『ほな、また、来るで――人を看るということ』
早川 一光 20040810 照林社,311p.
■早川 一光 20040810 『ほな、また、来るで――人を看るということ』,照林社,311p. ISBN-10: 479652083X ISBN-13: 978-4796520836 1600+ [amazon]/[kinokuniya] ※
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早川一光医師は、地域医療・生活医療のエキスパート。「ほな、また、来るで」は早川氏のキャッチフレーズで、路地から路地へ、「お~い、元気か」とお家にあがり、「ほな、また、来るで」と声がけして次のお家に向かう往診を、60年近くもの間、京都の地で続けてきた。
京都・西陣で、京都・美山町で実践されてきた医療や看取りの姿を感動的に描く、渾身の医療ドキュメント。 看護専門誌『エキスパートナース』の好評連載、待望の単行本化。
出版社からのコメント
本書は、地域医療・生活医療のエキスパートである京都在住の医師、早川一光氏による、人間ドキュメントです。
タイトルとなっている「ほな、また、来るで」は氏のキャッチフレーズで、路地から路地へ、集落から集落へ、「お~い、元気か」とお家にあがり、「ほな、また、来るで」と声がけして次のお家を訪ねる往診を、60年近くの間、京都の地で続けてきました。
本書には、京都・西陣で、京都・美山町で行われてきた医療と看取りが、そして、患者や家族一人ひとりと向き合い、生涯を医療に捧げた一人の医師の姿が、生き生きと描かれています。
早川氏は、戦後の混乱期に医師となり、西陣織の「織手さん」の診療を行うかたわら、「自分の体は自分で守る。自分たちの暮らしは自分たちで守る」を理念とする住民による「健康会」を組織し、診療所や病院へと発展させてきました。
50年にわたる西陣での医療ののち、無医村の危機にあった京都府北部の山間の町、美山町で、公設民営の診療所を設立、新たな医療に挑戦します。
現在、美山町での医療を後進にゆずり、80歳を前に、京都市内で「わらじ医者・よろず診療所」を開設、京都市内のみならず、全国から、さまざまな医療相談にのっています。
「告知と宣告とは、違うんだ。このおっちゃんにとっては、病気の名前はどっちゃでもええのや。ただな、『あんた、最後まで看てくれるか、つきあってくれるか』と、問われているんや。 最後までつきあう覚悟が、僕たち医療人には必要なんだ。そこや。」(本書より)
さまざまな問題を抱えている医療はこんにち、「開かれた医療」であることが求められています。
開かれた医療とは、医療を医療者のものではなく、患者のものにするということ。つまり、「自分の体は自分で守る。自分たちの暮らしは自分たちで守る」ということ――この言葉を原点とし、80歳を迎えてなお、患者さんとともに新たな挑戦を続ける医師の言葉は、多くの示唆に富んでいます。
■目次
1 仏さま
あっ!死んでる?いや、生きてる!
仏さま
ほか
2 動く診療所
「畑のもん、持っていくかナ」
嵐よ、吹け
ほか
3 病気は社会の責任だ!
「神の国」
気をつけぇー!
ほか
4 八〇歳でこそ、できる医療
孤独死をなくそう
八〇歳でこそ、できる医療
ほか