『現代思想の冒険家たち Select アレント‐公共性の復権‐』
川崎 修 20050410 講談社,406p.
Last Update:20100906
■川崎 修 20050410 『現代思想の冒険家たち Select アレント‐公共性の復権‐』,講談社,406p. ISBN-10:4062743590 ISBN-13:9784062743594 \1500 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
出版社 / 著者からの内容紹介
全体主義の起源を解明する
公共性の復権(recovery of the public)
近代以降、人対人の相互行為であるべき政治に「仕事」や「労働」という人対物の一方的行為のモデルが適用されたことが、20世紀、全体主義という怪物の跋扈をもたらした。「活動」とは、アリストテレス的な「実践」概念の復活であり、その舞台となる公的領域とは、人々が対等な立場で対話する空間である。この自由を本質とする「活動」として政治を再生しようとする試みは、大衆社会のなかで立脚点を喪失した人間の救済をめざすアレントの問題意識の結実であり、政治が公的な営為であることを我々に再確認させる。
<付録>
著作ダイジェスト/キーワード解説/読書案内
内容(「MARC」データベースより)
ナチスの迫害を避け米国に亡命したユダヤ系ドイツ人のアレント。全体主義の病理を究明し、ポリス的な公共世界に政治の理想を求めた波乱の生涯と思想の全貌を説く。98年刊「現代思想の冒険者たち 17」の新装版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
川崎 修
1958年生まれ。東京大学法学部卒。立教大学法学部教授。専攻は政治学・政治学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき
プロローグ
1 ア・ウーマン・オブ・ディス・センチュリー
2 ハンナ・アレントの生涯
第1章 19世紀秩序の解体‐『全体主義の起源』を読む(前編)‐
1 『全体主義の起源』の起源の謎
2 19世紀政治秩序
3 破壊のモーターとしての帝国主義
4 人種主義と官僚制
第2章 破局の20世紀‐『全体主義の起源』を読む(後編)‐
1 国民国家体制の崩壊
2 「社会」の解体
3 20世紀秩序としての全体主義
4 反ユダヤ主義
5 もう1つの20世紀へ
第3章 アメリカという夢・アメリカという悪夢
1 アメリカとヨーロッパ
2 『革命について』
3 共和国の危機‐その1
4 共和国の危機‐その2
5 20世紀としてのアメリカ
第4章 政治の復権をめざして
1 労働・仕事・活動
2 アレントの政治概念
3 個・公共性・共同性
エピローグ
1 全体主義の世紀
2 保守性と革命性
3 政治の限界
アレントの略歴譜
主要著作ダイジェスト
キーワード解説
読書案内
あとがき
索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口也寸志