『ポストコロニアリズム』
本橋 哲也 20050120 岩波書店,232p.
last update:20150713
■本橋 哲也 20050120 『ポストコロニアリズム』,岩波書店,232p. ISBN-10:400430928X ISBN-13:978-4004309284 800+ [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
植民地主義のすさまじい暴力にさらされてきた人々の視点から西欧近代の歴史をとらえかえし、現在に及ぶその影響について批判的に考察する思想、ポストコロニアリズム。ファノン、サイード、スピヴァクの議論を丹念に紹介しながら、“日本”という場で「植民地主義以後」の課題に向き合うことの意味を考える、最良の入門書。
■目次
第1章 1492年、コロニアルな夜明け
1 コロンブスからの出発
2 いくつもの一四九二年
3 植民地主義――近代のプロジェクト
第2章 「食人種」とは誰のことか―カニバリズムの系譜
1 コロンブス、食人種と出会う?
2 さまざまな「カニバル」たち
3 コロニアリズムの構図
4 「食人鬼」はどちらか――抵抗の兆し
第3章 植民地主義からの脱却―フランツ・ファノンとアルジェリア
1 旅するファノン
2 「人種」との闘い――『黒い皮膚・白い仮面』
3 メディアの再発見――『革命の社会学』
4 革命としての文化――『地に呪われたる者』
コラム1 ジッロ・ポンテコルヴォ『アルジェの戦い』を見る
第4章 「西洋」と「東洋」―エドワード・サイードとパレスチナ
1 石を投げる知識人
2 「東洋人(オリエンタル)」として他者を描くこと――『オリエンタリズム』
3 パレスチナ闘争のなかで
4 対位法のように読む――『文化と帝国主義』
コラム2 ガッサン・カナファーニー『太陽の男たち』を読む
第5章 階級・女性・サバルタン―ガヤトリ・スピヴァクとベンガル
1 〈本質〉を戦略的に使用すること
2 脱構築を生かす
3 「サバルタン」は語ることができるか
4 ポストコロニアル・フェミニズム
5 現在への接近――『ポストコロニアル理性批判』
コラム3 モハッシェタ・デビ『ドラウパディー』を読む
第6章 「日本」にとってポストコロニアリズムとは何か
1 他者からの視点
2 〈歴史〉――新たなる歴史の主体としてのアイヌ
3 〈文学〉――目取真俊『魂込め(まぶいぐみ)』と沖縄
4 〈証言〉――「従軍慰安婦」たちの声
5 日本の脱植民地化の課題
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:奥坊 由起子