『〈変態〉の時代』
菅野 聡美 20051120 講談社,217p.
■菅野 聡美 20051120 『〈変態〉の時代』,講談社,217p. ISBN-10: 4061498150 ISBN-13: 978-4061498150 \756 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
検閲、発禁と闘って変態研究に熱中した男たち。
■目次
プロローグ
第1章 変態のあけぼの――『変態心理』とその時代
変態はいつからつかわれてきたか
変態心理への関心
中村古峡と『変態心理』
誰にでもある異常
世俗の関心
『変態心理』の終刊
第2章 性とは無縁な「変態」――幽霊、神がかり、迷信
文明開化と迷信
新たなる不思議への注目
古峡が敵視したもの
科学的な探究心
善意の好奇心と差別は紙一重
第3章 流行語になった「変態」
ブームになった「変態」
変態の使われ方
学術用語から流行語へ
「変態イコール変態性欲」という流れ
第4章 変態性欲って何?
変態性欲リストとその根拠
変態の発生要因
変態への対処法
恐怖のマスターベーション
危機を煽る言説
『変態性欲』を刊行したわけ
裏方の北野博美
新雑誌を次々刊行するも
第5章 民俗学と変態
折口信夫にいきついた北野博美
近代化へのアンチテーゼ
香涯が崇拝した宮武外骨
南方熊楠、変態へ参入す
色男つながり(1)――熊楠と岩田準一
熊楠の近親憎悪
色男つながり(2)――乱歩と岩田準一
アンチ柳田民俗学と性
第6章 「変態イコール変態性欲」への道
普通の人々をひきつけた変態
同性愛の流行
豪快なる男装婦人
現実の変態犯罪事件
世間を騒がせた大事件
猟奇趣味と好色趣味
弾圧のターゲットは変態性欲
駆逐される「変態」の語
心理から性欲へのシフト
変態はなぜ弾圧されるのか
第7章 変態で遊び変態で闘った男たち
宮武外骨の変態趣味
変態で稼ぎまくった梅原北明
デカメロンで勲章授与
北明の華麗なる戦法
社会史への着目とその帰結
変態からグロテスクへ
グロテスクから戦争へ
戦争と性
ベルリン性科学研究所とヒルシュルト
ゲイ運動家でもあったヒルシュルト
グロテスクの力
戦後というグロテスクな時代
第8章 「正常」の逆襲と総力戦体制
『優生運動』刊行
帰結すべき人、してはいけない人
劣等者への結婚差別
産児制限運動と避妊法
変態同様に弾圧される避妊法
『性科学研究』のスタンス
変態性欲批判
『性科学研究』から『性教育』へ
そしてなにも許されなくなった総力戦体制
その後の彼らたち
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治