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『マックス・ヴェーバーの方法論的合理主義』

矢野 善郎 20031230 創文社,260p.

last update:20110124

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■矢野 善郎 20031230 『マックス・ヴェーバーの方法論的合理主義』,創文社,260p. ISBN-10:4423800284 ISBN-13:978-4423800287 \5500 [amazon][kinokuniya] wm06 ※

■内容


内容(「BOOK」データベースより)
「私たちは、論争相手の意見についてはもちろん、自分自身の意見についてすら、いやと言うほどしょっちゅう、誤解している。」ヴェーバーはこう述べつつ、我々が、「なぜ一致しあえないのか」を認識するために、“価値討議”という実践的な討議像を提唱した。本書は、晩年に結実したその“方法論的合理主義”を精密に検討し直し、その背景にこうした討議像が置かれていたことを明らかにする。それを通して、「合理化=近代化・脱呪術化」と見る文化的バイアスを乗り越える。“合理化”の比較文化・歴史的な方法論としてヴェーバー社会学を再生し、“合理的であること”そのものが人間社会に与える影響について理論的に探究する。

内容(「MARC」データベースより)
晩年に結実した方法論的合理主義。「合理化=近代化・脱呪術化」と見る文化的バイアスを乗り越える、合理化の比較文化・歴史的な方法論としてその社会学を再生し、合理的であることが人間社会に与える影響について探究する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
矢野 善郎
1968年兵庫県生まれ。1991年東京大学文学部卒業(社会学専修)。1993年東京大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学専攻)。1996年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学(社会学専攻)。1996‐2003東京大学助手(大学院人文社会系研究科・文学部)。2000年博士(社会学)。2003年‐中央大学専任講師(文学部社会学科)。専門は理論社会学、社会思想、討論・ディベート教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次


凡例

第一章 問い:社会科学・歴史科学と〈合理性〉
 1.1 ヴェーバー研究と社会科学
  1.1.1 ヴェーバー「合理化論」の根本的転回
  1.1.2 ペシミスト・ヴェーバーの転換
 1.2 歴史家学・比較文化方法論における〈合理性〉問題
  1.2.1 オリエンタリズム批判
  1.2.2 社会科学の「客観性」批判
 1.3 社会理論における〈合理性〉問題
  1.3.1 英米系の公共哲学における「合理性論争」
  1.3.2 ハーバーマスのコミュニケーション的合理主義
  1.3.3 本書の構成

第二章 方法論的合理主義の分析枠組―予備規定
 2.1 〈合理的構成〉
  2.1.1 認識の出発点としての〈合理的構成〉
  2.1.2 〈合理的〉に構成された理念型の三つの機能
  2.1.3 認識の手段としての〈合理的構成〉
 2.2 多方向な〈合理〉概念群
  2.2.1 〈合理的であること〉の遍在的影響力
  2.2.2 一般概念としての〈合理化〉―〈合理化〉の局所性
  2.2.3 認識の対象としての〈合理化〉・〈合理主義〉
 2.3 二重の方法論的合理主義
  2.3.1 〈合理的であること〉の作用への認識関心
  2.3.2 ヴェーバー自身による〈合理的構成〉の例
  2.3.3 合理的再構成
 
第三章 方法論的合理主義の内的展開と外的受容
 3.1 「合理化」・「合理主義」をめぐる解釈の四種類
  3.1.1 「合理化」・「合理主義」を一方的・特殊的にとらえる解釈
  3.1.2 「合理化」・「合理主義」を一方的・普遍的にとらえる解釈
  3.1.3 「合理化」・「合理主義」を多方向的・特殊的にとらえる解釈
  3.1.4 「合理化」・「合理主義」を多方向的・遍在的にとらえる解釈
 3.2 「合理化」の諸解釈類型の妥当性
  3.2.1 第一・第二の類型の問題点
  3.2.2 第三の類型の問題点
  3.2.3 〈価値自由〉な概念としての主観的「合理化」
 3.3 〈合理化〉論の内的展開とその未完成性
  3.3.1 方法論的合理主義の展開過程―二つの展開点
  3.3.2 〈合理化〉・〈合理主義〉論の未完成性

