『地域福祉計画の理論と実践――先進地域に学ぶ住民参加とパートナーシップ』
島津 淳・鈴木 眞理子 20050331 ミネルヴァ書房,256p.
■島津 淳・鈴木 眞理子 20050331 『地域福祉計画の理論と実践――先進地域に学ぶ住民参加とパートナーシップ』,ミネルヴァ書房,256p. ISBN-10: 4623042588 ISBN-13: 9784623042586 \2600 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
介護保険事業計画、高齢者保健福祉計画、障害者福祉計画、児童福祉計画など地域の福祉全般を包含する地域福祉計画。しかし、何をめざし、どうアクションを起こせばよいのか、住民をどう巻き込めばいいのか…。本書では、地域福祉計画の全体像を示すとともに、過疎地を含む全国各地の先進的事例を紹介しながら、政策立案の経験豊富な執筆陣が計画策定の実際を具体的に解説する。
内容(「MARC」データベースより)
地域の福祉計画では何を目ざし、どうアクションを起こせばよいのか? 計画の全体像を示すとともに、過疎地を含む全国各地の先進的事例を紹介しながら、政策立案の経験豊富な執筆陣が計画策定の実際を具体的に解説する。
著者略歴(「BOOK著者紹介情報」より)
- 島津 淳
- 北星学園大学社会福祉学部助教授。日本福祉大学社会福祉学部卒業。厚生労働省老健局老人福祉専門官・シルバーサービス専門官等を経て現職。主な社会活動:北海道社会福祉審議会委員、北海道地域福祉計画検討会部会長、札幌市社会福祉審議会委員、南富良野町介護保険事業計画策定委員
- 鈴木 真理子
- 岩手県立大学社会福祉学部助教授。東京大学文学部仏文科卒業後、会社勤務。子育て後、上智大学社会福祉学科を経て、日本社会事業大学大学院卒業。全国社会福祉協議会研修センター、和泉短期大学専任講師等を経て現職(社会福祉士)。主な社会活動:中央社会福祉審議会地域福祉部会臨時委員、岩手県子育てにやさしい環境づくり委員会委員、岩手県男女共同参画委員会委員、NPO法人いわて子育てネット副理事長など
■目次
はしがき
序章 理論と実践の相互作用について――新たなる参加システムの構築
分権社会と自治体
市民と行政の協働の時代
住民参画の課題
農村地域の計画づくり
第I部 福祉政策と地域福祉計画の策定
第1章 社会福祉基礎構造改革と地域福祉計画――利用者本位のサービス提供と公的責任の転換
1 戦後社会福祉システムの転換としての社会福祉基礎構造改革
戦後社会福祉の基礎構造の形成
措置制度の確立とその意義
措置制度の問題点と介護・保育の改革
基礎構造改革の必然性とその対象
2 基礎構造改革の概要と地域福祉
サービスシステムの転換としての基礎構造改革
理念の転換としての基礎構造改革
改革における地域福祉の必然性
3 社会福祉の構成主体と公的責任の転換
社会福祉における構成主体の発展
社会福祉における公的責任の変化
基礎構造改革とコミュニティケア改革
4 地域福祉計画の特徴
5 まとめ
第2章 地域福祉計画の意義と課題――求められる地域福祉計画策定の方向性
1 地域福祉計画の目的と意義
地域福祉促進の目標と方法
新たな社会資源の出現と開発
地域福祉計画の目的は福祉コミュニティの創造
2 地域福祉計画の位置づけ
福祉の計画化の意味と他の福祉プランとの関係
地域福祉計画と地域福祉活動計画との関係
地域福祉計画と地域福祉支援計画の関係
地域福祉支援計画策定方針の決定
地域福祉圏域の設定と期間
3 地域福祉計画策定の手順と成果
地域福祉計画策定の手順とプロセス
住民参加、行政と住民の協働のしかけづくり
地域福祉計画策定の課題と問題点
第3章 地域福祉計画と国際比較の視点――日本と韓国の比較研究をめざして
1 国際比較社会(福祉)研究の視点に関して
社会(政策)科学的比較研究の意義と目的
比較社会(福祉)研究の方法
比較社会(政策)研究の類型
2 地域福祉計画と国際比較研究
地域福祉計画における国際比較の視点
地域福祉計画の国際(日韓)比較研究の方法
3 地域福祉計画の日韓比較研究
韓国における地域社会福祉(計画)の現状と問題点
日韓比較研究の必要性と今後の方向と課題
第II部 福祉政策と各種福祉計画の現状と課題
第4章 地域福祉計画と社会福祉協議会――参加と協働による福祉社会を拓く
1 地域福祉の推進と社会福祉協議会
2 地域福祉計画を基本機能とする社会福祉協議会
地域の福祉の中核機関
社会福祉基礎構造改革と社会福祉協議会
3 地域福祉計画と社会福祉協議会
市町村地域福祉計画の意義と特徴
社協・地域福祉計画との連携
地域福祉計画の今日的意義
地域福祉計画の内容
計画策定のプロセスとニーズ把握
4 地域福祉活動計画の諸課題
市町村合併と地域福祉活動計画
福祉区・地域福祉圏域の検討
地域福祉活動計画と共同募金運動
市町村の個別計画との連携
地域福祉活動計画と社協発展・強化計画
5 計画策定の実際
「ものわすれ散歩のできるまち」への挑戦
社協と連携した地域福祉計画づくり
地域の問題を地域で解決――「1万人お茶の間トーク」
社協活動の活性化のために
第5章 保険財政と介護保険事業計画――郡部市町村の介護保険財政運営と地域ケアシステムの構築
1 介護保険制度施行に向けた政策立案を振り返って
