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『プチ生活保護のススメ』

大田 のりこ 20030820 クラブハウス,229p. 1260


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■大田 のりこ 20030820 『プチ生活保護のススメ』,クラブハウス,229p.
   ISBN:4906496318 ISBN-13: 978-4906496310 1260 [amazon] b i03j

■内容(「BOOK」データベースより)
短期間・不足分のみの受給もOK!ハリポタ作者も使った「プチ生活保護」利用術。「国民最後のセーフティネット」はじめての活用マニュアル。

■内容(「MARC」データベースより)
一時的に利用したい、最低生活費に足りない分だけ助けてほしいといった、いわば「プチ生活保護」の利用について紹介。国民最後のセーフティネットはじめての活用マニュアル。

■出版社 クラブハウス, 2003/07/29
国民的活用マニュアル登場!
●「銀行ばっかり助けてないで、我が家にも公的資金を!」
行政側がなるべくなら教えたくなかった「生活保護」の実態と、その「利用術」について 詳細にわかりやすく解説したはじめての「生活保護受給マニュアル」の登場! 制度運用の問題点についても鋭く言及した、行政、マスコミ、潜在的受給希望800万世帯関係者必読の1冊。

●「生活保護」の受給資格は、ただ「最大限の努力をし、持てる能力を全て活用し、それでも最低生活費以上の金額を得られず困窮している」ということだけ。
人は誰でも、病気や障害、失業して収入が無くなったり、働いていても収入が少なくて生活に困る場合があります。そのような時に、国が生存権に基づく最低限度の生活を保障し、自分の力で生活していけるようになるまで援助する制度が、本書で紹介している最後にして最強のセーフティネット「生活保護」制度です。

●「このままでは暮らしていけない」全ての人に!
・生活資金が無い・収入が低い無収入・失業、無職・病気・離婚・母子家庭・自己破産
・家賃滞納・税金、年金、健保の滞納・就職が無い・国民年金加入者・老後不安
・介護ができない・親を養えない・借金苦・親族、友人、知人の経済的ピンチ

●有名なハリーポッター作者、ケンタッキーおじさん、寺山修司のように、一時的に利用しその後成功をおさめた人も多い。本書では「最低生活費に足りない分だけ国に助けてもらう」といった、いわば「プチ生活保護」的な利用術を提唱している。

今までほとんど知られていませんでしたが、国民年金暮しのお年寄りで、年金額が政府の定めた最低生活費に満たない場合なども、他に利用できる資産や貯金や、援助できる家族がいなければ、生活保護を受けて年金と最低生活費との差額を受給することもできるのです。
それなのに生活保護を利用している人が少なかったのは、今まで「生活保護」がアンタッチャブルな制度のように隠匿され、存在そのものに関心を持つ人が少なかった上に、申請するために必要な知識やノウハウがなく、相談に行っても、多くの人が申請書すらもらえなかったからなのです。
「もうだめだ」という時、セーフティネットの上に落ちるか、こぼれて地面に叩きつけられるか・・・。
福祉もお役所の仕事です。規定の要件を研究し、「受け止めてもらう」ための努力も必要とされる時代になっています。

■著者 大田 のりこ, 2003/07/28
お金のことで、死ぬことはないよ!
今までほとんど知られていませんでしたが、国民年金暮しのお年寄りで、年金額が政府の定めた最低生活費に満たない場合なども、他に利用できる資産や貯金や、援助できる家族がいなければ、生活保護を受けて年金と最低生活費との差額を受給することもできるのです。
それなのに生活保護を利用している人が少なかったのは、今まで「生活保護」がアンタッチャブルな制度のように隠匿され、存在そのものに関心を持つ人が少なかった上に、申請するために必要な知識やノウハウがなく、相談に行っても、多くの人が申請書すらもらえなかったからなのです。
「もうだめだ」という時、セーフティネットの上に落ちるか、こぼれて地面に叩きつけられるか・・・。
福祉もお役所の仕事です。規定の要件を研究し、! 「受け止めてもらう」ための努力も必要とされる時代になっています。

