『仕事における年齢差別――アメリカの経験から学ぶ』

米国の求職、求人のしくみ、雇用差別の現況、雇用差別禁止法について、滞米生活を通じて感じたことや経験も踏まえつつ紹介し、日本での早急な対応の必要性を説く。

『仕事における年齢差別』を推す

はじめに

第1章 米国求職事情
1 しごと探しは履歴書づくりから
2 人種、皮膚の色、宗教、信条、性別、出身国、年齢、障害などによる差別は許されない
3 面接に対応する求職者たち
4 巧妙な差別とサポートグループ
5 応募することさえできない日本の就職差別

第2章 米国の雇用・失業と雇用差別の現状
1 急増する女性とヒスパニック系労働力
2 働き続ける中高年労働者
3 中高年失業者や恒久的レイオフの増加
4 増えるムーンライトワーカー
5 不安定就労と雇用差別
6 中高年女性への雇用差別――「AARPレポート」から

第3章 雇用差別禁止法
1 公民権法第7編、同一賃金法、障害者法
2 アフォーマティブ・アクション（積極的処遇措置）
1 歴史、目的、罰則
2 プログラムの実施方法
3 批判にさらされるアフォーマティブ・アクション
3 年齢差別禁止法 (ADEA) ――概要とその実際
1 ADEAの概要
2 救済方法
3 ADEAとその実際
4 ADEAをめぐる司法の動き
州政府機関による年齢差別―キメル（Kimel）判決の場合
ローリー・マッカーン（Laurie A.McCann）の論点
個人の能力を基礎にした平等処遇
年齢差別と合理的差別
5 Kimel判決以降――年齢差別裁判をめぐる新しい動き
6 問題点と課題

第4章 ADEAの歴史と日米の論議
1 雇用促進か人権重視か
2 個人の能力
3 平等と保護
4 時代と年齢差別禁止法

第5章 日本で年齢差別禁止法を導入する可能性
1 終身雇用制の崩壊と年齢差別禁止法
2 若年無業者の雇用と中高年の失業

第6章 アクティブ・エイジングに向けた欧州の論議から
1 欧州での高齢化と差別問題への取り組み
2 EU指令の評価とADEAとの相異に関する論議
3 年齢差別問題と欧州連合の行方

おわりに――世代間対立を超えて

あとがき