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『身体で読むファンタジー――フランケンシュタインからもののけ姫まで』
吉田 純子 編 20041225 人文書院,242p.
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last update:20160928
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■吉田 純子 編 20041225 『身体で読むファンタジー――フランケンシュタインからもののけ姫まで』,人文書院,242p. ISBN-10: 4409240714 ISBN-13: 978-4409240717 2400+
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■内容
(amazonより)
男の空想(メイル・ファンタジー)が女の身体を描きつくすとき、成熟した女の空想が自らの生を語り出す。ファンタジーの作品において、ジェンダー化された身体の表象が描く、男/女の隠れた欲望、不安と夢をあぶり出す。
『フランケンシュタイン』で描出される男の怪物の身体は、起原神話の呪縛下で、女の身体の悪夢を経験したメアリーの代役(ダブル)である。「ゲド戦記」では、象徴的な「子宮」に幽閉された少女が自由をめざし脱出するが、その同じ女性が中年期に、半身に火傷を負った竜人の少女に出会い、自らの「母性」に深くバケツをおろし、少女と自己の再生の水を汲みあげる。『ドラキュラ』の男女の吸血鬼の身体には、作品執筆当時のイギリスの政治・経済・帝国の構造が範例(パラダイム)的に表現されており、彼らの身体はまさに歩く小宇宙でもある。カーター作品『花火』『血染めの部屋と他の物語』で、現代女性は、男女が互いを飢餓のごとく「消費」しあう奈落の底から浮上し、狼や虎の身体に輪廻転生のすえ、自らの身体を変容させ、解放された身体をつくりだす。『もののけ姫』では、そのタイトルにもかかわらず、物語の主体が男の主人公にあり、彼の身体と魂の再生のために「もののけ」状態の女性性が使われる。『エヴァがめざめるとき』で、交通事故にあった少女の身体は、その記憶組織がチンパンジーの身体に移植され、文明と野性の接続面(インターフェース)となる。
■目次
1 「生む性」の悪夢と再生
第1章 フランケンシュタイン・コンプレックス
第2章 アースシーで自ら生まれ変わる
2 モンストラス・フェミニン
第3章 ドラキュラと女たち――汚穢、そして「場」と媒体
第4章 アンジェラ・カーターの怪物たち――破壊者から創造者へ
3 野性と文明のインターフェース
第5章 もののけ姫の汚い、危険な身体
第6章 目ざめればチンパンジー
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:
焦 岩
UP: 20160928
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