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『市場原理が医療を亡ぼす――アメリカの失敗』

李 啓充 20041015 医学書院,268p.

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last update:2016

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李 啓充(Lee, Kaechoong) 20041015 『市場原理が医療を亡ぼす――アメリカの失敗』,医学書院,268p.  ISBN-10:4260127284 ISBN-13:978-4260127288 2100+税  [amazon][kinokuniya] ※ me be

■内容

頻発する株式会社病院の「犯罪」、財力に基づく凄惨な医療差別……。市場原理の下で米国医療はどうゆがめられてきたか。 米国の事例を紹介しつつ、「混合診療解禁」、「医療機関経営への株式会社の参入容認」など、 医療における「ビジネス・チャンスの創出」を目論む市場主義主導の医療改革論議に警鐘を鳴らす。 これを読まずして医療改革は語れない。

■著者略歴

1980年、京都大学医学部卒業。天理よろづ相談所病院内科系ジュニアレジデント、京都大学大学院医学研究科を経て、 1990年よりマサチューセッツ総合病院(ハーバード大学医学部)で骨代謝研究に従事。ハーバード大学医学部助教授を経て、2002年より文筆業に専念。 鋭い医事評論で知られる。 著書に『市場原理に揺れるアメリカの医療』、『アメリカ医療の光と影』(医学書院)、 訳書に『医者が心をひらくとき(上・下)』(ロクサーヌ・K・ヤング編、医学書院)などがある。 大リーグ評論でも知られ、「週刊文春」に『大リーグファン養成コラム』を連載している。米国ボストン在住。

■目次

まえがき

第1部 市場原理の失敗――反面教師としての米国医療
I ウォール・ストリート・メディシン――株式会社病院の「犯罪」
II シンデレラ・メディシン――無保険者残酷物語
III 利害の抵触――コーポレート・グリード(企業の欲望)がゆがめる医療倫理
混合医療厳禁論――私的体験に基づいて(1) クモ膜下出血とニモジピン
IV 神の委員会――公正な医療資源の配分をめざして
混合医療厳禁論――私的体験に基づいて(2) ニモジピンと混合医療解禁論
V 医療過誤――市場と訴訟に基づくシステムの失敗
混合医療厳禁論――私的体験に基づいて(3) ニモジピンが認可されなかった経緯

第2部 医療制度改革がめざすべきもの――銭勘定でない改革論議のススメ
VI 日本の医療費は過剰か?
VII 先送りされる高齢者医療保険制度の改革
VIII 市場原理の導入は日本の医療を救うか?
IX 保険者機能強化は日本の医療を救うか?
X EBMをコスト抑制の具とする滑稽
XI 手がつけられるところから始める医療改革――患者アドボカシー
XII 日本の医療は守れるか?――第一線で活躍する医師との対話

あとがき――ビジネスの論理 vs. 医療の倫理

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■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志 *増補:北村 健太郎
UP:20110925 REV:20160926
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