『リベラル・デモクラシーの政治文化―政治社会の理念と現実』
萬田 悦生 20040515 ナカニシヤ出版,215p.
last update:20110405
■萬田 悦生 20040515 『リベラル・デモクラシーの政治文化―政治社会の理念と現実』,ナカニシヤ出版,215p. ISBN-10:4888488517 ISBN-13:978-4888488518 \2100 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
先進欧米諸国の実態の中に、歴史・伝統・文化との関わりを通してリベラル・デモクラシーの価値を分析し、さらにその将来と問題点を平易に説いた入門編。
内容(「MARC」データベースより)
先進欧米諸国の実態の中に、歴史・伝統・文化との関わりを通してリベラル・デモクラシーの価値を分析し、さらにその将来と問題点を平易に説いた入門編。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
万田 悦生
1940年生まれ。慶応義塾大学大学院博士課程修了。京都外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき
第1章 リベラル・デモクラシーの理念と問題点
1 第二次世界大戦後の政治理念
共産主義の崩壊
虚偽意識
多元主義
ネオ・コーポラティズム
2 リベラル・デモクラシーの政治原理
法の支配の理論
正義の二原理
現代リベラリズムの意義と問題点
格差原理の問題点
3 政治と市場
市場経済とは無計画経済であるという批判
市場経済は弱肉強食をもたらすという批判
市場には共同目的がないという批判
市場の道徳
4 社会主義と市場
旧来の社会民主主義
現代の社会民主主義
マルクス主義と市場経済
社会主義市場経済の問題点
社会主義と市場道徳
5 権利の実現と国家の機能
人間のあり方と権利
自由権と福祉権
自由権の優先性
6 国家主権の役割
主権の概念
無制限な主権と制限された主権
リベラリズムと主権
7 人間と権力
ホッブズの権力論
実態としての権力と関係としての権力
二つの権力の捉え方
影響力と権力
第2章 アメリカの対外政策とリベラル・デモクラシーの役割
1 はじめに
2 孤立主義とは
告別演説
欧州と孤立主義
膨張行動と孤立主義
理念による膨張
3 孤立主義とリベラル・デモクラシー
東部13州
「代表なくして課税なし」
独立戦争
「独立宣言」
アメリカにズム
4 孤立主義の限界
無料の安全神話
第一次世界大戦と孤立主義
アメリカの参戦
5 孤立主義の転換
第二次世界大戦の勃発
アメリカの「中立」
ローズヴェルトとウィルソン
積極的な中立
変化するアメリカ世論
欧州危機
民主主義の兵器廟
戦争の「イデオロギー化」
植民地主義と人権主義
中国神話
大西洋憲章
パールハーバー
第3章 イギリス政治における伝統と革新
1 イギリスの政治文化の特質
継続的歴史発展
慣習の尊重
実際的性格
自由の保持
2 イギリス憲法の特徴
イギリスの憲法の法源
ウェストミンスター・モデル
国会主義
君主の役割
3 イギリスと欧州連合
イギリスと欧州共同体
統合の深化とイギリス
イギリスの国家主義
欧州連合における主権の問題
4 戦後イギリスの政党と合意の政治
合意の政治
保守・労働両党の対立
合意の政治の捉え方
5 サッチャーと保守党
サッチャーの基本姿勢
サッチャーの政策
法の支配の確立
サッチャー主義の位置づけ
6 ブレアと労働党
労働党と改革
ニュー・レイバーとオールド・レイバー
ニュー・レイバーとサッチャー主義
かかわり合いを持つ社会
第4章 ドイツの分断と再統一
1 はじめに
2 東西ドイツ分裂過程
連合国管理理事会と冷戦の開始
米英仏ソ占領地区での通貨改革
ベルリン封鎖とその帰結
3 ドイツ連邦共和国の成立と主権回復
経済統合地帯の成立
フランクフルト文書の手交と基本法の起草
ドイツ連邦共和国の成立
アデナウアーの西側統合路線
制限された主権回復過程
4 反ファシズム・民主主義国家としてのドイツ民主共和国の成立
ドイツ社会主義統一党の創立
民主共和国憲法制定への過程
ドイツ民主共和国成立とウルブリヒト体制
5 「ベルリンの壁」構築への過程
共和国滅亡
東ベルリンでの労働者蜂起
フルシチョフの「最後通告」と第二次ベルリン危機
デタントによる米ソ首脳会議
ベルリンの壁の構築
6 「ベルリンの壁」の崩壊―おわりに代えて―
社会主義国家としての東ドイツ
ブラントの東方外交
「ドイツ民族の一体性」の否定と沈殿した国民の不満
共和国逃亡の第三波
民主化要求デモ(東ドイツ革命)と「壁」の崩壊
第5章 ヨーロッパのなかの現代フランス
1 フランスと東西ドイツの統一
西独主導による統一
統一による周辺国への影響
フランスとの協調による統一
2 フランソワ・ミッテランの社会主義
社会主義とその結果
コアビタスィオンと現実主義
ミッテランの残したもの
3 フランス指導のEC成立事情―シューマンとモネの計画―
パン・ヨーロッパ主義の顕揚
フランスによってのドイツ問題
石炭・鉄鋼共同体の基本構想
ヨーロッパの「共同体」を支える理念
4 フランスのリベラル民主主義とイスラム・スカーフ事件
リベラル民主主義の行方
フランス人の「権利」の観念
イスラム教徒のスカーフ禁止事件
歴史の産物であるフランス的自由
5 フランスにおける「移民問題」
移民問題と国家のアイデンティティ
移民と失業問題
イスラム圏移民に反撥する市民の極右勢力への共感
第6章 「強い国家」を模索するロシア
1 ペレストロイカとソ連の崩壊
民主化路線
政治改革の断行
ナショナリズムの台頭
2 エリツィン時代のロシア
二重権力状況
地域勢力の台頭
民主主義の危機
3 プーチン時代のロシア
「強い国家」をめざして
ロシアと世界
日本とロシア
あとがき
人名索引
事項索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志