■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
◆大田 のりこ
早稲田大学卒後、出版会社、化粧品メーカー開発担当を経て、出産を期に退社。現在、フリーエディター
◆大山 典宏
大学で政策科学研究科を専攻、卒業後公務員に。健康福祉部福祉課生活援護係のケースワーカーとして福祉の最前線に立つ。2001年、インターネットサイト「生活保護110番」をスタート。現在は児童相談所の児童福祉司として、子どもの虐待問題に取り組んでいる。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

イントロダクション

第1章 生活保護ってなに?
第2章 自分だったらいくらくらい貰えるの?
第3章 相談と申請について
第4章 受給後の生活
第5章 生活保護Q&A
    ・申請について
    ・稼働能力について
    ・資産について
    ・扶養義務について
    ・他法の活用について
    ・世帯について
    ・住居について
    ・保護費について
    ・受給後の生活

あとがき
◆生活保護法

■引用
◆最終手段にして最強のセーフティネット
「生活保護をひとことで言うと
国が、生活に困窮するすべての国民に対し「健康で文化的な最低限度の生活」の最低水準を保証し、自立を助けてくれる制度です。 しかも、保護の要件(あらゆる努力をしても、最低限度の生活を維持できない)を満たす人であれば、その理由をとわず無差別平等に受けることができる、 最終手段にして最強のセーフティネットなのです。」(p.15)


◆生活保護費は国民年金の2倍以上!?  「六五歳以上の高齢者は、一般に稼働能力(働くこと)は問われません。つまり、国民年金のみの収入で生活している単身高齢者は、他の要件(資産がなく親族の援助も得られない)さえ満たしていれば、収入面ではほぼ全員が生活保護の受給資格があるといえるのです。
そして、生活保護を受けた場合は、年金を満額受給できる人も、全く無年金の人も、最低生活費は同じです。
 この事実をどう思われるかは各人の判断にお任せしますが、これが国の定めた、生活保護と国民年金の受給金額の実態です。」(p.25)


◆生活保護は足りない部分を保障する制度
 「生活保護というのは、「国で定める最低生活費を下回る場合に、足りない部分について保障する」制度です。 仕事の給与、年金、各種福祉手当、仕送りなどの全ての収入を合計して、それでも最低生活費に満たない場合に、その足りない部分がお金(保護費)として支給されます。」(p.28)


◆保険証と医療の問題
 「資産とは違いますが、生活保護受給者が持てないものに、「国民健康保険証」があります。
 生活保護を受けると、国民健康保険に加入する資格がなくなります。会社員が加入する社会保険の保険証はそのまま持っていることができますが、生活保護申請時の保険はたいてい国民健康保険なので、ほとんどの生活保護受給者は保険証が持てないということになります。
 傷病については医療扶助で全額給付されることになりますので、国民健康保険に入れないことで不利益をうけることはありませんが、福祉事務所から「医療券」というものを発行してもらわなければ病院にかかれません。」(p.88))
 「生活保護世帯には障害者や傷病者が多く含まれています。複数の病院に頻繁に通う必要のある世<088<帯には、窓口で出す保険証がないこと、新しい病院に行く際に、先に福祉事務所で医療券を発行してもらわなくてはならないことは、心理的・身体的圧迫となっています。」(pp.88-89)


◆扶養義務について
 「福祉事務所へ相談に行くと、生活保護の前に、親兄弟に頼れないのか、実家に帰れないのか、それはなぜか、かなり突っ込んだ質問がされます。
 そして、保護申請が受理されると、扶養義務者にも扶養できるかどうかの調査が行われます。「補足性の原理」の中には、親兄弟など親族からの援助も含まれているからです。
 生活保護を受けることの中で一番抵抗があるのは、実はこの扶養義務の部分だと言われています。田舎の両親には知られたくない、独立した子供達に心配をかけたくない、といった意識が生活保護申請をためらわせているのです。」(p.90)

