「クラブハウスの歴史と現状
共同作業所での活動自体が、精神障害者の自助活動の場となっている。あさやけ第二作業所の活動のなかから「ぶんぶんクラブ」という組織が生まれた。このクラブは、あさやけ作業所を卒業して、就職した人たちが中心となっている。定期的に集まり夕食を共にすることにからはじまって、小平市及び周辺で生活する精神障害者の人たちの仲間同士の助け合いと、社会的な発言もする組織に成長した。これが母体となって一九九七年二月に「クラブハウスはばたき」が誕生した。
クラブハウスというのは、アメリカで生まれた精神障害者の自助活動組織の拠点のことをいう。このクラブハウスの始まりは、一九四〇年代後半に遡る。ニューヨーク郊外のロックランド州立病院から退院した四人の元患者が中心となって作った「ワーナクラブ」が源流となっている。WANAClubは、“We Are Not Alone”私たちは一人ぼっちじゃない、という彼らの合言葉の頭文字から作られた名称である。WANAクラブの拠点は、はじめはそれこそ住所不定で、教会や図書館のお情けで、その一隅で会合を持ったりしていた。廃品回収などの仕事で各自の生計を立てながら、活動の輪を広げていった。……
一九四八年、ニューヨークのマンハッタンの中心アイムズ・スクエアにほど近い、西四十七番街に五階建ての大きなビルを所有するにいたった。(pp.208-9)」