の拡大、中央集権化――第三条項を巡って
  1‐7 公民権政策に伴う「自由主義」の衰退と危機――冷戦イデオロギー対立の文脈から
   「平等」と「アメリカ民主主義」
   黒人に対する「特権的政策」に対する批判
   義務の不履行、権利の主張
  1‐8 ソ連と共産主義者による「陰謀」としての公民権政策
   国外からの脅威――ソ連による「陰謀」
   国内の敵による「陰謀」
   「アメリカ民主主義」の「共産主義化」
   「挙国一致」と「第三次世界大戦」
  1‐9 法案反対派の証言内容の特徴
 2 アメリカ人種問題への政府介入の正統性と合法性を巡って――利害偏重主義を超えて
  2‐1 分析対象
   法案に賛成する証言者の構成
   証言内容の分類
  2‐2 人種差別の実態
   黒人の経済的排除
   学校における人種隔離政策――教育機会の不平等
   投票権剥奪の実態について
   社会的圧力と黒人教師の投票権剥奪
   南部地域における白人人種主義者の身体的・心理的暴力
   南部地域における行政執行者の身体的・心理的暴力
   識字試験について――「合法的」な投票権剥奪
   黒人の「沈黙」が意味するもの
  2‐3 連邦政府による介入政策の正統性と合法性
   州はすべての市民を代表しているか
   連邦政府の介入政策と州の主権
   連邦政府の介入政策と個人の自由
   公民権コミッション
   司法長官の権限の拡大(第三条項)
  2‐4 冷戦対立、反植民地主義、反人種主義――「アメリカ民主主義」の国際的含意
   「アメリカ民主主義」への国際的不信の増大
   アメリカに対する国際的信頼の回復
  2‐5 「アメリカ民主主義」の「正統性」危機とその克服――アメリカ民主主義の再興に向けて
   「道徳的問題」としてのアメリカ人種問題
   社会的不正義としての道徳的問題
   アメリカ社会のアノミー的状況
   南部民主党議員による抵抗とそれに対する議会戦略
   公民権運動と正統なアメリカ民主主義
  2‐6 法案賛成派の証言内容の超人種的・超党派的な性格と包括的な民主主義の可能性

第4章 討議民主主義と現実政治の間――公聴会の民主化機能を巡って
 1 討議民主主義と討議空間としての公聴会――公民権法案賛成派/反対派の証言内容の政治社会学的意味
  1‐1 人種差別と客観的事実に関する証言――真理性の水準
   法案反対派の証言内容とその客観性――人種問題に関する説明要因の選択的提示
   法案賛成派の証言内容とその真理性――人種問題に関する事例・客観的データの提示
  1‐2 人種問題への連邦政府の介入政策の是非を巡って――公正性の水準
   法案反対派の証言内容とその規範性――「州の主権」と「自由主義」
   法案賛成派の証言内容とその公正性――普遍性をもった介入政策の必要性
  1‐3 討議民主主義と連邦議会司法委員会――現実政治における民主化の可能性を巡って
   一九五〇年代における法案作成過程における公聴会の機能
   討議民主主義と現実政治の間
 2 公聴会から一九六四年公民権法成立までの立法過程
  2‐1 一九六四年公民権法成立までの背景
  2‐2 ケネディ大統領の公民権法案提出――公民権問題を巡る政策の転換
  2‐3 連邦議会上院司法委員会の開催による公聴会――「委員会でのフィリバスター」
  2‐4 連邦議会下院司法委員会での公民権法案審議――セラーの「反乱」
  2‐5 下院司法委員会とケネディ陣営の葛藤、交渉、妥協
  2‐6 立法過程におけるケネディと下院司法委員会の功績
  2‐7 下院本会議法案審議と南部民主党議員の抵抗――「性差別禁止条項」の追加を巡って
  2‐8 南部民主議員による審議妨害と民主党執行部による議会工作――法案成立に向けて
  2‐9 一九六四年公民権法と一九六五年投票権法
  2‐10 社会的・政治的現実と討議民主主義の可能性――一九六三年、一九六四年の状況から

結論 一九六〇年代前半における民主化の意義を巡って
 1 一九六四年公民権法成立とその後
 2 一九六四年公民権法の限界――人種暴動の頻発
 3 ブラック・ナショナリズム運動の台頭と衰退
 4 ブラック・ナショナリズム運動の破綻からみる一九六四年公民権法成立の政治社会学的含意
 5 仮説の検証――現実政治における戦略と討議民主主義の可能性
 6 ギデンズ、ハーバーマス、ダールらの民主主義理論の再検討
 7 討議民主主義と理想社会の実現に向けて

あとがき
謝辞
参考文献

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志
UP:20111212 REV:
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