『老いかた道場』
早川 一光 20050210 角川書店・新書,218p.
■早川 一光 20050210 『老いかた道場』,角川書店・新書,218p. SBN-10: 4047041912 ISBN-13: 978-4047041912 [amazon]/[kinokuniya] ※
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わらじ医者の平成の養生訓
「老いる」ことは恥ずかしくありません。ただ、ちょっとしたコツが必要です。老後を楽しく、円満に生きるためのアドバイスとヒントが満載。老いるためのガイドブック登場!
内容(「BOOK」データベースより)
テレビ、ラジオで大評判!「人生最終章」はこう生きなさい!―わらじ医者の平成の養生訓。『老いかた練習帳』実践編。
■目次
第1章 人生の起承転結を知るべし
嫁の悪口に花が咲く
長寿を支える五つの柱
人生の「結」を締めくくる
暮らしつつ生きる
第2章 暮らしのなかで笑いながら老いる
長生きも芸のうち
暮らしつつ老いる
ほか
第3章 病気もボケもどんとこい
病を乗り越える生命力
散らしボケ
ほか
第4章 家で最期を迎える
畳の上で死になさい
「そうどすなあ」
ほか
■引用
「安楽死の通行手形は生き抜く努力
人間は、楽に死ねることはないんです。安楽に死ぬのは、不可能とはいいませんけど、た,いへん難しいことです。それは、人間の体というのは、生きるようにできていますからね。死ぬようにできている部分というのはひとつもありません。たとえ髪の毛一本でも伸びるようにできています。死んでからでも髪の毛は伸びるというくらい、生きるようにできています。
生きているということは、生かさないとするあらゆるカに対して、抵抗するカが働いているということなんです。そこには、葛藤と争い、努力、忍耐とが伴います。ですから、生き▽201 るカを阻止するものは、必ず抵抗、葛藤が起きるはすで、それは苦痛ですから安楽死というのはないと思います。
ただ、ひとつあるのは、その生きていくという苦痛を何回も何回も乗り越えながら、「どんな坂こんな坂、どんな坂こんな坂」と乗り越えながら生き続けてきた人が、最後に本当に楽に死んでいけるんです。そういう人が安楽死への通行手形を握れるんです。「生きて生きて生き抜いた人」というのは、寿命だけじゃなくて、生きるために努力をしてきた人たちなんです。
それともうひとつ、先ほどもいいましたが寿命いっばい生きてきて、だんだん物忘れが進んで、最も親しい人も忘れて、自分の死ぬのもわからない、そういう死に方が安楽死だと思います。
それでも、死は救いの側面があると思います。もう辛抱しなくていいんですから。すべての人が救われる。死は救いなんです。死んではじめて、その人は生きる苦しみに耐えなくていいんだなということになります。死とは、そういうものでず。」(早川[2005:200-201])
■言及
◆立岩 真也 2014/09/01 「早川一光インタビューの後で・1――連載 103」,『現代思想』41-(2014-9):-