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『ブレア時代のイギリス』

山口 二郎 20051118 岩波書店,199p.


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■山口 二郎 20051118 『ブレア時代のイギリス』,岩波書店,199p.  ISBN-10: 4004309794 700円 [amazon]



■出版社/著者からの内容紹介
 「矛盾と多面性こそがブレアという政治家を分析する際のキーワード」「ブレアとは境界領域に位置し、相矛盾する顔を同時に持っている政治家である」――本書の著者、山口二郎さんのブレアに対する見方です。

 18年もの保守党政権のあとに登場したブレア労働党政権は、市場原理やグローバル資本主義を大きく受け入れつつも、他方で、福祉サービスの充実や平等の達成を強く訴えています。外交面では、ブッシュの路線に深く肩入れしてイラク戦争に参戦する一方で、南北問題や地球環境問題などに積極的な姿勢を示しています。あるいはまた、「対テロ戦争」の掛け声の下、国内の自由や人権を制約しようとし、「選ばれた独裁者」とさえ呼ばれる一方で、地方分権やNGO支援など民主主義の強化もはかっています。

 こうした「相矛盾する顔」をもつブレアをどのように捉えたらよいのか。ブレアの示す多面性こそ、社会民主主義が新たなあり方を求めて苦悩していることの現われではないのか――。今年5月の総選挙を現地で取材した著者が、こうした問いに真正面から取り組みながら、現代のイギリス政治の変貌を分析していきます。

 日本では、「小さな政府」論が闊歩し、新自由主義以外の選択肢がまったく見えない状況にあります。「平等」を基本的な価値とする社会民主主義をいかにして政治的なオルターナティヴにしていくのか、という困難な課題を考えるにあたって、「ブレア時代のイギリス」は様々なヒントと教訓を与えてくれるはずです。

岩波書店HP
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0511/sin_k263.html

■目次

 はじめに
 第一章 ニューレーバーの政権前夜(コンセンサス政治の変容 サッチャーはイギリスをどう変えたか ブレア労働党の出発 劇的な政権交代)
 第二章 福祉国家はよみがえったのか(福祉国家の現在 福祉から労働へ 教育立国の理想と現実 繁栄と矛盾)
 第三章 民主主義の危機と好機(民主政治の変質 より多くの民主主義を)
 第四章 ニューレーバーの外交政策(労働党政権の外交スタンス イラク戦争参戦とブレアのリーダーシップ 安全の全体主義?)
 第五章 ブレア政治の旧さと新しさ(政治戦略の勝利 新しい理念、「第三の道」の可能性)
 第六章 ポスト新自由主義時代の「左」と「右」(二〇〇五年総選挙を歩く アングロ・ソーシャル・モデルの可能性)
 あとがきにかえて――日本政治はイギリス化したか
 参考文献


■紹介・引用


■書評・言及




*作成:西嶋 一泰
UP:20120130 REV:200*****
BOOK
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