2 介護保険事業計画とは
市町村介護保険事業計画
都道府県介護保険事業支援計画
3 市町村介護保険事業計画見直しに向けて
市町村合併と郡部市町村
介護保険財政と施設サービス
介護保険財政と新住宅政策
4 市町村介護保険事業計画と第二の住宅政策
住宅政策と住宅改修費
積雪寒冷地帯と第二の住宅政策
5 南富良野町と鶴居村の介護保険事業計画を比較
政策立案の比較検討
南富良野町
鶴居村
小規模・多機能サービス
6 移送サービスと介護保険事業計画
生活ニーズと移動サービス
移送サービスと介護タクシー
南富良野町と介護タクシー
7 積雪寒冷地と第三期介護保険事業計画の課題
第6章 新障害者プランと障害者福井計画障害者の――自立と社会参加支援の推進
1 新長期計画と障害者基本法
新長期計画の主な内容
心身障害者対策基本法の主な改正点
新長期計画等とゴールドプラン等との違い
2 障害者プランと新長期計画
3 新障害者基本計画と新障害者プラン
新十年とびわこミレニアム・フレームワーク
新基本計画の主な内容
新障害者プランの主な内容
4 基本法の改正
基本法改正の必要性
改正基本法の主な内容
新基本計画と新障害者プランの課題と展望
第7章 新エンゼルプランと児童福祉計画――少子高齢社会における児童福祉計画
1 地域の児童福祉の現状と課題
地域や家庭の子育て環境の変化と児童問題の深刻化
児童福祉施策の方向の変化
両立支援による保育重視から多様な地域子育て支援に
地域の子育て支援メニュー
2 児童福祉計画(児童育成計画)の目的と意義
3 児童育成計画の事例紹介
第III部 先進地域の福祉計画実践
第8章 都市部における介護保険事業計画策定の取り組み――名古屋市での策定作業を通して
1 市町村介護保険事業計画の位置づけ
他の保健福祉計画等との関係
介護保険法による規定と基本指針
2 名古屋市の要介護者等の概況
3 名古屋市での計画策定過程
4 計画策定(見直し)のための各種実態調査の概況
5 名古屋市の計画の特徴と先進性
名古屋市介護サービス事業者連絡研究会
保険料の減免措置
市町村特別給付
介護サービス評価事業
介護保険アドバイザー派遣事業
受領委任方式の運用拡大
介護予防支援計画
6 名古屋市の計画における課題
痴呆性高齢者への援助をめぐって
援助困難ケースへの対応をめぐって
入所施設の整備をめぐって
第9章 市町村地域福祉計画――美唄市の地域福祉計画策定過程に学ぶ
1 美唄市の地域のあらましと地域特性
2 計画策定に至る経過と課題
3 美唄市の福祉のまちづくり実践
第一期(1997年、1998年)――住民参加のイメージ化の共有
第二期(1999?2002度)――検討要望から実践と推進
4 美唄市における地域福祉計画の実際
住民と行政との危機意識の共有
計画策定体制
計画策定過程の実際
策定に係る主な取り組み
計画の概要と取り組み課題
福祉のまちづくり条例の概要
5 地域福祉計画策定の到達点と今後の課題
計画着手の優先順位と推進拠点・体制
コミュニティソーシャルワークの力量形成と展開組織
多様な事業者の支援と地域活性化
第10章 共生のまちづくり――北海道浦河町にみる精神障害者と共に取り組む地域づくり
1 地域の背景と精神保健の歩み
浦河町の地域特性と精神障害者のおかれた現状
浦河における保健・福祉の現状
浦河町における地域精神医療の歩み
2 「地域貢献」を柱とした当事者活動
当事者とは誰か
生きる苦労を取り戻す
地域のために
福祉サービスの受益者から提供者へ
3 病気から地域へ
精神科病床削減と地域移行計画
病床再編計画と浦河べてるの家の果たした役割
精神科病床削減計画と地域移行プログラムの進め方
当事者のニーズから生まれた支援プログラムと精神保健福祉ネットワーク
地域生活支援と権利擁護事業
4 地域福祉計画と精神保健福祉サービス
街づくりとこころのバリアフリー――「偏見や差別と戦わない」ということ
障害者プランと精神保健福祉
5 「何をするか」から「何をしないか」へ
第11章 総合的なまちづくりと参加システム――「ちとせ地域福祉計画市民会議」による地域福祉計画策定過程の意義
1 住民参加と地域福祉
千歳市における地域福祉計画の位置づけ
市民参画体制による策定方法手法と基本手順
ちとせ地域福祉市民会議
2 市民が築く地域福祉計画
地域福祉の視点での千歳市の概要と課題
市民による地域課題の提起
市民による福祉コミュニティ
3 包括的地域ケアシステムづくりをめざして
第12章 小規模・多機能サービスのゆくえ――地域密着型支援の可能性
1 宅老所から始まった小規模・多機能サービス
小規模・多機能サービスが生まれた背景
宅老所を定義することの難しさ
なぜ最近宅老所が注目されるようになったのか
2 宅老所の基本的特徴
痴呆介護を普遍化した宅老所
在宅支援をめざす宅老所
利用者との長期的関係
地域に密着した宅老所
3 宅老所から小規模多機能ホームへの展開
小規模多機能ホームの定義
小規模多機能ホームの介護力
小規模多機能ホームの三つの手法
4 小規模多機能サービスの制度化へ向けて
小規模多機能サービス拠点の特徴
小規模多機能サービス拠点の具体的な展開形態
地域密着型をめざして
あとがき
索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志