『思想史のなかの臨床心理学』
實川 幹朗 20041010 講談社,講談社選書メチエ,238p.
last update:20120414
■實川 幹朗 20041010 『思想史のなかの臨床心理学』,講談社,講談社選書メチエ,238p.
ISBN-10: 4062583119 ISBN-13: 978-4062583114 \1575 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容 (←注3)
出版社/著者からの内容紹介
「無意識の発見」は無かった・・・意識が「発明」された! 中世神学からフロイトへ・・・意識と無意識の役回りが逆転。 臨床心理学を産み出したのは、19世紀の「意識革命」であった。意識の絶対視、言葉と意識の結びつきを軸とする理論は、この時代に、歴史の中で初めて産まれた心の捉え方である。「心」と「個人の内面」との同一視も、まだ百年あまりの新しい着想にすぎない。 西洋近代文明の申し子・臨床心理学の「意識」観は、有史以前からの無意識の優位を覆す革命だった・・・・・その根拠はどこに求められるのか。臨床心理学は「心の専門家」による「無意識の科学」なのか、それとも意識をめぐる宗教思想なのか・・・ 「意識の病理に意識を処方する同毒療法」との斬新な視点が、臨床心理学の根本性格を洗い出す。日本人だから書けた西洋思想史。
治療者の魂の次元の問われる臨床心理学を、思想史全体のなかに位置づける初の試み。 単なる解説・年代記ではなく、思想の流れを立体的に再構成。
内容(「BOOK」データベースより)
「心」を「個人の内面」と同一とする発想が生まれた近代。意識の重視、言葉と意識の結びつきへの信頼を軸とする理論は、歴史の中で初めて生まれた心の捉え方であった。西洋近代文明の申し子・臨床心理学の「意識」観が、中世の「認識」観に較べていかに際立つかを検証する。
■目次
プロローグ 臨床心理学の実像を求めて
「無意識を発見」しなかったフロイト
歴史が浅いという奇妙さ
ほか
第1章 「意識の学」としての精神分析
意識すれば治る!は本当か
革命思想から産まれた心理療法
ほか
第2章 意識はどう扱われてきたか
意識は信用がなかった
神学と錬金術と心理学
ほか
第3章 「意識の国」の臨床心理学
派閥が「専門」になる時代
実証主義と「人間教」の関係
ほか
第4章 無意識の宗教としての臨床心理学
臨床心理学誕生の舞台
新しい二元論は「心の囲い込み」
ほか
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:八木 慎一