HOME > BOOK >

『租税原理――課題と改革』

牛嶋 正 20040630 有斐閣,288p.


このHP経由で購入すると寄付されます

牛嶋 正 20040630 『租税原理――課題と改革』,有斐閣,288p. ISBN-10: 4641162166 ISBN-13: 978-4641162167 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

■広告

内容(「BOOK」データベースより)
著者40年に及ぶ租税研究の到達点。税制は経済社会のなかにあって最も基本的な枠組みであり、「公正」「中立」「簡素」という3原則をバランスさせつつ、社会・政治制度や国民意識と適合的な政策展開が求められる。租税原理の徹底した検討・分析を通して、21世紀における最適な税制とそのための制度改革の方向性を提示。

内容(「MARC」データベースより)
税制は経済社会のなかにあって最も基本的な枠組みであり、社会・政治制度や国民意識と適合的な政策展開が求められる。租税原理の徹底した検討・分析を通して、21世紀における最適な税制とそのための制度改革の方向性を提示。


■目次

第1章 租税論の体系と租税原則
 租税論の体系―理論・歴史・政策
 租税理論と租税原則
 ほか
第2章 戦後の租税研究の系譜―戦後租税研究史
 シャウプ税制をめぐる租税論(1950‐59)
 高度成長と所得課税(1960‐73)
 ほか
第3章 税の公平・公正に関する研究
 税の公平に関する思想史
 スミスとミル
 ほか
第4章 税制の変遷と改革
 20世紀の税制―世界の潮流
 日本の税制の変遷―所得課税を中心に
 ほか
第5章 租税論の課題と挑戦
 21世紀における税制改革の背景
 日本経済の5つの課題と税制改革
 ほか

■引用

 「20世紀に入って、税の公平に関する議論はいろいろのアプローチにもとづいて展開されてきたが、この章の各節で見てきたように、いずれの議論も公平な所得税であるためには、所得税は累進課税の構造をとらねばならないという必然性を導き出すことはできなかった。ましてや、累進度の適正水準については、それを導き出す手順さえ見出せなかった。では、なぜ、「所得税は累進課税でなければならない」ときいう考え方がア・プリオリに生まれてきたのか。このことは、所得税が戦費調達の主力として、はじめに臨時税として導入された経緯と関連しているといえる。
 おそらく、戦費調達のために所得税を導入するとき、国としてはできるだけ多くの税収を得て、戦争が国民全体の協力の下に容易に遂行されることを目指したことを考えれば、累進課税の構造をとることはある意味では当然のことでもあった。さらに、産業構造は軍需産業が中心となっていくが、戦費の大部分はそこに集中することから、不当な利益も発生しやすい状況がつくられていったので、それを吸収していくためにも累進課税が導入されたとも考えられる。<0140<その意味では、累進課税は超過課税としての機能も持っていた。」(牛嶋[2004:140-141])


UP:20081110 REV:20090801
牛嶋 正  ◇  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME(http://www.arsvi.com)