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『脱「開発」へのサブシステンス論――環境を平和学する!・2』

郭 洋春・戸崎 純・横山 正樹 編 200406 法律文化社,219+4p. ISBN:4-589-02758-5 2205


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■郭 洋春・戸崎 純・横山 正樹 編 200406 『脱「開発」へのサブシステンス論――環境を平和学する!・2』,法律文化社,219+4p. ISBN:4-589-02758-5 2205 [amazon][bk1] ※

■内容説明[bk1]
サブシステンスで世界を見ると見えないモノが見えてくる! 近代を形成してきた開発主義の脱却をめざす環境平和学の立場から、新たな分析枠組みと理論を提示する。2002年刊「環境を平和学する!」の続編。

■著者紹介[bk1]
〈郭〉立教大学経済学部教授。
〈戸崎〉東京都立短期大学教授。

■目次
開発主義の近代を問う環境平和学 横山 正樹著 1-15
開発から脱開発の時代へ 郭 洋春著 16-28
環境問題アプローチの批判的検討 安部 竜一郎著 鴫原 敦子著 29-45
ジェンダーと環境 藤岡 美恵子ほか著 46-59
オルタナティブとサブシステンス視座 戸崎 純著 60-71
オルタナティブ諸理論との交差と共鳴 宮寺 卓ほか著 72-89
今日のグローバリゼーションの起源と本質 郭 洋春著 戸崎 純著 90-100
反グローバリゼーションのグローバル化 戸崎 純著 鶴田 雅英著 101-113
環境破壊に対抗する「グローカル・ネットワーク」とサブシステンス 栗田 英幸著 114-127
地域自立の社会システムとサブシステンス 郭 洋春ほか著 128-144
「核による安全保障」とサブシステンス 竹峰 誠一郎著 145-163
国家安全保障からサブシステンスの安全保障へ 蓮井 誠一郎著 164-181
近代世界システムを越えて 宮寺 卓著 182-194
サブシステンス志向の世界像 戸崎 純著 195-208

■引用
 「自然的な過程ないし約束された状況の出現を思わせるこの用語が、人びとの伝統的な生活環境を破壊するダム建設や森林伐採そして、工業化を不可避と印象づけるために意図的に誤用された。
 既存のものを破壊して、そこに別のものを作りあげる過程にdevelopmentとあてるのは間違った用法だ。ところが、それを開発/発展とよぶことにより、それが人間の選択に基づく恣意的な行為で、それを行わないこともまた可能なのだという事実を覆い隠す効果を生む。
 開発の名のもとに破壊が正当化され、開発の構造的な暴力性が隠蔽されて、開発を国際社会の基本的な優先目標とするイデオロギー=開発主義がこれまで広く流布されてきた。間違った開発概念がほとんどの人びとの意識下にまで浸透して思考の前提に居座り、ついに「開発パラダイム」が確立された。この呪縛は深く、強固に私たちを支配している。相当の意識的努力ないし「格闘」を経なければ、そこから解放されることはまずない。
 そこで当面は開発/発展という用語を使わずに物事を観察・検討し、判断してみることを私は提案している。それが「開発パラダイム」を相対化し、開発主義から脱却するための第一歩となろう。」(p.8)


UP:20040827
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