『老い方練習帳』
早川 一光 20031010 角川書店・新書,203p.
■早川 一光 20031010 『老い方練習帳』,角川書店・新書,203p. ISBN-10: 4047041475 ISBN-13: 978-4047041479 [amazon]/[kinokuniya] ※
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清々しい老人生活のすすめ
高齢化社会は快適に生きる。病気も人生も、なんら恐くない。年をとるためのコツと満足の老人生活を草鞋医者がやさしく教えてくれるアドバイス書。
内容(「BOOK」データベースより)
100歳長寿2万人突破!いきいき老いるためのヒント京のカリスマ医師の名説法!人間は年を加えれば加えるほど、人間としての質の価値がでてくるものです。老いは衰ではなく、熟であることを証明しようではありませんか。自分の価値を自らつくり出し、保つことが老いをいきいき生き抜く秘訣です。
■引用
「老い」への予習
練習1 いきいき生きて老いる
老いることを恐れない
生かされている喜びを知る
ほか
練習2 ボケを寄せつけない
“複病息災”という老い方
ボケを先に延ばす老い方
ほか
練習3 ボケさせない介護
介護されるための心がまえ
お年寄りをボケさせない家族
ほか
練習4 自分らしい死に方
寿命いっぱい生き抜いて
安らかな最期を迎えるために
ほか
■引用
「▽185 B死を見事に演じきる
自分の生き死には自分で決める
医学は、死と徹底的に戦うために生まれてきました。だから、医者の私たちにとっては、死は敗北だと言いました。みなさんを死なせてはいけないのです。失敗なのです。
「なんとしくでも!」と手にツバをして、腕によりをかけて頑張りますが、いつの頃からか、〈ちよっと変だ〉と戸惑うようになりました。
どんなに努力しても、最終的には死を防げないのです。ただ、生を延ばすだけの作業になりがちなのです。延ばす私はいいですよ。それが仕事なのですから。しかし、延ばされるみなさんは〈本当にこれでいいのだろうか〉とふと考えこむはすです。
白い壁に囲まれて、白いカーテンのなかで、四肢に点滴の針な四方から刺され、ロには酸素吸入の管を差しこまれて、ものも言えす、首も重かせず、ただまばたきだけで意志を伝え、まわりには私たち医療者だけです。家族に言い残す術もなく、心だけ残して息を引き取るような別れ方を見ていると、これでいいのかなと考えこみます。
▽186 もちちろん、家族の方たちから「先生、ご苦労様でした。最高の治療、手立をしてくださいまして」とお礼な言われ、また、家族の方たちも「できるだけのことをしたのだから、心残りはない」と申されますが、息を引き取っていく方の心は残らなかったのかなあという思いに沈みまず。
死は、医者の手だけに任せるものではありません。。自分の命は、自分だけのものなのです。医者のものでも、家族のものでもありません。私も、全力をあげてかかわりますよ。大いにかかわっていきますが、一切な「よしなに」とまかされた覚えはありません。医師といえども、一人ひとりの命の与奪権をもっているわけではありません。
そう、自分の死に方は自分で決めるのです。
[…]
死を迎えるまでに決めておくこと
[…]
わが家の畳の上で死ぬ
[…]▽192 […]
延命措置を受けるのか受けないのか
第三に〈がん告知〉についてです。「がんだったらがんと言ってほしい」とか「言わないでほしい」など、元気な間にきちんと決めておきましょう。
[…]
第四は、〈どこまで生きたいか〉ということです。もうどうすることもできないとわかったとき、これ以上、延命(命をいつまでもつなぐ)の手立てを一切しないのか、逆に、できるかぎりのことをするのか、自分の体と命について、しっかりとその方針を決めておいください。
みなさん、普段は簡単に「先生、だめなときは、もうなんにもしないでください」とよく言いますが、いざというときになると、決断するのはなかなか難しいことです。一瞬、一瞬の息の苦しさに、耐えられない痛みに、そして、迫りくる死の不安感に、みなさん、一つずつ対処していかなくてはならないのですから。」(早川[185-193])