 「扶養義務が問われるのは三親等内の親族です。通常は、「親兄弟子供」「配偶者」(未成年の子どもがいる場合は、離婚している場合であっても)などの絶対的扶養義務者が対象になります。この絶対的扶養義務者の中でも、もっとも強く扶養を求められるのは「生活保持義務関係者」にある親族です。具体的には、配偶者・未成年の子に対する扶養の義務になります。
 場合によっては祖父母や叔父叔母などの相対的扶養義務者も対象になります。相対的扶養義務者で扶養義務を問われる人は「現在、申請者やその家族を援助している人」や「過去に申請者やその<091<家族に世話になったなどの特別な事情があって、現在は余裕があると推察される人」などです。」(pp.91-92)

 「扶養義務は、民法第八七七条に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と定められています。これが扶養照会をする根拠ですが、同じく民法第八七八条と第八七九条では、扶養すべき者の順序、扶養の程度・方法について、「当事者同士の協議により決めること、その協議がととのわないときは、家庭裁判所が決めること」となっています。また、生活保護法第七七条第二項では、「生活保護受給者の扶養につき協議がととのわないときは、福祉事務所が家庭裁判所に申し立てることができる」としています。
 つまり、扶養について勝手に福祉事務所が決めて強制する権限はないのです。ただ、扶養に関して、援助ができるかどうかと、その程度(金額)と方法を聞くこと、家庭裁判所に申立てをする権限があるだけです。」(p.94)


◆他法の活用について
 「生活保護は最後の手段として用意されているものですから、保護の適用前に他に利用できる制度があれば、最大限活用しなくてはなりません。これを「他法他施策の原則」といいます。
 例えば高齢者なら年金や介護保険、失業者なら雇用保険、母子家庭なら児童扶養手当、病気や障害なら傷病手当金や障害年金などです。」(p.96)


◆生活保護からの自立と問題点
 「生活保護は、「一度受給させると、福祉事務所から一方的に廃止するのは難しい」しくみになっているため、一説には「受給者を増やさないよう申請時のハードルを高くしている」といわれています。
 一九六〇年代の高度成長期に、労働能力をもつ人には就労が強く指導され、労働能力のある者のいる家庭が生活保護を受けることが困難になりました。
 また、第二章でも触れましたが、一九七〇年代後半に暴力団関係者による不正受給の横行が社会問題になったこともあり、一九八一年に厚生省が通達した「生活保護適正実施の推進」(一二三号通知)が交付されて以来、申請のチェックはいっそう厳しいものになりました。
 その結果、社会的にハンディキャップがあり、誰が見ても生活保護を受けることが当然と思われるような家庭でないと保護の申請がしにくいという、現在のような適用の仕方が慣習化してしまったのです。
 平成十四年度の生活保護の動向をみると、実際に保護を受けている世帯のうち高齢者世帯と傷病<144<者世帯、障害者世帯が八五%を占め、さらに母子家庭を含めると九三%で、ハンディキャップがある世帯がほとんどです。働いている人がいる世帯は一二%しかいません。
 もともと経済的自立が長期にわたって困難と思われる人が受給者の大半を占めているので、保護廃止の理由の第一位はケースの失踪や死亡で、廃止理由の十二%にしか満たないのが現状です。受給期間も長期化しており、三年以上の受給者は全体の六四%、十年以上にわたって生活保護を受けている人は全体の三〇%に及びます。
 また、生活保護受給前に全ての資産を使い果たさねば受給できませんし、生活保護受給中には一般的な貯蓄もできません。いわば経済的に丸裸な状態を強いられることも、保護からの脱却を難しくしています。
 蓄えもない状態での保護の辞退は大変な覚悟がいることです。医療費など今まで無料だったものが国民健康保険で三割負担になり、減免されていた税金や公共料金、国民年金などのお金もかかるようになります。」(p.144-145)



UP:20080208 REV:
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