『“物語”の廃墟から――高橋哲哉対話・時評集1995‐2004』

90年代半ばから現在にいたる日本社会の急激な変動をどう読むか？ 「ショアー」、戦争・戦後責任、歴史修正主義、日本軍「慰安婦」、薬害エイズ、〈9・11〉、靖国、有事法制、憲法・教育基本法改悪…。状況と対峙し、日本の最深部を問う気鋭の論者たちとの対話。第2部に時評・エッセイ17篇を収録する。

高橋順一、岩崎稔、大越愛子、川田竜平、鵜飼哲ら8人との、90年代半ばから現在にいたる日本社会の急激な変動をめぐる対話に加え、靖国神社参拝問題、憲法・教育基本法改悪等を論じた時評・エッセイを収録する。

I

戦争の記憶をめぐって（1995.11.17）（高橋順一）

「物語」の廃墟から（1997.5.30）（岩崎稔）

ジェンダーと戦争責任（1997.7.5）（大越愛子）

責任不在社会をどう変えるか――薬害エイズと戦争責任（1999.9.15）（川田龍平）

和解の政治学（2000.9.22）（鵜飼哲）

「女性国際戦犯法廷」が裁いたもの（2000.12.18）（ノーマ・フィールド）

私たちは平和主義を捨てるのか――「有事法制」に反対する（2002.4.17）（水島朝穂）

これは「国民精神改造運動」だ――教育基本法「改正」と『心のノート』（2003.2.12）（三宅晶子）

II

戦死者の哀悼をめぐって（1998.12.21）

戦争に向きあう責任（上）――天皇と国民の免責「国体」問う沖縄戦の記憶（2000.8.17）

戦争に向きあう責任（下）――加害も被害も拒否　東アジアの脱軍事化へ（2000.8.18）

人道の罪を問う「人々の連帯」――女性国際戦犯法廷の意味(2000.12.14)

危うさが漂う「空気」と「勢い」(2001.7/11)

各国で進む「過去の克服」(2001.7.12)

二十一世紀最初の八月十五日に寄せて(2002.8.15)

『断絶の世紀　証言の時代』韓国語版に寄せて(2002.1.28)

厳寒の中国・長春に大日本帝国支配の虚しさをみる(2002.8.16)

靖国とは何か――犠牲正当化する追悼施設(2002.8.16)

植民地支配の責任を――今こそ問われる歴史認識(2002.11.9)

平和憲法をもつこの国で（上）――「国を守る」に批判の目を　捨て石にされた沖縄の教訓(2003.7.2)

平和憲法をもつこの国で（下）――教育基本法「改正」の危険性　問われる大戦で得た教訓(2003.7.3)

戦争主体として立ち上がる日本(2003.8.11)

教育基本法「改正」の動き――民主的内容の尊重第一に(2003.9.18)

日本人外交官殺害――イラク戦争を指示した政府の責任重大(2003.12.2)

戦争容認の「心」つくる教育基本法「改正」(2004.2.3)

あとがき

初出一覧