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今村 仁司 20050510 『マルクス入門』,筑摩書房(ちくま新書),238p. ISBN-10:4480062335 ISBN-13:978-4480062338 780+
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[kinokuniya] ※ mk17. m05.
■内容
マルクス主義が大きく後退した現在の状況下で、今あらためてマルクスを読みなおす意義はあるのだろうか。『資本論』をはじめとする主要書を再度きちんと読みこむことでとろえられるマルクス像は、哲学においても、経済学においても、あらゆるイデオロギーを批判して、無神論の位置につねにたとうとする姿であった。既存のマルクス像から自由になり、マルクスの新しい可能性を見出すための最良の入門書。
■目次
序章 さまざまなマルクス像
1 第一類型=経済中心史観
2 第二類型=実践的主体論
3 第三類型=構造論(関係論)
第1章 「ギリシア人」マルクス
1 古代ギリシアへの憧憬
2 コミューン(共同体)のギリシア的イメージ
3 商業と貨幣に対するギリシア的批判
4 古代無神論とマルクス
第2章 分裂なき共同体
1 政治への関心
2 共同体の分裂
3 自由な実践(プラークシス)
4 社会の変革
5 自然と人間の統一
第3章 文明史のなかの資本主義
1 文明史論としての唯物史観
2 歴史哲学的考察
3 原初的共同体論
4 文明史のなかの資本主義
第4章 歴史的時間の概念――ヘーゲルとマルクス
1 歴史的時間の蓄積
2 死者が生者をとらえる
3 価値の形式的関係のなかに全歴史が包まれること
第5章 『資本論』の学問――「新しい学」の創造
1 さまざまな構想
2 経済学批判
3 『資本論』の学的構造
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:奥坊 由起子