『痴呆の哲学――ぼけるのが怖い人のために』
大井 玄 20040615 弘文堂,270p.
■大井 玄 20040615 『痴呆の哲学――ぼけるのが怖い人のために』,弘文堂,270p. ISBN-10: 433500057X ISBN-13: 978-4335000577 1890 [amazon] ※ a06.
■内容(「BOOK」データベースより)
身近な痴呆老人をどのように理解する?痴呆をとおして心を考える、臨床からの哲学。
■内容(「MARC」データベースより)
様々な痴呆の症状を、医療の立場から丁寧に説明し、「心」の問題を臨床の場から考える。痴呆を通して老いを生きるための哲学。
■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大井 玄
1935年生まれ。東京大学医学部医学科卒業。ペンシルバニア大学グラジュエート病院内科助講師、デューク大学医学部血液科フェロー、東京都立衛生研究所副参事研究員など勤務の後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。同大学院労働医学科フェロー、東京大学医学部衛生学助教授、帝京大学公衆衛生学教授、東京大学医学部保健学科成人保健学教授、東京大学大学院医学系研究科国際保健学教授、国立環境研究所所長を経て参与。最近はJICAのチリ国小児リハビリプロジェクトやNGOの依頼でカンボジア保健園児の健康診断など臨床医の立場を維持しながら国際保健、地域医療、終末期医療にかかわってきた。東京大学名誉教授。医学博士。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
T 痴呆はなぜ怖れられるのか
1 ぼけと痴呆、 2 わたしと痴呆老人との出会い、 3 痴呆老人が「精神症状」を現すとき
4 痴呆状態という世界、 5 「純粋痴呆」が生きる文化、 6 競争社会と能力の喪失
7 能力は人間の「クオリティ・オブ・ライフ」を高めるか、 8 「能力」の喪失と「私」
9 痴呆は病気か、老いの表現か、 10 痴呆とつき合う、 11 痴呆になる幸せ
U 痴呆と通して心を考える
1 痴呆と心の変化、 2 痴呆と「純粋経験」、 3 ジェームスの「純粋経験」
4 意識と「意識の流れ」、 5 「辺縁」とつながり、 6 「心」は身体の外にある
7 痴呆老人はなぜ「外面」がよいのか、 8 「わたし」と記憶、見当識、周りの人
9 意識の重層性、 10 ことばと自我、 11 痴呆と「人格」
12 多重人格障害、 13 痴呆と多重人格
V 痴呆とコトバのない世界
1 人は同じ世界を共有できるか、 2 「衰え」を受容する文化、 3 認識と思考の文化差
4 痴呆老人の「適応」とコトバ、 5 「偽会話」の意思疎通、 6 論理は「つながり」を強化するか
7 コトバ以前の宇宙、 8 コトバを超えた世界、 9 コトバを消した世界――瞑想
10 コトバと深層心理――唯識、 11 アーラヤ識と生命維持、 12 「痴呆状態」を生死(しょうじ)する人々