『脳死・臓器移植の本当の話』
小松 美彦 20040602 PHP新書,424p.
last update:20111026
■小松 美彦 20040602 『脳死・臓器移植の本当の話』,PHP新書,424p. ISBN-10:4569626157 ISBN-13:978-4569626154 \998 [amazon]/[kinokuniya] ※ ot p13 c07 pc02
■内容
出版社/著者からの内容紹介
脳死者の臓器提供をめぐる問題に何があるのか? 「臓器移植法」改定を前に、長年の論争の焦点を整理する。生命倫理の本質をえぐった渾身の大作。
「脳死者は臓器摘出時に激痛を感じている可能性がある」「家族の呼びかけに反応することがある」「妊婦であれば出産できる」「19年間生き続けている者もいる」――1997年に「臓器移植法」が成立して以来、日本でも脳死・臓器移植は既成事実となった感が強い。ところが近年、脳死を人の死とする医学的な根本が大きく揺らいでいるのだ! 本書は脳死・臓器移植の問題点を、歴史的、科学的に徹底検証。報道されない真実を白日の下にさらし、「死」とは何か、「人間の尊厳」とは何かをあらためて問い直す。68年に行なわれた和田移植、99年の高知赤十字病院移植の綿密な比較検討から浮かび上がる衝撃の新事実に、読者の目は大きく見開かれることだろう。
読者の道案内役をつとめてくれるのはサン=テグジュペリ作「星の王子さま」。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ」という言葉が問題を解くカギとなる。
内容(「BOOK」データベースより)
脳死者は臓器摘出時に激痛を感じている可能性がある。家族の呼びかけに反応することがある。妊婦であれば出産もできる。一九年間生き続けている者もいる―。一般には知られていない脳死・臓器移植の真実を白日の下にさらし、臓器提供者の側から、「死」とは何か、「人間の尊厳」とは何かをあらためて問い直す。一九九七年に「臓器移植法」が成立して以来、脳死・臓器移植は既成事実となった感が強いが、脳死を人の死とする医学的な根本が大きく揺らいでいるのだ。脳死・臓器移植問題に関する決定版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小松 美彦
1955年、東京阿佐ヶ谷に生まれる。1989年、東京大学大学院理学系研究科・科学史科学基礎論博士課程単位取得。玉川大学文学部助教授などを経て、現在、東京海洋大学(東京水産大学と東京商船大学が2003年に統合)海洋科学部教授。専攻は、科学史・科学論、生命倫理学。現在の死生をめぐる問題を主に歴史的な視点から検討している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき
序章 「星の王子さま」のまなざし
(1)自分の目、自分の心、自分の頭
(2)移植をめぐる二つの番組
(3)マスメディアとマインドコントロール
(4)星の王子さまとの出会い
第二章 脳死・臓器移植の「外がわ」
(1)臓器と組織の交換諸技術
(2)脳死判定と臓器摘出までの経緯
(3)誤解されがちな基本事項の確認
第三章 脳死神話からの解放
(1)「脳死」という言葉のもつれ
(2)意識や感覚はないのか
(3)身動き一つしないのか
(4)遠からず確実に死ぬのか
(5)脳波身体の有機的統合性を統御しているのか
(6)脳死者だけが「機械によって生かされている」のか
(7)なぜ「脳死」と呼ばれるのか
第四章 「脳死=精神の死」という俗説
(1)「滑りやすい坂道」とパーソン論
(2)ある大哲学者の誤解
(3)驚愕すべき学説の登場――シンガーとトゥルオグ
第五章 植物状態の再考
(1)植物状態の患者に意識はないのか
(2)コミュニケーション障害である可能性
(3)遷延性植物状態は永続的・不可逆的なのか
(4)想像の植物状態患者と植物状態患者の想像
第六章 脳死・臓器移植の歴史的現在
(1)和田移植
(2)高知赤十字病院移植
第七章 「臓器移植法」の改定問題
(1)法改定の背景
(2)「町野菜」批判
(3)「森岡・杉本案」批判
(4)「臓器移植法」改定の方位
終章 旅の終わりに
あとがき
主要参考文献一覧
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志