『身体の社会学――フロンティアと応用』
大野 道邦・油井 清光・竹中 克久 編 20050725 世界思想社,362p.
■大野 道邦・油井 清光・竹中 克久 編 20050725 『身体の社会学――フロンティアと応用』,世界思想社,362p. ISBN-10: 4790711382 ISBN-13: 978-4790711384 \2415 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
身体と社会学とのスリリングな出会い。
社会学は身体について何を語り、身体は社会学に何を語りかけるのか。
身体と社会学の出会いから見えてくるものとは―。
■目次
まえがき (大野道邦)
序章 パーソンズから「身体の社会学」へ (油井清光)
はじめに――本書のなりたち(序にかえて)
1 社会学から「はみだす」パーソンズ
2 プラグマティズムと自然
3 生命・進化・情報の「相互乗り入れ」
4 ノイラートの船
5 パーソンズの生命倫理論
6 健康メディア論
おわりに
■理論編
第一章 身体論への知識社会学的断章――「身体」という場所 (三上剛史)
はじめに
1 なにゆえの身体論なのか
2 自己意識の繁留
3 「身体」という場所
4 消費の正体/客体
5 仮想の境界
第二章 すれ違った二人の巨人――パーソンズとレヴィ=ストロース (大野道邦)
はじめに
1 デュルケームから、そして、デュルケームを超えて
2 二つの「シンボル」
3 機能的説明と構造的説明
4 テリック・システムと人間精神
おわりに
第三章 もうひとつのアメリカ社会学の可能性――シカゴ学派のnarrativeな方法 (宝月誠)
はじめに
1 シカゴ学派のパースペクティブ
2 シカゴ学派のモノグラフからの事例
3 シカゴ学派の意義
第四章 身体の社会学の過去そして未来――研究アジェンダの確立 (ブライアン・S・ターナー)
はじめに――身体の社会学を位置づける
1 複数の理論的な視点
2 医療技術と身体
3 生殖の選択権のグローバルな管理?
4 永遠に生きることはできるのだろうか?
5 人権、不死細胞、そして傷つきやすさ
おわりに
第五章 西洋におけるヨーガ、それとも西洋式ヨーガ? (アガタ・シュヴィエルゾフスカ)
はじめに
1 伝統的ヨーガ体系
2 ヨーガの普及と適応
3 西洋によるヨーガ受容
4 新たなヨーガ体系の試み
おわりに
第六章 マルセル・モースの身体論――聖なるものなき道徳と呪術的身体 (林大造)
はじめに
1 身体の技法
2 問題の原点――呪術論における身体
おわりに
第七章 身体社会学におけるゴッフマン理論 (速水奈名子)
はじめに
1 身体社会学
2 ゴッフマン理論における儀礼論と身体
3 ゴッフマン理論における身体の再考
おわりに
第八章 カリスマが身体と再びめぐりあう時――身体・メディア・カリスマ (黒木茂浩)
1 はじめに
2 カリスマの歴史的発展
3 メディアの発達、およびカリスマと身体との「再会」
4 「人は誰でもカリスマになれる」ことに潜む矛盾
5 おわりに
第九章 組織の美学――組織論と身体・感情・感覚 (竹中克久)
はじめに
1 モダンのプロジェクト
2 組織研究における二つの組織文化研究
3 組織の美学
おわりに
■応用編
第一〇章 自殺論と安楽死論の出会うところ (山本道雄)
1 人の死と社会の意思
2 バンサン・アンベール事件
3 なぜ人を殺すことは道徳的に許されないか
4 自殺論瞥見
5 死ぬ権利
6 「人間の尊厳」概念の役割
7 自殺論と安楽死論の出会うところ
第一一章 メディアとしての健康――パーソンズの医療社会学 (田村周一)
1 はじめに
2 病人役割概念
3 医療社会学の現在―医療化論と脱医療化論
4 相互メディアとしての健康―人間の条件パラダイムへの展開
5 展望
第一二章 現代終末期医療というメタフィジック (池永新)
1 現代終末期医療、その分析の始点
2 早められる死の正当化の装置―主体のもとに操作される死の意味づけ
3 「満ち足りたニヒリズム smug nihilism」の浸潤――「主体」という限界
4 主体、再考の指標―現代終末期医療、「自分らしい死という取り組み」
第一三章 障害者とポスト近代社会のバイオ・ポリティックス (後藤吉彦)
はじめに
1 障害への社会的アプローチとポスト近代社会
2 日本にみる障害者の身体の統制
おわりに
第一四章 儀礼としての切腹――身体、刑罰、シンボルを中心に (コルネーエヴァ・スヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ)
はじめに
1 切腹と苦痛
2 刑罰としての切腹
3 切腹の儀礼化
4からだと意味世界
おわりに
第一五章 消費社会における学校制服――一九七〇年代以降の展開 (松田いりあ)
はじめに
1 大衆教育社会と学校制服
2 制服着用の現状
おわりに
人名・事項索引
執筆者紹介
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治