『講座グローバル化する日本と移民問題 第U期 第5巻 移民をめぐる自治体の政策と社会運動』
駒井 洋 監修・編 20040925 明石書店,330p.
■駒井 洋 監修・編 20040925 『講座グローバル化する日本と移民問題 第U期 第5巻 移民をめぐる自治体の政策と社会運動』,明石書店,330p. ISBN-10:4750319813 ISBN-13:978-4750319810 \4410 [amazon] w0111
■内容
(「BOOK」データベースより)
本書では、移民の集住が進展する自治体の政策を概観するとともに、労働組合、NPO、救援団体、市民活動団体などによる社会運動を整理しながら今後の方向を展望する。
(「MARC」データベースより)
外国人移民の人権を擁護しながら日本をいかに多文化共生社会に転換していくか。移民の集住が進展する自治体の政策を概観すると共に、労働組合、NPO、救援団体、市民活動団体等による社会活動を整理し今後の方向を展望する。
■編者紹介
駒井 洋(こまい・ひろし)
1940年生まれ、大連出身。
1964年東京大学文学部社会学科卒業。
1970年同大学院社会学研究科博士課程修了。
東洋大学社会学部専任講師、筑波大学社会科学系助教授、同教授を経て、2004年より中京女子大学人文学部教授、人文学部長。筑波大学名誉教授。
著書:『外国人労働者定住への道』明石書店、1993年
『移民社会日本の構想』国際書院、1994年
『日本の外国人移民』1999年
編書:『新来・定住外国人がわかる事典』(共編)明石書店、1997年
『超過滞在外国人と在留特別許可』(共編)明石書店、2000年
監修書:『国際社会学叢書・アジア編』(全7巻)国際書院、1993-94年
『講座 外国人定住問題』(全4巻)明石書店、1995-96年
ほか多数
■目次
刊行の趣旨
はじめに
第1章 自治体の政策とNPOの活動の成果と課題(駒井洋)
T 自治体およびNPOと外国人移民
U 地方分権の進展と主体としての市町村久
V 台頭するNPOおよび市民運動
W 外国人労働者の受け皿としてのコミュニティ・ユニオン
第T部 自治体の外国人市民政策
第2章 外国人集住都市浜松における地域共生の取り組み(原田なほみ)
T 国際交流の推進
U 外国人市民の増加
V 外国人市民会議
W 浜松市世界都市化ビジョン
X 外国人集住都市会議
Y 国際地方自治体連合(IULA)への加盟と今後に向けて
第3章 大泉町の外国人市民政策(糸井昌信)
はじめに
T 中小企業の人手不足と「東毛地区雇用安定促進協議会」
U 町行政の対応
V 小中学校の対応
W 大泉国際交流協会とボランティア活動
X 課題と展望
第4章 川崎市の外国人市民政策とNPO(峰岸是雄)
はじめに
T 人間都市創造と伊藤市政
U 地球市民時代と高橋市政
第U部 NPO活動と市民運動
第5章 浜松市におけるNPOの試み(山口祐子)
はじめに
T 浜松NPOネットワークセンターの活動
U 「外国人集住都市会議」のカウンターパートとして
V 自治体のカウンターパートとしてのNGOの今後
第6章 市民による外国人医療支援活動(山口貴司)
はじめに
T 医療保険のない外国人と医療費未払い問題
U 移民による検診会
おわりに
第7章 在留特別許可一斉行動の経過と展望(吉成勝男)
はじめに
T 非正規滞在外国人の状況と人権侵害
U 在留特別許可一斉行動へ
V 社会的な運動の広がり
W 法務大臣の裁決
X 一斉出頭行動の成果と可能性
第8章 移住者の権利を守るネットワーク運動の軌跡と課題
はじめに
T 移住労働者支援団体の結成とアジア人労働者問題懇談会の発足(岡本雅享)
U アジ懇の活動――1987年〜1990年代初め
V 外国人労働者問題フォーラムの開催と拡大
W 移住連の結成
X 移住連結成以降のネットワーク運動の成果と課題
Y 移住者を守る市民活動が目指すもの
第V部 コミュニティ・ユニオンによる労働運動
第9章 外国人労働組合の可能性(小川浩一)
T 外国人労働者の組織化と日本の労働組合
U 外国人労働者の組織化を可能にしたもの
V 組織運営上の問題
W 財政問題
X 組合民主主義
Y 労働組合の国際交流
おわりに
第10章 全統一外国人労働者分会のあゆみと現状(鳥井一平)
はじめに
T この十余年を振り返って
U 中小労働運動と移住労働者
V 課題と展望
W 働く仲間、移住労働者――結びに代えて
終章 外国人労働者「問題」と日本人
T 外国人労働者「問題」という名の日本人「問題」
U 国家による外国人労働者「問題」の把握
V 市民団体・NGOと外国人労働者「問題」
W 日本人の「主体」構成の場としての外国人労働者「問題」
索引
■書評・紹介
■引用
第3章 大泉町の外国人市民政策(糸井昌信)
「 なぜ、ブラジルを始めとした、南米の人たちが増加してきたのだろうか。
平成12年6月の入管法改正当時、この地域の求人倍率は約4倍と高い状況にあった。大企業は全国的に募集活動を展開していて、比較的人材確保は容易に行われていたと思う。しかし、中小企業は急速に発展する技術革新に合わせて、OA化(オフィス・オートメーション化)を進めていたがそれでもよく言われる“きけん”“きたない”“きつい”の3Kイメージが根強く、働き手がいないために倒産してしまうという『労務倒産』という言葉が聞かれるほど、人手不足に苦悩していた。そうした中、中小企業は、この入管法の改正により、日系人に日本での活動に制限がない「定住者」という在留資格が与えられることに着目し、平成元年12月、中小企業約40社で団体を結成した。その団体の名称は、「東毛地区雇用安定促進協議会」である。『東毛』(とうもう)とは群馬県の東部地域を指す。そして、この団体の加盟企業は、ブラジルへ行き情報を集めるなど準備を進め、入管法の改正とともに、日系ブラジル人の直接雇用を始めた。この団体は、来日するブラジル人たちに住宅の用意だけではなく、家財道具や食料品を揃えるなど、雇用する企業間で較差がないように、共通のマニュアルに沿って準備をした。当時の関係者は「来日してから3日間は、外出しなくても生活ができるようにす>73>る」と言っていた。中小企業ということもあり、従業員とは家族的な雰囲気があったように感じる。また事務局に通訳の女性を置き、事務的な手続きから母語での相談にも対応していた。さらに、ブラジル人歌手のコンサートを開催するなど、ハード・ソフト両面のケアに努めていた。「東毛地区雇用安定促進協議会」は、平成11年4月に解散した。解散時の加盟企業数は44社。受け入れた日系ブラジル人は1200人を数える。(参考:『上毛新聞』平成11年3月23日)」(pp.73-74)
■言及
*作成:石田 智恵 追加者: