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『介護の国際化——異国で迎える老後』

三浦 博光 20040310 学苑社,211p.


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■三浦 博光 20040310 『介護の国際化——異国で迎える老後』,学苑社,211p. ISBN-10:4761404027 ISBN-13:9784761404024  \2800 [amazon][kinokuniya] ※ a02

■内容
高齢化は日本に限らず先進諸国において大きな社会問題であり、福祉・介護の制度の見直しが余儀なくされている。さらに国際結婚や移住に伴い生まれ育った母国を離れ、異国で老後を迎える人も今や珍しくない時代となった。本書は、介護福祉士の養成に長く携わってきた著者が、日本の介護福祉士制度のモデルとなったドイツの介護福祉の現場を綿密に視察・調査した結果を日本の現状との比較を中心にまとめ、今後介護の世界にも必要となるであろう、「国際化の視点」つまり異国で老後を迎える人にどのような福祉サービスを提供していったらよいのか、その具体的な対処の仕方について提示していこうと試みたものである。

■目次
はじめに

第1部 高齢者介護の実態―日本とドイツの場合―
   第1章 日本の高齢者介護の実態
      1.急激な高齢化減少
      2.家族による介護という日本の伝統の破綻
      3.新しい介護福祉の場―特別養護老人ホーム―
      4.高齢者福祉サービスの中核―介護保険―
        (1)介護保険制度とは?
        (2)介護保険制度による福祉サービスの満足度
                ―利用者アンケート調査を通じて―

   第2章 ドイツの実態
      1.高齢者をめぐる社会の動向
      2.家族が介護をする理由―施設に対する偏見の陰で―
      3.高齢者に対する福祉サービス
        (1)福祉施設サービス
        (2)外国人高齢者に対する施設サービス
                ―トルコ人高齢者対象の特別養護老人ホームの実態―
        (3)在宅福祉サービスの柱―介護保険―
      4.日本と比べドイツの高齢者介護が先進である点
                ―外国人の高齢者に対する福祉政策

第2部 介護に必要とされるマンパワー―日本とドイツを比較して―
   第3章 介護に必要なマンパワーの養成―日本編―
      1.介護福祉養成施設の全体動向
      2.介護福祉養成教育の現状と課題
      3.介護実習と介護福祉養成校の課題

   第4章 介護福祉養成校(山口県)の学生たちの介護に対する思いとは?
      1.山田あかねさん(24歳)の場合―介護される祖父の姿の影響―
      2.上原武さん(28歳)の場合―様々な職業経験の転職とのめぐりあい―
      3.船津幸美さん(35歳)の場合―高齢者の笑顔がみてみたい―
      4.寺本良巳さん(37歳)の場合―前職で出会ったたくさんの高齢者―
      5.永住充至さん(27歳)の場合―介護実習を通じて―
      6.事例を通してわかること―人生を振り返る中での気づき―

   第5章 介護に必要なマンパワーの養成―ドイツ編―
      1.老人介護養成の成立の社会的背景
      2.老人介護養成教育

   第6章 日本とドイツの介護福祉養成校の学生たちの介護に対する意識の比較
      1.調査の概要
      2.調査結果及び考察
      3.全体的考察

   第7章 日本とドイツの高齢者福祉施設(特別養護老人ホーム)介護者の介護に対する意識比較
      1.調査の概要
      2.調査結果及び考察
      3.全体的考察

第3部 異国に住む日本人、日本に住む外国人の老後問題
   第8章 異国における外国人高齢者にまつわる諸問題
      1.異国における外国人高齢者介護の重要性
      2.異国に住む日本人高齢者
        (1)ブラジルに住む日本人―忘れられない日本食―
        (2)アメリカに住む日本人
               ―日系人高齢者を対象とした施設の運営上の問題―
        (3)カナダに住む日本人―高齢者を支援する「隣組」―

   第9章 ドイツで老後を迎える日本人
      1.小田智子さん(84歳)の場合―74歳からのドイツ生活
      2.中田恵子さん(64歳)の場合―「ミュンヘン友の会」の活動に参加して―
      3.田中洋子さん(51歳)の場合―ホスピス活動のきっかけ―
      4.柴田孝次さん(47歳)の場合―ドイツ人の妻とともに―
      5.佐々木悟士さん(76歳)の場合―日本人教会の牧師として―
      6.事例を通してわかること―捨てがたい日本の文化や習慣―
      7.日本人の老後を支える「ミュンヘン友の会」

   第10章 ドイツで老後を迎える日本人の生活意識
      1.調査の概要
      2.調査結果及び考察
      3.全体的考察
      4.ドイツで老後を迎える日本人の本音は―自由記述を通して―

   第11章 日本で老後を迎える外国人
      1.クラウディア シュミットさん(仮名、ドイツ人86歳)の場合
                                ―自由な老後生活―
      2.中山マーガレットさん(仮名、ドイツ人45歳)の場合
                              ―国際結婚による危機―
      3.メアリー アダムスさん(仮名、アメリカ人55歳)の場合
                        ―土地に執着しないアメリカ人気質―
      4.在日韓国人の高齢者の場合
        (1)高木誠さん(仮名72歳)―異文化のアイデンティティの重み―
        (2)岡本正さん(仮名74歳)―年金問題―
        (3)高田武さん(仮名76歳)―不安定な経済的生活―

   第12章 今後の展望―介護にも必要な国際化の視点―
      1.異文化を尊重した高齢者介護を目指して
        (1)食事の問題―欠かせない母国の食習慣―
        (2)言語のバリアー
        (3)余暇活動の充実が課題
        (4)基本的生活の保障―経済的保障と医療保障―
        (5)自分が死んだ後のこと
      2.介護に必要なマンパワーの養成
        (1)教育カリキュラムにも求められる国際化の視点
        (2)海外研修体験―海外に行く、海外からの研修生を受け入れる―
      3.異国で老後を過ごす高齢者への福祉活動

おわりに

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:本岡 大和 
UP:20090225 
介助・介護  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
 
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