『障害者が語る現代人の生きざま――あなたの“いのち”が世界をひらく』
白砂 巌 20041022 明石書店, 251p.
last update:20110610
■白砂 巌 20041022 『障害者が語る現代人の生きざま――あなたの“いのち”が世界をひらく』,明石書店, 251p. ISBN-10:4750319961 ISBN-13:978-4750319964 \1800 [amazon]/[kinokuniya] ※ ds ms w0105
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
五体満足な五体「不満」族。それは誤解や思い込みからはじまった。気づいたときには、自分を“いい”と言えず、自分に誇りをもてず、自信を育む間もなく失っていた。人に依存して、けっして自分からはやろうとせずに、人の“せい”にして生きてきた。自分という殻の中にこもって、こころは自分の“いのち”に背いたまま。あいかわらず虚像を追いかけ、虚像に追いかけられている。こんなとき、あなたは…。
内容(「MARC」データベースより)
「いのちを生かし生かしあう」意識で生きてきた生活を通じて、自分の感覚に降りつもり、わきおこってきた思いや願いの数々を、著者の頭の中に浮かんできた文章の語感、言葉から受ける感じにこだわって綴る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
白砂 巌
1947年山梨県生まれ。1歳4カ月のとき、ポリオによる小児マヒ後遺症で左下半身マヒとなる。1965年10月、左足足関節の固定手術を受ける。1971年12月~1985年ごろまで写植業を営む。1976年~1989年、島田事件・赤堀政夫氏の支援活動に参加。1990年4月、遠藤滋氏と西伊豆松崎町のみかん山を購入、9月から平坦地作りに入る。1991年8月、スイス国連人権委員会での袴田事件のアピールに参加し、ポルトガルに在住した東チモールの人びとの居住区、スペイン・ベンポスタ子ども共和国、オランダなどを訪問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに
第1章 いまの日本、どうなっているのか
1 五体満足な自分を生きる「幸せ」と、いのちを生かし生かしあう「幸せ」
2 政治が悪いっていうけれど
3 天に向かって唾を吐く
4 いのちを生かして生きていますか?
5 戦後五〇年、日本は?日本人は?
6 オウム集団の出現と株式会社「日本」
7 沖縄の軍事基地と米軍
8 ブッシュ(藪)のやぶをつつくといまのアメリカが見えてくる
9 資本主義と社会主義
10 北朝鮮による「拉致被害事件」と「従軍慰安婦」について
11 不安をあおって他人を操ろうとすること
12 最近の日本
13 政治が変わらなくても社会は変わる?
第2章 人(いのち)の誕生をめぐって
1 五体「不満」族だらけの現代人
2 生命の誕生
3 生の営みの偶然で幸運な営み
4 種のゆくえ
5 遺伝子
6 人は生まれ変われるの?
7 本当の自分とは
第3章 自分が自分でなくなるとき
1 良い子と悪い子
2 不安の震源地は「五体満足」にある
3 ありのままの命の否定
4 自己否定の果ては?
5 プラス思考(肯定的選択)と、ありのままのいのちを肯定することの違い
6 障害者に対する表記について
7 高齢者とありのままのいのち
8 被害者であることとありのままに生きるということ
第4章 自律した自我が自分を取り戻す
1 みんながやっている、みんなが言っている
2 仲間が敵になるとき
3 自律について
4 「思っている」
5 「思い込み」あるいは「先入観」について
6 「ハードル」と「先入観」
7 「ありのままのいのちを生かして生きる」にこだわる理由(わけ)
第5章 生と死のはざまにある生きるということ――身近な死の経験から生と死について考える
1 永遠(とわ)の別れに「さよなら」はしたけれど
2 ある夏
3 理不尽な死と怒りの連鎖
4 倉尾くんへ
5 父への手紙
6 死んだほうがマシ?
7 「いのちを大切に」
8 死はいつも隣りにいて生き続けられる幸運
第6章 新しい出会いの中で
1 私が注目する人
2 日木流奈くんへのメッセージ
3 流奈くんへのバッシングについて
4 私が影響を受けた教師たち
5 級友(高校の)への手紙
6 進行性難病の亜也ちゃんへの手紙
7 脳の出血で脳障害になった友人への手紙
8 異性のことで悩むA・Iさんへ
第7章 「死んでもいいいのち」という例外
1 どうして他人を傷つけたり、他人のいのちを奪ってしまうのか?
2 私は、死んでもいい生命(いのち)という例外をもたない
3 死んでもいい「いのち」を認めるのか
4 〈私案〉刑罰の懲罰主義を、与えた損害に対する賠償主義に
第8章 これからの日本をあなたならどう生きる?
1 「五体満足を生きる」世界からの脱却
2 「いのちを生かし生かしあう」世界への出発点
3 あいさつは心の扉を開くシグナル
4 伊豆の山の自然の中で
5 自分の殻をやぶりたい
6 コミュニケーションの再生からコミュニティの再生へ
7 ケアを前提にした共同住宅を創ろうと考えている
8 難関を前に
9 阪神・淡路大震災で考えたこと
10 絵に描いたような現在の共済制度
11 介助をとおした人のネットワーク
12 ではどんなイメージの共同住宅を創るのか?
おわりに
■引用
■書評・紹介
■言及
*更新:樋口 也寸志