「カルチュラル・タイフーン2003 in WASEDA」には400人を超える人たちが参加し、熱い議論が交わされた。それは、分野の異なる研究者がアクチュアルな問題設定の水準で対話を重ね、新たな思考の回路を紡ぎ出そうとするカルチュラル・スタディーズのポテンシャルと国際的な広がりを示すものだった。30歳前後の気鋭の研究者の報告を収録した本書は、都市の記憶と再編の政治学、政治的身体と権力、ハイブリッド・カルチャーの実践、メディア・リアリティのアルケオロジーなど、カルチュラル・スタディーズの今後の力強い展開を予感させる。