第四章 歴史認識としての方法論的合理主義
 4.1 方法論的合理主義の分析シェーマの再定式
  4.1.1 〈合理的構成〉と多方向的〈合理化〉論のアポリア
  4.1.2 三段階の拡張分析シェーマ
  4.1.3 分析シェーマの例証―「法社会学」を例に
 4.2 〈合理的であること〉の諸類型
  4.2.1 法的思考の三つの〈合理化〉
  4.2.2 〈形式合理性〉と〈実質合理性〉
  4.2.3 〈理論的合理主義〉と〈実践的合理主義〉
 4.3 宗教社会学における〈合理化〉
  4.3.1 〈宗教の合理化〉と〈呪術の合理化〉
  4.3.2 局所的〈合理化〉としての近代的〈合理主義〉
  4.3.3 宗教における〈合理的〉要素―W.ジェームズ批判

第五章 文化比較のための方法論的合理主義
 5.1 〈理解的説明〉の方法
  5.1.1 〈理解〉と「説明」
  5.1.2 ヤスパースの『精神病理学総論』
  5.1.3 ヴェーバーの具体的研究と〈理解〉
  5.1.4 価値分析と価値関係
 5.2 ヴェーバーの「科学社会学」
  5.2.1 「倫理論文」(1905-1905年・1920年)
  5.2.2 「儒教と道教」(1915年・1920年)
  5.2.3 「ヒンドゥー教と仏教」(1916-1917年)
  5.2.4 「古代ユダヤ教」(1917-1919年)
 5.3 ヴェーバーの「科学像」の展開過程
  5.3.1 1915年頃からの「科学」についての問題関心のかたまり
  5.3.2 「科学」・「合理化」・「討議」を相対化する視座の展開
  5.3.3 知識による救済追求を行う「科学」と西洋近代科学との峻別
  5.3.4 西洋近代科学の起源

第六章 社会理論としての方法論的合理主義―ヴェーバーの〈価値討議〉論
 6.1 社会科学の〈成果〉
  6.1.1 認識の手段としての「法則」・「規則」
  6.1.2 認識の「討議的な本質」と〈成果〉規準
  6.1.3 ヴェーバー「認識論」のプラグマティックな性格
  6.1.4 文化意義認識の〈成果〉
 6.2 ヴェーバーの〈価値討議〉論
  6.2.1 〈価値討議〉の意味
  6.2.2 〈価値討議〉と「コンセンサス」
  6.2.3 〈価値討議〉の根拠―ヴェーバーの根本認識
  6.2.4 〈価値討議〉の構造
 6.3 方法論的合理主義と〈価値討議〉
  6.3.1 〈価値討議〉と〈価値自由〉
  6.3.2 〈理解社会学〉と〈価値討議〉
  6.3.3 〈価値討議〉から社会科学への寄与

第七章 ヴェーバーの同時代批判―「神々の闘争」論
 7.1 「近代科学」と「近代人」
  7.1.1 ヴェーバーの近代科学の尖鋭化
  7.1.2 「日々の要求」―近代的「人格」像へのヴェーバーの評価
  7.1.3 「近代科学」への〈評価〉
 7.2 「神々の闘争」と「日常」―ヴェーバーの同時代批判
  7.2.1 「職業としての科学」(1917年)における「神々の闘争」
  7.2.2 「神々の闘争」と「日常」
  7.2.3 「日常」と「決断」―「価値自由論文」と対照した解釈の必要性
  7.2.4 「神々の闘争」から遠い「日常」としての現代
 7.3 方法論的合理主義と「決断」
  7.3.1 ヴェーバー社会理論と「決断主義」
  7.3.2 方法論的合理主義の潜在力
  7.3.3 方法論的合理主義に基づく〈価値討議〉的社会


あとがき
文献一覧
索引

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:樋口 也寸志
UP:20110124 REV:
Weber, Max  ◇身体×世界:関連書籍 2000-2004  ◇BOOK
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