HOME > BOOK >

『これからの高齢者医療――団塊の世代が老いるとき』

大久保 一郎・武藤 正樹・菅原 民枝・和田 努 20050723 同友館,184p.


このHP経由で購入すると寄付されます

■大久保 一郎・武藤 正樹・菅原 民枝・和田 努 20050723 『これからの高齢者医療――団塊の世代が老いるとき』,同友館,184p. ISBN-10: 4496039923 ISBN-13: 978-4496039928 2100 [amazon] ※ b a06

■内容(「BOOK」データベースより)
高齢社会は人類の理想のひとつの到達点だが、しかし、国民医療費の多くを費やす高齢者の医療費をどう考えていけばいいのか。これは日本人に課せられた大きな宿題である。2007年には団塊の世代が定年を迎え、2015年には老人に、2025年には後期高齢者に突入する。医療費・社会保障費は、そのとき待ったなしの正念場を迎える。医療費、在宅医療、健康寿命の延伸、そして「老い」をどう考えていくか。基本的なことを押さえながら「高齢者医療」に取り組むための戦略、思想を考えていこうというスタンスで、この本は編まれた。

内容(「MARC」データベースより)
2007年には団塊の世代が定年を迎え、2025年には後期高齢者に突入する。医療費や社会保障費はどうなるのか。健康寿命の延伸、「老い」をどう考えていくか、「高齢者医療」に取り組むための戦略、思想を考える。

■目次

第1章 高齢者医療と財源 大久保 一郎
第2章 「在宅医療を選択する」こと 菅原 民枝
第3章 在宅医療の費用と経済評価 菅原 民枝
第4章 少子高齢化と「ぴんぴんころり」(PPK) 武藤 正樹
第5章 “老い”を問い直す 和田 努
第6章 高齢者医療を考える 和田 努 129-
第7章 座談会・高齢者医療の行方を考える



◆武藤 正樹 20050723 「少子高齢化と「ぴんぴんころり」(PPK) 」,大久保・武藤・菅原・和田[2005:77-109]

 「高齢者の医療は今、最大のピンチを迎えている。
 このため、今、全国の目が長野県に集まっている。理由は、長野県は男性の平均寿命は日本一、女性も第3位と長寿健康県で、しかも老人医療費が全国で一番少ないからである。次に全国の自治体が注目する長野の秘密をみていこう。」(武藤[2005:97])
 (1) 長野県の秘密・その1――よく働き学ぶ県民性
 (2) 長野県の秘密・その2――保健予防活動がさかん
 (3) 長野県の秘密・その3――保健医療を率いるリーダーの存在
 (4) 長野県の秘密・その4――病院や医師が少ない
 (5) 長野県の秘密・その5――在宅死亡割合が高い

◆和田 努 20050723 「高齢者医療を考える」,大久保・武藤・菅原・和田[2005:129-141]
 1健康転換からみた高齢者医療
 長谷川敏彦「日本の健康転換のこれからの展望」
 「ここで肝心なことは、老人の遅発退行性病変は、治癒することはなく、不可逆的に退行していく「障害」と捉えていることである。つまり「治療」(Cure)の対象ではなく「癒し」(Care)の対象であることを確認していることである。延命至上主義(Vitalism)を否定している。」(和田[2005:131])
 2終末の儀式
 終末の儀式:イリッチ『脱病院化社会』
 「キャラハンの三原則は、おおむね私は賛成である。[…]しかし、私は「自然な寿命を全うした年齢」を正確な暦年齢をきめる<0133<ことには賛成できない。
 「自然な寿命を全うした」という判断基準は、画一的であってはならない。その判断は個々の患者に対して、そのつど慎重に判断すべきである。」(和田[2005:133-134])
 「人工透析をある年齢で打ち切るという意見もある。例えば、80歳で打ち切るとする。現に透析を続けていることでQOL(生命・生活の質)をよい状態で維持している人に、80歳になったからという理由で、透析を打ち切ることは許されることではない。しかし、ターミナル期にある腎不全の高齢の患者に透析をすれば、わずかに延命ができるという理由で透析をするのは、私は反対である。これは”終末の儀式”だからだ。このような延命至上主義は、捨てるべきである。」(和田[2005:135])
 3 痴呆をどう考えるか
 「私は、十数年前、86歳で逝った父のことがよみがえる。ターミナル期の短い期間入院させた。余命いくばくもない父に、若い主治医は人工透析を勧めた。勧めたというよりは強制したと言ったほうがいい。私は断固断った。主治医は「あんたは息子として、父親が早く死ぬのを望んでいるのか」と言った。頑なに断った。しかし、父の口元には人口呼吸器が取り付けられた。父はもう意識はないのに、苦しそうに喘いだ。いまだにその苦しそうな喘ぎが耳元から離れない。
 いまも「終末の儀式」は多くの病院で繰り返されているはずだ。医療経済から言っても、旧弊な「延命至上主義」から抜け出ることが必要だ。」(和田[2005:135])

■言及

◆立岩 真也 200802101 「(連載・29)」,『現代思想』
◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表


UP:20061230 REV:
老い  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)