『記憶が消えていく――アルツハイマー病患者が自ら語る』
一関 開治 20051015 二見書房,178p.
■一関 開治 20051015 『記憶が消えていく――アルツハイマー病患者が自ら語る』,二見書房,178p. ISBN-10: 4576051431 ISBN-13: 978-4576051437 \1575 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
平成16年、53歳の若き町長が自らの若年性アルツハイマーを公表して辞任。
絶望の淵から妻子の愛と町民の支えで「今」を生きていくまで。
「若年性アルツハイマー病」を患った北海道雨竜郡北竜町の元町長・一関開治の不安や戸惑い、妻や子への想いを綴った本。
■目次
はじめに
第1章 たび重なる奇妙な行動
何かがおかしい……
原稿がうまく読めなかった「施政方針演説」
一週間のスケジュールが覚えられない…
パソコンがまったく使えない
ゴルフボールを違う方向へ打つ
決定的な出来事「香典袋の横書き」
第2章 病院で受けた宣告
夫は死のうとしていた?
日赤病院の精神科を受診
「アルツハイマーの可能性もあります」
町長室で「身辺整理」?
「死ねないな、ばあさんいるから」
正式に下された「宣言」
「もう辞めたほうがいいかもしれない」
衝撃の告知「ご主人はアルツハイマーです」
「最後は奥さんの顔も忘れていきます」
深い絶望のなかで七キロ痩せた妻
父はこれからどうなるんだ?
アルツハイマーは恥ずかしい病気じゃない!
アルツハイマー患者は、自分の症状を自覚している
最後まで基本的な感情は残っている
できないことを悲しむのではなく…
カミングアウト(公表)すると楽になる
症状が進むことを確認する哀しみ
第3章 大騒動の「町長辞任」
町長辞任の裏舞台
「町長を辞めさせてください」
町長辞任の根回しのために奔走する妻
病名を公表!衝撃的な新聞発表
「なんでこんなに涙がこぼれるのかな」
第4章 若き町長の誕生
プロポーズの言葉「おまえを守ってやる!」
スズメやドジョウを売って生計を立てていた幼少時代
野球少年だった父と子
妻との出会いと結婚
町の誰からも愛された町長時代
突然舞いこんできた町長選立候補の話
町長選立候補に大反対の家族
説得半分、妻は夫の立候補を承諾
すばらしい社交性と行動力
経済的には豊かではない町長という役職
第5章 失意と受容のなかで
優しい北竜町の人たちに励まされて
新しい生活の始まり
思い切ってテレビ出演
病名を公にすることが、明るくて生きることの第一歩
いつまでこんな生活つづけるの?
温泉で声をかけてくれた人たち
携帯電話は二人の命綱
「病気だと思いたくない」仲間たち
困難な日々を町の人が支えてくれる
以前にはなかった夫の「癇癪」
こんな日がつづいたら暮らせない
若年性認知症患者の会
「できること」と「できないこと」がある
北竜町が支えてくれた
第6章 二人で生きていく
できること、できないこと
「実は、おまえの名前も書けないんだ」
「いいの、いいの、できななくてもいいの」
人の顔や道に関しては抜群の記憶力
いつまでも忘れない心くばり
迷惑をかけることへの引け目
大勢の人と接触するのは、とても使える
久しぶりのプロ野球観戦
働きが落ちている大脳皮質
この病院は快適だ
楽しく、快適にすごすための工夫
車の運転は絶対にしない
事故をおこさないために
家のなかでの細やかな配慮
「できること」を喜びたい
これからはどんな時間をすごしていきたいのだろう?
終章 心は生きている
「できなくてもいいんんだよ」
カメラ操作に大苦戦の姿に大笑い
困ったときの友こそ真の友
主人を頼れない寂しさ
忘れたくないのに、母さんのことが消えていく…
心は生きている。そこに私は生きている
記憶が消えても、思い出は生きつづけてる
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治